大メーカーでさえ、やってしまうことも…
中国製のコピーキャット、つまり他車のデザインを模倣したクルマは、中国内の市場で多数を占めている。たとえば、衆泰SR9はポルシェ・マカン、威柯瑞V7はフォルクスワーゲンeアップを真似ようとしたことが明らかだ。
【画像】コピーの元となったクルマ 記事中の画像と比べてみよう 全18枚
中国の自動車業界は近年、物真似から脱却しつつある。競争力の高い新型車を欧州や米国で発表し、国際的な市場に参入を図るブランドも少なくない。しかしその一方で、いまだに大メーカーでさえラインナップの中にコピー車を含めていたり、あるいは中国内でひそかに販売していることもある。この数年に発表されたクルマの中で、われわれを呆れさせた模倣車をまとめて振り返ってみよう。
オラR1 – ホンダeとスマート・フォーフォー
横から見るとスマート・フォーフォーにそっくりだが、フロントグリルはホンダeに酷似。オラR1は長城汽車が都市部の若いドライバーに向けて製造しているクルマだ。オラ(Ora)という車名は、「オープン、リライアブル、オルタナティブ(開放的で、信頼性が高く、既存のものに取って代わる)」という言葉の頭文字を取ったというが、このコンパクトカーの最高速度は100km/hと、ホンダeの150km/hに到底およばない。
リファン(力帆)320 – ミニ・ハッチバック
リファン320は、中国の力帆実業股分有限公司が製造する排気量1300ccクラスのコンパクトカー。2008年の北京モーターショーで発表されると、あまりにミニに似ていることから悪い意味で評判になった。2013年にマイナーチェンジを受け、ミニそっくり度は下がったものの、今度はなぜかフィアット500に似てしまった。
ランドウインド(陸風)X7 – レンジローバー・イヴォーク
2014年に発表された陸風X7は、明らかにレンジローバー・イヴォークとそっくりだ。実際ランドローバーは、陸風汽車ブランドでこれを製造する江鈴汽車に対し訴訟を起こしたが、中国当局はこれを “模倣品” とは認めず、X7は邦貨換算約250万円ほどの価格で発売された。しかし、これを不服としたJLRは直ちに上訴。2019年になってようやく北京の裁判所から勝訴の判決を得た。
双環SCEO – BMW X5
フロントエンドはレクサスの初代RXを思わせる。だが、横や後方から見るとBMW X5から受けた影響は見過ごせない。確かにBMWはこれを見過ごさず、双環汽車を裁判で訴えた。その結果、双環SCEOはドイツで展示差し止めを命じられることになった。
CHリチア – アウディR8
アウディR8の独特なスタイルは真似できない、と多くの人は思うだろう。しかし、中国のCHオートは、そのデザインを非常に気に入ったので、自社の電動スーパーカー、リチアに応用しようと考えた。フロントとリアはそれほど似ておらず、独自のデザインもなかなか魅力的なのだが、横から見ると明らかにR8だ。
長安X70A – ランドローバー・ディスカバリー4
既に旧型となったモデルさえも、中国のコピー・デザイナーから逃れることはできない。ランドローバー・ディスカバリー4のデザインは、長安X70Aの着想のもとになった。この重慶市に本拠を置く長安汽車の大型SUVは、フロントのデザインこそ異なるものの、横から見ればディスカバリー4を真似たことがすぐにわかる。
吉利BL – ヒュンダイ・クーペ
中国の自動車メーカーによる模倣の慣例は、最近始まったわけではない。2003年に吉利汽車(ジーリー)が発売したBL(ビューティー・レパード)は、フロントをヒュンダイ・クーペから、リアをトヨタ・スープラから拝借したクルマだった。幸い、吉利汽車の親会社である浙江吉利控股集団(ジーリー・ホールディング・グループ)は、傘下に収めたボルボにも同じデザイン手法を取らせようとはしていないようだ。
遊侠レンジャーX – テスラ・モデルS
外観も内装もテスラ・モデルSにそっくりの遊侠レンジャーXは、中国のナイトライダーだ。あのKITTから着想を得たLCDライトを搭載し、0-100km/h加速5.6秒、航続距離460kmと発表されている。このクルマについて、テスラにコメントを求めたものの、返答はなかった。
双環ノーブル – スマート・フォーツー
車名を聞いて連想するような、ノーブルM600のコピーではない。また、そのデザインがノーブル(高貴)というわけでもない。外観はスマート・フォーツーにそっくりだが、こちらの双環ノーブルは4人乗りだ。とはいえ、4人の大人がどれだけ快適に乗れるかは不明。
ドージョー・パイオニア – アストン マーティン・シグネット
アストン マーティンのクルマの中からどれか1台をコピーしようと思った時、シグネットを選ぶ人はあまりいないだろう。しかし、江蘇省揚州に本拠を置く道爵実業有限公司というメーカーはそれをやった。ドージョー・パイオニアは、トヨタiQをベースとする(念のために付け加えておくと、これは模倣したという意味ではない)アストン マーティンのシティカーを真似た電気自動車だ。航続距離は120km、最高速度は60km/hと発表されている。
御捷S325 – レンジローバー・イヴォーク
これはなかなか革新的なコピー車である。フロントエンドとテールライトはレンジローバー・イヴォークのミニチュア版だが、それ以外の全部は、単なる背の高い不格好なコンパクトカーなのだ。これによってイヴォークの販売を奪われるのではないかと、ジャガー・ランドローバーが心配することは、まずないだろう。
御捷330 – キア・ピカント
一方、韓国のキアは腹を立てているに違いない。御捷330はこれまで見た中で、もっともそっくりな模倣車だからだ。とはいえ、邦貨換算100万円ほどで買えるピカントの偽物をわざわざ作っても、市場でどれだけ勝算があるのかはわからない。
吉利メリー – メルセデス・ベンツCクラス
後ろから見ると、吉利メリーはよくある無個性な中国製セダンに過ぎない。しかし、フロントはメルセデス・ベンツのCクラスにそっくりだ。少しでも変えようとする気は、さらさらなかったらしい。ボンネットの上には、ベンツから着想を得た(というか盗用した)エンブレムまで備わっているのだから。
衆泰SR9 – ポルシェ・マカン
衆泰汽車は、ポルシェのベストセラー車からボディをコピーしてSR9というクルマを作り上げた。中国における販売価格は日本円で170万円程度と、マカンよりもだいぶ安い。エンジンは三菱製の2.0リッター直列4気筒ガソリン・ターボで、最高出力190psと最大トルク25.4kg-mを発生する。
威柯瑞V7 – フォルクスワーゲンeアップ
中国製コピー車クラブに最近加わったのが、威柯瑞V7。わかりやすく言えば、フォルクスワーゲンeアップのクローンだ。フロントのバッジまで、フォルクスワーゲンのロゴを真似ている。
BYDのロゴ – BMWのロゴ
ロゴと言えば、BMWはロゴのデザインさえも真似されている。BMWの円形とは違って楕円にアレンジされているものの、レイアウトやカラースキム、フォントまで、BYDがBMWのロゴから着想を得て自社のロゴをデザインしたことは明らかだ。中国では衣料品ブランドまでもが、BMWからマークを盗用したと訴えられている。
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みんなのコメント
衣食住全てに置いて中国が入るとロクな事が無い
まさにゴキブリ以下です。
駆除しないと世界の為にならない