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【詳細データテスト】BMW X7 小型車並みの制動距離 リムジン並みの静粛性 ハンドリングと乗り心地のバランスも上々

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【詳細データテスト】BMW X7 小型車並みの制動距離 リムジン並みの静粛性 ハンドリングと乗り心地のバランスも上々

はじめに

今回のテスト車は、ミュンヘンが送り出す背の高い大型高級車の最新版。全長は5.2m近く、全高は1.8mを超える、2.5t近いBMW、X7だ。

【画像】BMW X7とライバル 全17枚

2019年春に英国上陸を果たしたX7だが、これまでロードテストにかける機会を逸してきた。そして、発売以来の1年半は波乱万丈とさえいえるものだ。ラインナップには、すでに差し替えられたエンジンもある。おおむね、ユーザーの支持を反映した結果ではあるが。

当初のラインナップは3機種で、そのうち2機種がディーゼルだったが、そのいっぽうの30dはすでにディスコン。40iとM50dは継続販売されており、これに加わった40iと40dはいずれも340psを発生する。ディーゼルのトップグレードとなるM50dに搭載されるのは、驚異的な4ターボユニットだ。

最上位グレードはxドライブ M50i。いま手に入るうちでもっともパワフルな7シーター乗用車だが、実質的な先代モデルであるX5の3列シート版は最強モデルがディーゼルだったのに対し、こちらはガソリンモデルだ。

それでもX7は、M50iの上に、X7 Mも加わる見込み。その最大のMモデルは、メルセデスAMG GLS 63あたりと熾烈なバトルを繰り広げることになるだろう。

とはいえ、今回テストできるのは現時点でのトップモデルとなるMパフォーマンス仕様。530psのV8ツインターボで、0-100km/h加速の交渉タイムは4.7秒だ。BMWファンを満足させるモデルになっているのか、さっそく吟味していきたい。

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

X7は、すでに定評のあるX5の兄貴分で、どちらもアメリカ・サウスキャロライナ州スパータンバーグ工場で生産される。北米市場での成功を見込んで開発されたことは想像に難くない。

実際、X5と比べてどれくらい大きいのかというと、全長は30cm近く、全高はおよそ5cmほど上回る。ウェイトは、同等のグレードならおよそ200kg重い。

プラットフォームはクラスター・アーキテクチャー(CLAR)と銘打たれる、BMWの大ぶりなエンジン縦置きモデルのベースとなるコンポーネンツ。それをもとに構成されるモノコックは、アルミと高張力スティールを用いる。

こうした重量軽減が見込めるマテリアルを使用していながらも、テスト車の実測重量は2583kgに達する。これは、高級SUVとしても、許容範囲の上限といえるだろう。これよりGLS 400dは重いが、12気筒を積んだベントレー・ベンテイガはわずかながら軽いのだから。

GLSと同じ7座を標準仕様とするのは、X5との大きな違い。そのうえ、3列目の2座は、一般的な体格の大人も不満を覚えない快適性をもたらすという。その点は、追い追い確かめていこう。

X5ではオプション設定となるセルフレベリング機構付きエアサスペンションも、X7には標準装備。高級車市場において、空気バネを好むライバルが多いなかで、いまだにコイルスプリングを重用しているBMWとしては珍しい。

その採用の大きな動機は、車高調整を重視したこと。通常時の最低地上高は221mmだが、乗降や積み下ろしを容易にするべく、40mmダウンが可能。また、悪路ではさらにアップすることもできる。

今回テストするM50i Mパフォーマンスには、サスペンションに専用チューンが施される。また、4WDシステムには、電子制御トルクベクタリング機構を持つリアディファレンシャルも組み込み済みだ。

インテグラルアクティブステアリングと銘打たれたオプションも、テスト車には装備されていた。これは、高度な制御の可変レシオステアリングと、速度感応式アクティブ4WSを統合したものだ。

