10月11日(火)、アルピーヌは新たなコンセプトカー『アルペングロウ』を発表すると明かした。
朝日と夕日に照らされた大気中の雲や山々に反射することで山頂部が赤く輝くAlpenglowから名が取られたこのアルペングロウは、アルピーヌブランドの市販モデルとレースモデルのデザインとテクノロジーにおいて、新章を告げる一台となる。
■変革のWEC。LMHとLMDhは『ハイパーカー』に名称を統一へ
アルピーヌ曰く、このアルペングロウは単なるコンセプトカーではなく、ブランドの掲げる目標と戦略の基盤になるという。
リリースでは多くが語られることはなく、画像もこの1枚のみ。ただその風貌からして、世界耐久選手権(WEC)のハイパーカークラス参戦用のLMDh車両ではないかと推測できる。
アルピーヌは現在、旧規定にあたるLMP1規定の車両、それも2020年限りで撤退したレベリオンが使用していたモノを流用する形で特例的にWECのハイパーカークラスに参戦しているが、既に次世代LMP2車両をベースにしたLMDh車両の開発にゴーサインを出している。
アルピーヌはシャシーメーカーとしてオレカを選択。そこにF1のパワーユニットも手がけるヴィリー・シャティヨンのファクトリーで開発したエンジンを搭載し、2024年から2台をLMHクラスへ投入すると明かしてきた。
今季、WECのハイパーカークラスにはトヨタとプジョー、グリッケンハウスがLMH車両で参戦中。2023年からはフェラーリやバイコレスがそのリストに加わり、ポルシェもLMDh車両が投入する。さらにBMWやランボルギーニもLMDh車両を開発し、2024年から参戦することを表明。同じLMDh車両で参戦可能なIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権(IMSA)のGTPクラスでは、キャデラックやアキュラとも対峙することが可能だ。
今回公開されたティザー画像では、アルペングロウはこれまでのアルピーヌブランドのマシンからは一線を画した、十字にライトが光るフロントマスクのデザインを持つ他、曲線的かつ強調されたホイールカウルが見て取れる。
リヤウイングかダックテールかは判断できないが、いずれにせよリヤの空力エレメントは最小限……仮にアルペングロウがLMDh車両であれば、プジョー『9X8』と同様に、フロア面で多くのダウンフォースを稼ぎつつ、ル・マン24時間レースの舞台サルト・サーキットなどの長い直線区間で空気抵抗を減らすことを意識したデザインと言えるだろう。
アルペングロウの全貌が明らかになるのは、日本時間10月13日(水)16:00。アルピーヌのソーシャルメディアなど各プラットフォームにて公開される。また車両は10月17(月)から開幕するパリ・モーターショーにて展示が行なわれるので要チェックだ。
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