現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > トラックドライバーの仕事は運転だけじゃない! 過酷な「荷役」が「運転手不足」の原因にもなっていた

ここから本文です

トラックドライバーの仕事は運転だけじゃない! 過酷な「荷役」が「運転手不足」の原因にもなっていた

掲載 95
トラックドライバーの仕事は運転だけじゃない! 過酷な「荷役」が「運転手不足」の原因にもなっていた

 この記事をまとめると

■トラックドライバーの基本的な仕事は運転して荷物を運ぶこと

トラックドライバーの悲鳴と本音! 乗用車に「やめて欲しい行為」4つ

■しかしトラックドライバーの多くが貨物の積載や荷降ろしも行なっている

■この「荷役」と呼ばれる作業がドライバーの大きな負担になっている

 トラックドライバーの長時間労働の原因に

 トラックドライバーの仕事は、その名のとおりトラックを運転して荷物を運ぶこと。だが、多くの現場では、ドライバーの多くがその運転、輸送だけでなく積み荷の積載や荷降ろしといった作業も行なっている。この作業を「荷役」(トラッカーの間では「にえき」と呼ぶ)というが、これがドライバーたちの大きな負担となっている。

 ウイング車または箱車と呼ばれる箱型の荷台を持つトラックの荷役は、パレットと呼ばれる台に積み上げられた荷物をフォークリフトで荷台に運び込む「パレット積み」という方法と、フォークリフトで荷台の入り口まで持ち上げられた荷物を手作業で積み込む「バラ積み」という方法がある。

 パレット積みのほうがスピーディに、かつ手間もかからず積み込むことができるが、現状ではすべて手積み、もしくはパレット積みとバラ積みの併用で荷役が行なわれている現場が多い。これは、パレット積みだけでは荷室のなかに隙間が生じるから。荷主にとってはその隙間を生じさせず、より多くの積み荷を運ばせたい。そのため、ドライバーにバラ積みでの積み下ろしを行なわせるわけだ。

 このバラ積みのなかには、30kgの米を400個以上、食品を4000箱以上、青果をダンボールで1000箱といった過酷な荷役を課せられている現場もある。当然、その荷役作業は長い時間を要することになり、国交省の統計では、その平均時間は荷待ち(現場に到着してから荷役作業が始まるまでの待ち時間。こちらについてはまた稿を改めてリポートしたい)が1時間34分、荷役が1時間29分と合わせて3時間が占められている。

 しかし、実際にはさらにそれ以上の時間がかかることも多く、ドライバー自身で市場にある積み荷を探しに行かねければならないし、荷物が積み込み場所に届かずそれを待たなければならないなど、余計な手間と時間がかかり、積み込み開始から出発までに5~6時間かかってしまうというケースもある。

 付帯作業を無償で行わせる業者も

 この荷物の積み下ろしや荷の状態を確認する検品作業については、自分の仕事と割り切っているドライバーは多い。なかには手積み手降ろしの「バラ積み」こそトラック乗りの達成感であり、やり甲斐だと豪語するストイックなドライバーもいる。

 しかし、彼らに仕事を発注する荷主のなかには、荷物の仕分けやラベル貼り、倉庫内の荷物の入れ替えや棚卸し、商品陳列など、本来荷主側で行なわなければいけない「付帯作業」まで指示する業者もいる。しかもこの作業は、多くのドライバーが無償でやらされているという。これが長時間・低賃金のトラック業界の構図となり、若いドライバーが入ってこない、育たないという人手不足の現状も生み出している。

 2024年4月には働き方改革関連法の物流・運輸業界での本格適用が行なわれ、ドライバーの時間外労働が制限される。その一環として国土交通・経済産業・農林水産の3省は、今年5月に「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者が取り組むべき事項」の原案を提示。

 このなかで「荷主事業者は、荷待ち、荷役作業等にかかる時間を原則として約2時間以内とする」ことを自発的なルールにして、順守を求めていくことを打ち出したほか、トラック予約受付システムの導入、パレットの活用、物流システムや資機材の標準化といった推奨事項も盛り込んでいる。また、物流事業者に対し、運送契約にない荷役作業などをさせないといったルールも提示されている。

 これに先立ち、2019年6月には国土交通省によりトラックドライバーの荷役作業・附帯業務の記録義務付けが開始された。対象車両は車両総重量が8トン以上または最大積載量が5トン以上のトラック。契約書に実施した荷役作業のすべてが明記されている場合は、所要時間が1時間未満なら荷役作業についての記録は不要となっている。

 このように車両運送だけでなく荷役などトラッカーの仕事をルール化することで、安全面、労務面でのコンプライアンス確保や、取引環境の適正化を促進していくという。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

