よく耳にするのが、スキーなどで非降雪地から降雪地に行く場合、できるだけ燃料は現地で入れたほうがいいということ。もともとガソリンなどはしばらくすると劣化してくるので、満タンにして長く放置するよりも、できるだけ小まめに入れたほうがよかったりするのだが、燃料を現地で入れたほうがいいというのは本当だろうか。
最悪の場合エンジンストップ、寒い地域に行く時は要注意
燃料とひと口に言っても、クルマ用のエンジンでは大きくガソリンと軽油に分かれる。ガソリンはマイナス40度でも気化(蒸発)して小さな火で着火爆発する特性をもっているので、日本で生活している環境での気温による影響はなく、北海道と沖縄で基本的に成分は大きくかわらない。
●【くるま問答】ガソリンの給油口、はて? 右か左か、車内からでも一発で見分ける方法教えます(2020.01.21)
問題なのは軽油で、気温の影響を受けやすく、低温になるとドロドロとシャーベット状に凝固してしまい、燃料フィルターや燃料ラインを詰まらせて、エンジンがかからなくなってしまうことがある。実際は凍るというより、粘度が高くなるというのが正しい。初期症状としては、燃料が送られにくくなり、アイドリングが不安定になったり、アクセルレスポンスが悪くなったりする。
この特性のため、軽油には対応する気温に合わせて5つの規格というかランクがJIS(日本産業規格)によって定められている。具体的には流動点による違いで、基準は気温。特1号が5度以下、1号、2号、3号、特3号になると、マイナス30度となる。
この内容に合わせて、JISでは使用のガイドラインを策定していて、12カ月それぞれで、北海道から沖縄までの各地域での推奨使用号数を定めている。特徴的なところを見てみると、沖縄は年間を通じて特1号で、7月と8月は全国すべてで同じく特1号を推奨。北海道は特1号から特3号までとなるものの、特3号が推奨されるのは道南以外のエリアとなる。
細かく推奨指定されているのがわかるが、よく言う「スキーに行ったら現地で入れたほうがいい」という点で見てみると、1月の関東は2号で、東北や中部山岳は3号となる。2号と3号の流動点は、それぞれマイナス2.5度とマイナス7.5度なので、場合によっては実際に始動不能に陥りそうだ。
ディーゼルエンジン同様、電気自動車も低温にご注意
それならば、地区や季節によって細かく作り分けせずに、すべて特3号にしてしまえばいいのにとも思うが、この点については、コストが大きく関係している。流動点を下げるため、つまり寒さに強くするために添加剤を配合したりしているので、価格が高くなってしまうのだ。また若干だが、ガソリンのオクタン価にあたるセタン価も下がってしまうという問題もある。
このため、細かく分けていて、環境に応じた軽油を使うように推奨されているわけだ。いずれにしても雪国やいつも使っているエリアよりも気温が大幅に低い場所に行く際は、出発時に移動分だけ給油して、あとは現地に着いてから入れたほうがいい。
寒さに関係して気になるのが、今話題の電気自動車だ。低温に弱いという点ではバッテリーも軽油同様。実際、寒いとどうなるのだろうか 電気自動車のユーザーに聞くと、始動は問題ないし、コネクターが防水になっているので充電でも不具合はないとのこと。気温が下がったら始動不能では使い物にならないし、日本よりも気温が下がる北米や欧州の寒いエリアでも販売されており、万全の対策がとられているので心配はない。
ただ、「極寒シーズンにはバッテリーの性能が低下する」というのは事実で、どれだけ落ちるかは使い方や走行距離などによるが、航続距離が半分以下になることもあるようだ。ヒーターを小まめに切って節約するという人もいたが、我慢するのもどうかと思われ、今後のEV普及においての課題にもなるだろう。(文:近藤暁史)
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みんなのコメント
降雪地域などでは怖くて乗れない。
山岳部で止まったら凍死するぞ。