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2019年に導入予定。ラスト1マイルは電動で。ボッシュが電動トラックの普及を後押し

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2019年に導入予定。ラスト1マイルは電動で。ボッシュが電動トラックの普及を後押し

ボッシュは、大量の物流の配送車向け電動パワートレインソリューションを展開している。とくに、「ラスト1マイル」を電動車両で配送することは、これからの配送車の姿を変える可能性を秘めている、とボッシュは考えている。

 2回クリックするだけで注文が完了し、注文した物が早い時にはその日に家まで届く。こうしたオンラインショッピングが広く浸透したことで、大都市の輸送交通量が限界に達している。小型・大型トラックが都市部を走行する際、荷下ろしするスペースがなく、やむなく路上に駐車している姿がよく見られるようになっている。これは道路を塞ぐことになるだけでなく、騒音や排出ガスの問題もつながる。このことが世界中の都市で交通渋滞を生み出し、走行規制に関して頻繁に議論されるようになっているた。この影響を受けるのは運送業だけでなく、トラックで顧客に荷物を届ける中小企業や個人事業主も含まれる。
「都市における物資の輸送に対応するために、輸送交通の見直しは避けられません」
とボッシュ取締役会メンバーのマルクス・ハイン氏は述べている。そしてこのことは、ボッシュが小型商用車向けの新しい電動パワートレインを通じて実現しようとしている目標のひとつでもある。このパワートレインを搭載した最初の車両は2019年に導入される予定だ。

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静かな配達を実現

 郵便・物流大手のドイツポストはボッシュ製の駆動システムを搭載した「StreetScooter」を採用し、都市部の配達に変革をもたらした。また、ボッシュはさまざまなタイプの配送車に対応した電動パワートレインにより、配送の電動化をさらに一歩進める。
 この電動化計画では、流通センターから目的地までの最後の区間(ラストワンマイル)を電動トラックが荷物を運ぶという考えがベースとなっている。頻繁にストップ&ゴーを行う市街地走行の場合、電気自動車は頻繁なブレーキからエネルギーを回生でき、走行可能距離が長くなるため、特に効果的だ。
 ほとんどの配送車両の走行距離は1日80km未満で、1回の充電でその距離を十分カバーできる。配達後には、フリート車両は車庫で一晩充電しておくことができる。また、電動フリート車両はゼロローカルエミッション(地域ないにおける排出ガスゼロ)で走行できるため、市街地の走行規制の対象にはならない。
 環境に配慮した配送を求めているのは、都市だけではない。ドイツ人の61%はネット通販サイトを選ぶ際、電気自動車で配達してくれることがひとつの重要な指標となっていると答えている(出典:PwC)。また電気自動車には、騒音が少ないため、遅い時間の配達でも受け入れられやすいというメリットもある。これにより、ピーク時の交通量を抑えることができ、配達時間の柔軟性も高まる。
「ボッシュはeモビリティ、特に都市の輸送交通を理にかなったものにしようとしています」
とハイン氏は述べていり。


マスマーケットに対応可能

 ボッシュの電動パワートレイン「eCityTruck」には、トランスミッション付きとトランスミッション無しの ふたつのバージョンが用意されている。ふたつのバージョンを揃えたのは、自動車メーカーのさまざまな要件に対応した、組み込みやすいソリューションにするためだ。これらのパワートレインソリューションは、重量が2~7.5トンの小型商用車を広くカバーすることができ、商用車市場の大部分に対応している。なかでも小型トラックは広く普及しており、ドイツで登録されている商用車全体の約4分の3がこのクラスに属し、その数は増え続けている(出典:Shell)。
「ボッシュの商用車用電動パワートレインは、市街地を走行する配送車の姿を変える可能性があります。私たちは電動トラックをマスマーケット規模に拡大させようと考えています」
とハイン氏。

 ボッシュは新しい「eCityTruck」のパワートレインコンセプトをもとに、電気モーターやパワーエレクトロニクスなどの複数のコンポーネントをひとつのユニットに統合して、コンポーネントを効率的に利用できるようにし、パワートレインの効率向上と低コスト化を実現した。ボッシュのソリューションは簡単に組み込むことができるため、自動車メーカーは新しいコンポーネントを開発するために多大な時間を投入せずに済み、大手メーカーはもちろん、スタートアップ企業もいち早く車両を市場に投入できるようになる。

 ボッシュはすでに、車両の開発時間を著しく短縮できる乗用車向けのオールインワンソリューション「eAxle」を提供しているが、製品ラインアップをさらに拡充して小型商用車もカバーし、電動化戦略で自動車メーカーをサポートするために大きく前進しようとしている。

 商用車の電動化について、ボッシュが対象として考えているのは小型トラックだけではない。ボッシュは米国のスタートアップ企業であるNikola Motor Companyとともに、自動車の充電走行距離で新たな基準を打ち立てるパワートレインの開発を進めている。こうした配送車向けのパワートレイン技術が、2020年以降に成長するeモビリティのマスマーケットで世界をリードし、Emission-free(排出ガスのない)、Accident-free(交通事故のない)、Stress-free(ストレスのない)を満たすモビリティのビジョンの実現に向けた重要なマイルストーンになり、その未来のモビリティでカギを握るのが自動化、ネットワーク化と電動化であると考えている。

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