ラリー界の“キング”、セバスチャン・オジエが9月21~23日、オーストリアのレッドブルリンクで開催されるDTMドイツ・ツーリングカー選手権第9戦に、メルセデス陣営からゲスト参戦することが発表された。
2013年からWRC世界ラリー選手権5連覇という輝かしい戦績を収め、2018年シーズンも6連覇を目指して所属2年目となるMスポーツ・フォードからWRCに参戦しているオジエ。
DTM:アレックス・ザナルディ、BMW M4で8月のミサノ戦にゲスト参戦へ
ラリー界では知らぬ者が居ない近年の“絶対王者”は来月、チャンピオンカーであるフォード・フィエスタWRCからメルセデスのDTMマシン、メルセデスC63 AMG DTMに乗り換え、シリーズ終盤戦の第9戦レッドブルリンクにゲスト参戦ドライバーとして登場する予定だ。
普段はコドライバーのジュリアン・イングラシアとともに時間という見えない敵と戦っているのに対して今回、アウディ、BMW、メルセデスの各陣営が擁す18名のドライバーとコース上で直接対決をすることとなるオジエは、初のDTM参戦について次のように語っている。
「DTMへのゲスト参戦はとてもエキサイティングな経験になるはずだ。このチャレンジは僕にとってまったく新しい挑戦になるが、各ラップのなかで多くのことを学びたいと思っている。そこで得たものは、僕のレースへの視野を広げることにつながるだろう」
■オジエ「可能な限り他のドライバーに食らいついていきたい」
「僕はこれまでに何回かGTカーでサーキットレースを経験しているけど、それと比べてDTMのマシンは明らかに速いことは分かっている。だからすぐに競争力を発揮できるとは思っていないよ」
「正直言って、レッドブルリンクでいい勝負をするのは難しいだろうね。だけど、可能な限り他のレギュラードライバーたちに食らいついていくのが目標だ」
今季のDTMは開幕戦ホッケンハイムで、2017年限りでDTMから引退したマティアス・エクストロームをゲストに迎え、引退レースを演出したほか、8月25~26日にイタリア・ミサノの行なわれる第7戦では、元チャンプカー王者でパラリンピック金メダリストのアレックス・ザナルディがゲスト参戦する。
オジエはこのふたりに続く3人目のゲストドライバーとしてDTMデビューを飾ることとなるが、これに先立ち8月7~8日の二日間、イタリアのバレルンガ・サーキットでメルセデスC63 AMG DTMの実走テストが実施されている。
シリーズをプロモートするITRのマーネジング・ディレクターを務めるアヒム・コストロンは「メルセデスAMGが、(エクストロームとザナルディを招いた)アウディとBMWの例に続き、素晴らしいドライバーを招聘することを喜ばしく思う」とコメント。
「セバスチャン・オジエは世界でもっとも完成された強さを持つ優れたラリードライバーであり、同時に世界最高のレーシングドライバーだ。オジエは激しいWRCのタイトル争いの真っ只なかに居るにも関わらずDTMへのゲスト参戦を決断した。これは彼の並外れたレーシングスピリッツを示していると言えるだろう。私はオジエがメルセデスのマシンでも強さを見せてくれると信じている」
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