エンジンは4395ccツインターボV8のN63型で、530psと76.5kg-mを発生。最大トルクは、Mモデルに搭載される兄弟版ユニットのS63と同等だ。

M50dのB57ことターボを4基掛けした3.0L直6は、ガソリンV8を上回る77.6kg-mを発生するが、ユーロ6dエミッション規制をクリアできないため、今月いっぱいで生産終了される予定だ。

速いディーゼル車のファンは、48Vマイルドハイブリッドとシーケンシャルターボを備えた直6ディーゼル群の一角として復活することに期待しているだろう。

しかし、ミュンヘン方面からの情報では、4ターボのB57D30S0は複雑で生産コストがかかりすぎ、しかもBMWが許容する以上のメカニカルトラブルが発生しがちだという。高額なディーゼルの需要が激減しているマーケットの現状をみるに、復活や代替ユニットの登場は見込めない。

内装 ★★★★★★★★★☆

要塞を思わせるエクステリアは、好き嫌いがはっきり分かれそうだが、インテリアについてはより多くの合意が取れそうだ。

テスト車はM50iに、4995ポンド(約69.9万円)のフルメリノレザーシートを装備した、この上なく豪華な仕様。また、基本的な構造はX5同様の優秀なレイアウトで、比率だけを7シリーズ並みにスケールアップし、ヘッドルームも増している。

アメニティについても不足はない。このBMW最大のモデルは、5ゾーンエアコンや調整可能なアンビエントライト、温度調整式カップホルダー、マッサージ機能付きフロントシートを装備。

ルーフは、ところどころ途切れてはいるものの、ほぼ全長いっぱいがガラス張りだ。また、ルーフライニングにはロールス・ロイスのスターライトヘッドライナーのようにLEDが散りばめられている。

インフォテインメントに関しては、向かうところ敵なしだ。たとえ、GLSの大画面ディスプレイが、X7のそれより驚きを呼ぶような要素だったとしてもだ。

もし、X7にわずかでも不足しているものがあるとしたら、雰囲気だろうか。レンジローバーの大型モデルが備えている、ラウンジ的なフィールはない。GLSと比べてもクールなキャビンで、乗員をプロテクトするような包まれ感が強い。

だが、質感は高い。おそらく、奇妙なほど魂が込もってはない改良版のアウディQ7より上だろう。

またX7は、BMWにおけるシートアレンジの新次元を切り拓いた。GLSやQ7と同じく標準装備される3列目シートへのアクセスは、思ったよりも不便だ。というのも、Cピラーと電動可倒式2列目シートとの間隔がそれほど広くないのである。

しかしながら、いったん最後列に収まってしまえば、乗員の快適性は、3シリーズの前席と比べても大きく見劣りすることのないレベルだ。

テスト車はオプションの6座レイアウト仕様で、2列目には3人掛けベンチの代わりに大ぶりのシートが2脚据え付けられる。これもレンジローバーのようなビジネスクラスを思わせる雰囲気こそないものの、スペースでは上回る。

テールゲートは古典的ともいえる上下分割式で、ラゲッジスペースのフロアはほぼフラット。積載容量は、3列目シート使用時でも326Lある。ハッチバックのファミリーカーよりやや少ない程度で、6~7名乗車でこの数字ならまずまず悪くない。

走り ★★★★★★★★★☆

このご時世、530psもの4.4LツインターボV8を2.5t級の3列シートSUVに積むというコンセプトは、反社会的といってもいいだろう。このX7のトップグレードを前にして、夢中になるなというのは無理な話だ。

このエンジンは、驚くほどさまざまな顔を持つ。怒涛のパフォーマンスを見せつけたかと思うと、一転して申し分のない滑らかな洗練ぶりを味わせもするのだ。

スポーツプラスモードでローンチコントロールを作動させると、X7 M50iは四輪の底知れぬトラクションを活用し、リア寄りに荷重移動しつつ、とてつもない加速でスタートを決める。

