3つのモデル、4種のボディが勢揃い。続いてコンバーチブルも登場
2024年はMINIの「当たり年「となった。収穫物でいえば豊作と表現できる。2023年11月の内燃機関を積んだカントリーマンから始まり、2024年末現在で3つのモデル、4種類のボディタイプが出揃った。2024年10月に販売を開始したコンバーチブルは25年からデリバリーがスタートするので、2025年は、ますます楽しくなる。いずれにせよクラシック・ミニの時代からこんなに立て込んだことはない。
【最新モデル詳報】ボクたちに愛すべき相棒、MINIが新世代に移行。クーパー/カントリーマンのワクワク、ドキドキ時間
もちろん、メーカーは意図的にそれを行った。新世代へスイッチしたことをマーケットに強くアピールするためである。内燃機関からBEV化への流れの中で、MINIが出した答えはここにある!といったところだ。具体的には、ディーゼルエンジンはカントリーマンのみとなり、小排気量ガソリンエンジンが幅広く使われ、BEV専用モデルが登場した。
BEV専用モデル、エースマンのデビューは衝撃的である。国際試乗会に参加したとき現地で取材したが、「内燃機関を積んだモデルの追加はない」ときっぱりと発言した。通常パターンでいえば後から出るのかと思いきや、それはいっさいないようだ。
また、このタイミングでネーミングの変更が行われたのも見逃せない。ひとつは基本形ともいえるハッチバックがすべてMINIクーパーになったこと。これまでエントリーモデルに位置していたONE(ワン)が消え、全グレードに「クーパー「の名称が付いたのだ。この背景には日本に限らず世界中でMINIのことをMINIクーパーとワンワードで呼ぶ人が多いから。確かに周囲と会話していてもグレードに限らずMINIクーパーと呼ぶ人は多い。同業は別として、もはやそちらのほうがデフォルトになっている。
カントリーマンも同じ。日本や他の数カ国では国内における商標登録の問題で、それが長年使えなかった。そこで、クロスオーバーというネーミングを当てはめていたが、グローバルで統一しようという号令のもとそれをクリアした。カントリーマンはMINIにとって伝統ある名前。それが堂々と使えるのは明らかに朗報である。
では出揃った新世代MINIのデザインはどうなのか。
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エクステリアでいえば、ハッチバックは王道を突き進んだ。丸型ヘッドライトとグリルの形状、その位置関係もそうだし、ルーフとボディの対比や各ピラーの角度なども伝統を継承する。現行型F66は従来型F56から大きくモディファイされることなくイメージはキープされた。流れのままでいけばよりグラマラスな方向へ行きそうなものだが、うまい具合に踏みとどまったといえる。というか、いい塩梅で先祖返りしていて初見でも馴染む。
それでも、テールランプなど手を入れられるところは新しさを注入。ユニオンジャックをモチーフにしたそれを進化させた。このあたりはデザイナーの腕の見せどころ。彼らが考え抜いた結論がここにある。
そんなエクステリアに対し新世代をよりアピールしているのがインテリア。MINI独特のセンターメーターありきのロジックに則りながら、時代感を表現した。丸型有機EL採用のセンターディスプレイがそれに当たる。
自動車業界でデジタル化が進んでいる昨今、インターフェースは重要な役目をする。各社最新のデジタルプラットフォームを用いてユーザーニーズに必死で応えようとしている。スマホと連動させ、ガジェットのひとつとして扱われるのが自然になっている。そんな中、デザイナーを含むMINIの開発陣は、MINIらしさにこだわった。
そこでセンターディスプレイのサイズや形状はもちろんのこと、その中身を追求したのである。エクスペリアというスイッチがそれで7種類の異なる世界観を演出する。わかりやすいのは「GO-KART「や「GREEN「といったスポーティな走りやエコモードだが、それ以外にも感性に訴えるセレクトが5種類ある。しかもそれらは音楽やシート内蔵のマッサージ機能などと連動してドライバーを楽しませる。MINIの遊び心満載なのだ。
というのが新世代MINIの概要。あとはそれぞれのモデルに言及するが、まずはディーラーへ行って実車を見るのがいい。他のクルマにはないMINIならではの世界観や遊び心は、クルマが自由な乗り物であることを再認識させてくれることだろう。
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