最低地上高の高い「シャコ高ミニバン」といえば、日本では三菱デリカD:5の独壇場。他にもないのかなーと思って調べてみたら、東南アジアはシャコ高ミニバンが大人気だった。そこでわれらがトヨタと三菱の代表選手を紹介しよう。日本にも導入してほしいなあ!
文/ベストカーWeb編集部、写真/三菱自動車、トヨタ
SUVの次はシャコ高ミニバン? 三菱エクスパンダーとトヨタ イノーバ ゼニックスの戦いが熱い!
■ハイブリッドもありのイノーバ ゼニックス
トヨタ イノーバ ゼニックス。か、かっこいい!
タイやフィリピン、インドネシアといった東南アジアの国々では、大家族制が残っているためか多人数乗車できるクルマの需要が高い。いっぽう郊外などには未舗装路も存在するため、最低地上高にもゆとりが求められる。
こうしたニーズを満たすために生まれたのが、いわゆる「シャコ高ミニバン」だ。日本車メーカーもこのセグメントを狙ったモデルを投入しているが、なかでも目立つ存在が、トヨタ イノーバ ゼニックス(※インドネシアではキジャン イノーバ ゼニックス)と三菱エクスパンダークロスだ。
まずはイノーバ ゼニックス。このクルマはトヨタの新興国向けプロジェクト「IMV」から生まれたミニバンで、2022年に登場した現行モデルは3代目。プラットフォームをIMVから最新のTNGA-Cへと変更した点が特長だが、これはハイブリッドユニットを搭載するためと思われる。
エクステリアは写真をご覧いただきたいのだが、日本で販売しても結構人気となりそうなフロントマスク。3列シートミニバンだが前後ドアともにヒンジ式で、SUVっぽくも見える。全長4755mm、全幅1850mmというからほぼハリアーと同サイズだ。肝心の「シャコ高」要素だが、最低地上高を185mm確保して未舗装路などに対応している。駆動方式がFFのみという点が残念だ。
パワートレインはダイナミックフォースエンジンのM20A-FXS型2リッターガソリンがベースで、前述したとおり、これにモーターを組み合わせたハイブリッドモデルも存在する。トランスミッションは10速CVTのみで、マニュアルミッションは用意されない。
インテリアでは10インチのディスプレイオーディオを搭載、グレードによってはレザー仕様やキャプテンシートも用意するなど、日本の最新モデルと比べても遜色ないできばえ。予防安全においても「トヨタセーフティセンス3.0」を搭載するというから、非常に満足感の高い1台といえよう。
■押し出し感満点の三菱エクスパンダークロス
三菱エクスパンダークロス
イノーバ ゼニックスより一回り小さいのだが、三菱のエクスパンダークロスも人気だ。ベースとなるエクスパンダーは、2017年に登場した東南アジア向けミニバンなのだが、その最上位モデルとして2019年に追加設定されたのが、そのエクスパンダークロス。エクスパンダーの車高を20mm上げ、17インチタイヤと黒いフェンダーアーチモール、ルーフレールなどをおごって、SUV要素を打ち出した点が特長だ。ちなみにエクスパンダーは日産ではリヴィナとして販売されている。
こちらもまずはエクステリアをご覧いただきたいのだが、ダイナミックシールドのフロントマスクは押し出し感もバッチリ。前後ドアはイノーバ ゼニックス同様ヒンジタイプなのだが、どうやら東南アジアでは、ミニバンといえどもSUVっぽく作ることがウケ要素のようだ(実際ホンダは3列シートモデルをBR-VというSUVで販売している)。
ボディサイズは全長 4595mm、全幅1790mmと、前述したとおりイノーバ ゼニックスより一回り小さい。日本でいうとエクリプスクロスが近いだろう。気になる車高は225mmとばっちりなのだが、駆動方式はイノーバ ゼニックス同様FFのみで、三菱お得意の4WDは設定されていない。
パワートレインは1.5Lの自然吸気ガソリンエンジン1種類のみ。パワーとトルクは105ps/141Nmというからちと非力な点は否めない。トランスミッションはCVTに加えて5速MTもチョイス可能だ。
いまのところ、トヨタ イノーバ ゼニックスも三菱エクスパンダークロスもアジア専用車であり、日本導入の予定はない。しかしSUVのようなミニバンというのは斬新で、日本マーケットでも支持を集める可能性はある。限定でもいいから発売してくれないものだろうか!?
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車の紹介ならいいが、あれがダメこれがいいというような自己判断での記事でじゃなく、紹介だけでいい。
選ぶのは、記者じゃなく購入者が判断すること。