ゼロスタートでの所要時間は、97km/hに4.8秒、161km/hに11.3秒。テストコースの1マイル、すなわち1.6kmほどのストレートが尽きる頃には、225km/hに達していた。それでも、自衛本能がこのクルマにふさわしい巨大なブレーキを効かせろと訴える地点に至っても、加速の勢いは衰える気配がない。強烈だ。

0-97km/hを3.9秒でこなすポルシェ・カイエンターボや4.4秒のレンジローバー・スポーツSVRに比べれば200kgほども重いだけに、そうしたライバルたちと肩を並べるというわけにはいかない。だが、公道上でその不足に気づくことはまずないだろう。

もしかしたら、パワーリフティングのように腰を沈めてから、朗々たるV8の猛威が高まり、前方へと爆発的に飛び出す走りは、ライバルたちより楽しませてくれるかもしれない。

実際、じつに広い回転域で発揮される豊かなトルクは、4速での48-113km/hを5.5秒でこなす。単なる速さだけでなく、フレキシブルさも印象深い。8速ATの、機敏で巧みな変速もグッドだ。

ただし、ちょっとばかり不満もある。あくまでも小さなものではあるが。

まずは燃費だ。テスト時のアベレージは6.7km/L。衝撃的な数字だが、驚くほどではない。

次が予想よりやや頻繁にシフトダウンする傾向をみせることがある点。走りを台無しにするようなものではないが、同乗者に不快な思いをさせないためには、右足の操作をやや繊細に行わなければならない。

緊急停止を試みた際のブレーキ性能には目を見張る。加速時と同じく、ハードブレーキング時のスタビリティは特筆すべきもので、113km/hからの完全停止に要する距離は45.2m。これは小さくて軽いフォルクスワーゲン・ポロのそれより短い。

対して、一般的な走行状況では、ブレーキペダルのプログレッシブさとフィールは、どちらも入念に調整され、スムースさと制御の効いた制動を実現している。

使い勝手 ★★★★★★★★★☆

インフォテインメント

X7のインフォテインメントシステムは、iドライブの最新版を採用。扱いやすいおなじみのダイヤル式コントローラーと、タッチとジェスチャーでの操作が可能な新型の12.3インチディスプレイを組み合わせ、音声操作にも対応している。

動作はなめらかで、レイアウトは直観的。視認性にも優れている。同じく12.3インチのディスプレイは、メーターパネルにも使用。おそらく、この環境のもっとも優れた特性は、メルセデス・ベンツGLSやアウディQ7のシステムと異なり、前方視界を妨げず、ダッシュボード上の占有スペースがそれほど大きくないことだ。

USBポートは、3列目も含めた室内の各所に用意。プロフェッショナル・エンタテインメントパッケージを追加すれば、2列目に10.2インチディスプレイが2画面と、BD/DVDプレイヤー、HDMI端子が設置される。

テスト車に装着されていたバウワース&ウィルキンスのサウンドシステムは、3280ポンド(約45.9万円)のオプション。出力は1500Wで、よほどのオーディオマニアでなければ、ほかにはめったにないほど豊かで鮮明な音質に満足できるはずだ。

燈火類

BMWのレーザーライト・ヘッドライトは、ローライトであっても、照射範囲の幅と高さ、明るさのいずれもがすばらしい。ハイビームは、今回は試す機会がなかった。

ステアリングとペダル

ステアリングホイールとペダルの配置について、なんら不満はない。BMWの常で、シートとステアリングコラムの調整に関しても上々だ。

操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆

曲がりくねった狭い山間路を飛ばすのは、このクルマでは容易なことではない。しかし、広くてスムースな、速度域の高い道路を走る際のマナーはやはりみごとだ。

グリップは有り余るほどで、これほどのウェイトとサイズを持つクルマに期待するレベルを超えている。オプションの四輪操舵と、やや手応えは軽いが正確でレスポンスに優れるステアリングは、自信を持って操作でき、車体を実際よりも小さく感じさせる助けになる。