東京ガス、EV充電サービス「EVrest」に新料金メニュー…充電器ごとの柔軟な設定が可能に
東京ガス、EV充電サービス「EVrest」に新料金メニュー…充電器ごとの柔軟な設定が可能に
レスポンス
【RQ決定情報2025】スーパーフォーミュラの新チームをサポートする『KDDIレースアンバサダー』のメンバーが発表
【RQ決定情報2025】スーパーフォーミュラの新チームをサポートする『KDDIレースアンバサダー』のメンバーが発表
AUTOSPORT web
ホンダe:HEVと日産e-POWER 元エンジニアが判定「長所」と「短所」をガチで比べるとどっちがいいの?
ホンダe:HEVと日産e-POWER 元エンジニアが判定「長所」と「短所」をガチで比べるとどっちがいいの?
ベストカーWeb
「マイクロバス」はトヨタの商品名だと知ってた? 60年以上むかしのトラック「ダイナ」ベースのバスがとってもおしゃれ! 昭和懐かしのクルマを紹介します
「マイクロバス」はトヨタの商品名だと知ってた? 60年以上むかしのトラック「ダイナ」ベースのバスがとってもおしゃれ! 昭和懐かしのクルマを紹介します
Auto Messe Web
ユーザーがクルマの「リコール」を放置すると車検に通らない場合も! そもそも「リコール」ってどんな場合に出されるもの?
ユーザーがクルマの「リコール」を放置すると車検に通らない場合も! そもそも「リコール」ってどんな場合に出されるもの?
WEB CARTOP
ママチャリとロードバイクが合体!? トップチューブレス設計のスポーツバイク「ママチャリロード2」発売
ママチャリとロードバイクが合体!? トップチューブレス設計のスポーツバイク「ママチャリロード2」発売
バイクのニュース
ホンダ「WR-V」一部改良! 高級インテリア採用&精悍すぎる「ブラックスタイル」登場! 値上げ実施も“全車250万円台以下”をキープ!
ホンダ「WR-V」一部改良! 高級インテリア採用&精悍すぎる「ブラックスタイル」登場! 値上げ実施も“全車250万円台以下”をキープ!
くるまのニュース
2025年2月の新車販売ランキング、スペーシアが2位浮上 N-BOXはトップ変わらず
2025年2月の新車販売ランキング、スペーシアが2位浮上 N-BOXはトップ変わらず
日刊自動車新聞
テストでは最多周回を走り込んだメルセデス。弱点の克服を実感「開幕戦には完全な準備ができたマシンを持ち込む」
テストでは最多周回を走り込んだメルセデス。弱点の克服を実感「開幕戦には完全な準備ができたマシンを持ち込む」
AUTOSPORT web
ジャガーは何をやろうとしているのか 1900万円の新型EV、狙いは? 独占インタビュー
ジャガーは何をやろうとしているのか 1900万円の新型EV、狙いは? 独占インタビュー
AUTOCAR JAPAN
レクサス最新「“5人乗り”コンパクトSUV」に注目! リッター「28キロ」走る“最安&最小”な「LBX エレガント」がスゴイ! “豪華内装×特別カラー”など気になる仕様とは?
レクサス最新「“5人乗り”コンパクトSUV」に注目! リッター「28キロ」走る“最安&最小”な「LBX エレガント」がスゴイ! “豪華内装×特別カラー”など気になる仕様とは?
くるまのニュース
タカラトミーが Juju 選手とパートナー契約…スーパーフォーミュラマシンに「TOMICA」のロゴ
タカラトミーが Juju 選手とパートナー契約…スーパーフォーミュラマシンに「TOMICA」のロゴ
レスポンス
2025年2月の外国メーカー車販売、前年比3.6%増の1万8601台 2カ月連続プラス VW増加で底上げ
2025年2月の外国メーカー車販売、前年比3.6%増の1万8601台 2カ月連続プラス VW増加で底上げ
日刊自動車新聞
【中国】約200万円! トヨタ新型「bZ3X」25年3月発売に反響多数! 「RAV4より広くて快適そう」「価格安すぎ」「先進運転支援システムが気になる」の声も! 新たな「bZシリーズ」登場!
【中国】約200万円! トヨタ新型「bZ3X」25年3月発売に反響多数! 「RAV4より広くて快適そう」「価格安すぎ」「先進運転支援システムが気になる」の声も! 新たな「bZシリーズ」登場!
くるまのニュース
トヨタ「アルファード」でスポーツVIPを表現! 愛車に「リンファード」と名付けた理由は給油口を見れば納得…実は家族愛あふれる1台でした
トヨタ「アルファード」でスポーツVIPを表現! 愛車に「リンファード」と名付けた理由は給油口を見れば納得…実は家族愛あふれる1台でした
Auto Messe Web
黒いトヨタのエンブレムがカッコいい! ヤリス&ヤリス クロスに特別仕様車「Z“URBANO(ウルバーノ)”」が登場。
黒いトヨタのエンブレムがカッコいい! ヤリス&ヤリス クロスに特別仕様車「Z“URBANO(ウルバーノ)”」が登場。
くるくら
「運転者管理システム」の運用3月22・23日全国一斉停止、マイナカード移行作業で免許証更新業務もストップ[新聞ウォッチ]
「運転者管理システム」の運用3月22・23日全国一斉停止、マイナカード移行作業で免許証更新業務もストップ[新聞ウォッチ]
レスポンス
外国人が「簡単に取れる日本の免許証制度」とは? 問題が指摘される「外免切替」 国家公安委員長「制度改正の検討」を示唆! 事故実態は「把握せず」
外国人が「簡単に取れる日本の免許証制度」とは? 問題が指摘される「外免切替」 国家公安委員長「制度改正の検討」を示唆! 事故実態は「把握せず」
くるまのニュース

みんなのコメント

95件
  • hmu********
    その対価に応じればいい。できないなら荷主やスタッフがやればいい。ドライバーと作業は分けるべき。2024を期にやるべきかと。待ち時間もドライバーに現金支給!そうすべき。ドライバーはボランティアではない
  • hay********
    いわゆる大手でもラップ巻きはドライバーとか積込みはドライバーとかあるからな。そんな会社が一刻も早く淘汰されますように〜
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

120 . 8万円 149 . 4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1 . 0万円 115 . 1万円

中古車を検索
スズキ パレットの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

120 . 8万円 149 . 4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1 . 0万円 115 . 1万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村