もくじ
前編
ー ジャガーとアルファの多すぎる共通点
ー 成長戦略も同じ 熾烈な競争の予感
ー 拡大が続くF-PACEに強敵登場
ー ある意味、映画スターのごときルックス
ー 広さは同等 質感は大きく異なる
新参プレミアムSUV対決 アルファ・ステルヴィオ vs ジャガーF-PACE
後編
ー ジャガーの高い品質と独自の雰囲気
ー アルファの物足りないプレミアム性
ー パワートレインで逆転する印象
ー 出自に恥じぬシャシー性能
ー 不整路面に翻弄されるステルヴィオ
ー プレミアム性をより実感できるF-PACE
ジャガーの高い品質と独自の雰囲気
F-PACEのキャビンも、アウディQ5やメルセデス・ベンツGLCと比べれば、リッチなラグジュアリーさやコストのかかったマテリアルのクオリティ、ソリッドさでは完全に同等とは言えないが、かなり近いところまでは来ている。
ジャガーのレザーはやわらかく魅力的で、プラスティックのモールドは手触りがよく上質な仕上げぶり。スイッチ類はラバーで覆われ、動作のタッチには剛性感がある。
インフォテイメント・システムは操作性がよく、洗練され、セグメントベストへ対抗するのに必要な要素はたいがい揃っている。ドイツ勢では容易に得られない、気負わない温かな雰囲気やセンスの良さもそこにはある。
アルファの物足りないプレミアム性
ステルヴィオのキャビンは、定番のプレミアム勢に追いつくには明らかに不足があり、それはかつてのX-タイプの域にも届かない部分もあるが、逆に同等のレベルに達している部分も多い。フロントシートは非常に快適で、操作系は適切にレイアウトされ、計器類は鮮明で読みやすい。
しかし、一体成型される部分はあまりなく、ジャガーでは耳にしないようなきしみ音が発生する。フィニッシュはキメが粗く、レバーやダイヤル、ボタンのフィールはどれもチープで、レザーシートのタッチも心惹かれるものではない。
乗って移動するための場所としては、ステルヴィオの内装はジュリアがそうであるのと同様に的確だ。高級感が足りないかわりに、必要なアイテムを完備し、当たり障りなく、上昇志向で造ろうとしたことがうかがえる
2台を近くに置いてアイドリングしていると、アルファの2.1ℓエンジンにはかすかな振動音があるが、それもより静かなジャガーと並んでいるから気づくようなもの。それは、車内にいたり走らせてみたりしても、F-PACEの方が機械的に洗練されていることを示唆するようだが、実際のところアルファのディーゼルは、常識的な速度域で流していると実に落ち着いたものである。
パワートレインで逆転する印象
事実、ステルヴィオのディーゼルユニットは、F-PACEのそれよりあらゆる面で一枚上手だ。スペック表を見る限り、パワーとトルクのピーク値はジャガーの方が勝っているだけに驚かれるかもしれないが、JLRのインジニウム・ディーゼルを積む他のモデルのレポートをお読みいただいていれば、そんなことはないだろう。
ランドローバー・ディスカバリー以外のバリエーションがそうであるように、240psのディーゼルは期待したほどのパフォーマンスやフレキシビリティ、洗練性をF-PACEにもたらしていない。対してアルファの210psユニットは、想像するよりトルキーでレスポンスに優れるように感じられる。
ステルヴィオの0-100km/h加速は、スペック表の上ではF-PACEを0.6秒凌ぐが、実際に走らせてみてもその差は明らかで、アルファの方が速い。緩やかなスロットル操作に対するジャガーのレスポンスには、ゼロスタートでも追い越し加速でも、ためらいがあるが、アルファの方は精力的に速度を上げていく。中速域でのステルヴィオは力強くエネルギッシュだが、F-PACEの方はまったりと、高回転を避けているような感触だ。
出自に恥じぬシャシー性能
しかし、パワートレインを別にすれば、どちらもハードに走らせると、ブランドに恥じない優れたハンドリングを発揮する。グリップレベルは素晴らしく高く、このサイズの背が高いクルマとしてはコーナリング時のバランスも優秀だといえる。
さすがに、スポーツセダン並みとはいかない。しかし、それなりにバランスはよく、しかも期待通り元気にスイスイ走る。
走り慣れたコーナーでパワーを多めに掛けても、ボディコントロールが限界に達したり、アンダーステアが出たり、スタビリティコントロールに楽しみを台無しにされたりすることはない。
不整路面に翻弄されるステルヴィオ
では、よりよいのはどちらか。それは、道路の状態によって変わる。スムースな舗装で、見通しもよく、遮るクルマがいなければ、これはアルファの独壇場だ。F-PACEよりハードなスプリングとわずかに上回るグリップを持ち、ロールも小さいので、速いコーナーでもより俊敏でシャープなフィールだ。
鼻先の動きも、こちらの方が速い。ペースを上げても、実にやる気にさせる、精度の高いクルマだ。ただし、ステアリングの中立付近には、気まぐれなところのある曖昧さが感じられる。
これが、英国の道には付きもののバンプが多い路面に突き当たると、ステルヴィオは弱点を露呈する。そうした道での乗り心地はやや荒く、乗員は忙しなく突き上げられる。明らかにサスペンションの遮断性は不足しており、衝撃やノイズがしばしばキャビンへと侵入するようになるのだ。
プレミアム性をより実感できるF-PACE
こうなれば、滑らかで、巧みなダンピングを見せるジャガーの出番だ。
アルファから乗り換え、滑らかなコーナーを再び駆け抜けてみると、がっちりとして信頼感があり、滑らかなステアリングが、F-PACEの慎重に磨かれ卓越した運動性を完全なものにしてくれるのが感じられる。また、ステルヴィオ以上の造りの良さや一層のラグジュアリーさ、多少ながら上回るキャビンと荷室の広さを合わせて考えると、ひとつの結論に行きつく。
パフォーマンスやハンドリングで一歩譲るとしても、F-PACEには十分満足できる。このジャガーは、アルファよりプレミアムな物件であることを証明してみせたわけだ。走りに勝るステルヴィオの敗北に納得がいかないなら、こう言い換えよう。アルファのジャガーに対するマージンより、その反対の方がわずかながら大きかったのだ、と。
とはいっても、これだけは確かだ。待望されたアルファロメオのSUV、ステルヴィオはついに登場した。それも、かなり首尾よく。価格設定は絶妙で、CO2排出量は130g/kmを切り、そして確かに天性のテンターテイナーだ。
ジュリアのように、それはちょっとした賭けだが、かなり好ましい存在でもある。このクラスに求められていた痛快さやエネルギッシュさ、そして楽しさを、予期せずもたらした。おおいに歓迎したい。これはこれで、存在価値がある。
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