10月17日(木)から20日(日)にかけて、ドイツ、チェコ、オーストリアの3国をラリーフィールドにして開催される2024年WRC第12戦『セントラル・ヨーロピアン・ラリー』に、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)は4台のトヨタGRヤリス・ラリー1で参戦する。
今回マニュファクチャラー登録となるのは、セバスチャン・オジエ(17号車)、エルフィン・エバンス(33号車)、そして第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ以来の出走となる勝田貴元(18号車)だ。4台目には、注目を集める若手サミ・パヤリ(5号車)が乗り込み、自身3度目の最高峰クラスにエントリーする。
勝田貴元がラインアップに復帰。“天王山”WRCセントラル・ヨーロッパに10台のラリー1がエントリー
2024年シーズンは残り2ラウンド。TGR-WRTは、佳境となるマニュファクチャラー選手権での逆転をターゲットに、第4戦クロアチア・ラリー以来となる半年ぶりのターマック(舗装路)ラリーに挑む。
2023年に初めてWRCイベントとして開催されたこの『セントラル・ヨーロピアン・ラリー』は、ドイツ、チェコ、オーストリアの3国でスペシャルステージ(SS)が設けられる斬新な試みのラリーである。
SSの路面はすべてターマックとなるが、国や地域ごとに道のキャラクターが大きく異なる。それに加え、この時期のヨーロッパは天気がとても変わりやすく、雨や泥、そして落ち葉などによって時には非常に滑りやすくなるのも注意点のひとつだ。
今回のサービスパークはドイツ南東部、バイエルン州の『カルプフハム』に置かれ、セレモニアルスタートは2023年大会と同じくチェコの首都プラハの中心部で行われる予定だ。
大会初日は、午前から昼にかけてチェコでシェイクダウンとセレモニアルスタートを行い、同日15時よりプラハ郊外の競馬場『ヴェルカー・チュクレ』でのスーパーSS、さらに夕方にSS2『クラトヴィー』で11.78kmのステージが実施される。
フルデイ初日のデイ2は、狭くハイスピードで起伏も多いチェコの道をメインに6本のSS(110.64km)をアタック。暫定ポイントのかかるデイ3は、ドイツとオーストラリアのステージを走行し、合計123.46kmと4日間で最長の一日を戦う予定だ。
なかでも、このデイ3のSS10/13『ビヨンド・ボーダーズ』は、ステージ名が示すようにドイツをスタートしてオーストリアでフィニッシュするという、国境を越える『セントラル・ヨーロピアン・ラリー』ならではのステージとなる。
そしてラリー最終日のデイ4は、ドイツにて最終パワーステージを含む計4本(54.08km)を走行して総合優勝とスーパーサンデーを争う。
17ポイント差をなるべく縮めて最終戦に臨みたいTGR-WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表は、「すべてがまだ可能だ」と逆転を狙う。
「第11戦ラリー・チリ・ビオビオでの結果は、チーム全体のモチベーションを大幅に高めることに繋がった。ポイント差を半分に縮めることができたことによって、マニュファクチャラー選手権争いは依然オープンな状態にあり、すべてがまだ可能であることが示された」
「そして我々は、セントラル・ヨーロピアン・ラリーをとても楽しみにしている。このラリーはドライバーにとって大きな挑戦であり、昨年は雨と泥により難しいコンディションになった。我々のクルマは、そのようなコンディションでもよく機能しており、ドライバーたちもチャレンジする準備ができているはずだ」
「まず、セブ(セバスチャン・オジエ)が依然高いスピードとモチベーションを維持していることは、チームにとって大きな後押しとなる。そしてエルフィン(・エバンス)はチリで好調な週末を過ごしたことで、自信を取り戻したことだろう」
「(勝田)貴元にとっては、ラリージャパンを前にしっかりとラリーを戦い抜いてポイントを獲得し、クルマに良いフィーリングを感じられるようになることが目標となる。一方サミにとってはラリー1で臨む初めてのターマックラリーで、学びを得ることと経験を積むことがすべてだ」
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