もちろん、その範疇に治っている間は物理法則の支配をうまく逃れている。とはいえ、コーナーに入れば、横方向の挙動はかなり発生する。ロールに抗うアクティブスタビライザーを含むシャシー制御システムである、2450ポンド(約34.3万円)のエグゼクティブドライブ・プロパッケージを装着していてもだ。

そのロールは徐々に起きるよう抑えが効いているので、動きはじめても驚きを呼ぶことはない。それでも、速度の高いコーナリングをするならば、その傾きぶりはふらついて危険な状況に陥りそうだと感じるのではなく、むしろかなり楽しくさせてくれるものではないだろうか。

このX7はコーナリング中でも、進路がぶれることを避けるのに十分なホイールトラベルをいつでも残しているように感じられる。それだけに、旋回時でもスタビリティはめざましいままだ。

公道上でこれだけの寸法と重量を速いペースで走らせるために、ドライバーは常にクルマ任せではない操縦を求められる。しかし、この最大のMパフォーマンスモデルは、ペースを上げればグリップとアジリティを発揮するいっぽうで、ゆったり走れば扱いやすいスタビリティと快適な乗り心地を披露する。そのバランスは、衝撃的なほど運動性の完成された、予想しなかったほど魅力的なドライビングを実現する。

快適性/静粛性 ★★★★★★★★★☆

コンフォートかどうかは主観が入りがちで、数量的に表すことは難しいかもしれない。だが、少なくとも静粛性は、具体的な数値で評価することが可能だ。

113km/h定速走行時の室内騒音は、かつてテストしたGLS 400dと同じ62dBをマークした。これはかなり静かだといえるレベルだ。これに勝るのは、世界最高クラスのリムジンくらい。たとえば、遮音タイヤを履いたロールス・ロイス・ファントムの計測値は60dB。その差は明らかにわかるものだが、昼と夜ほどの大きな違いではない。

ちなみに、2017年に計測した、ツインターボの旧型V8ディーゼルを積むベントレー・ベンテイガは65dBだった。テスト時点では、豪華絢爛さの権化とさえ思えたクルマだったのだが。

この穏やかで安らぎを感じるところへ、さらに加わるのがエアサスらしい乗り味だ。高速道路の速度域では、オプションのアクティブスタビライザーを切り離すと、申し分ない落ち着きをみせる。波長の長いフローの心地よさは、22インチホイールとMのバッジにそぐわないほどだ。

主として長距離移動に用いるオーナーなら、このクルマを選んだことを後悔はしないだろう。広々としたガラスハウスは、のどかさを感じさせるが、それは感覚だけの話。実際の走りは速い。

残念な点があるとすればひとつだけ、車高調整式サスペンションのトラベルを考慮した上で期待していたほどには、低速での乗り心地が洗練されていないことだ。

このクルマのオーナーは、路面のくぼみを避けるために進路を外れたり、荒れた路面にひるんだりすることはないだろう。しかしこのX7は、そうしたもろもろを扱うのに、レンジローバーやQ7に比べてわずかながらも明らかに苦戦するところがある。

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

X7の英国における見直し後のラインナップは、7万5000ポンド(約1050万円)強から9万3000ポンド(約1302万円)弱で、もっとも高いモデルがM50iとなる。

後者については、近くアウディが投入するであろうガソリンモデルのSQ7よりも高くなりそうだが、メルセデスAMGのGLS 63よりはかなり安い。レンジローバー・スポーツP525オートバイオグラフィー・ダイナミックはほぼ同価格だが、7人乗りが標準仕様ではない。それだけに、BMWの値付けはかろうじて妥当だといえる。

テスト車はオプション込みで11万3000ポンド(約1582万円)だが、追加可能なアイテムをすべて含むわけではない。アルティメットパッケージが、そのリストに入っていないのは不思議だ。

このパッケージオプションは、テスト車が個別に装着しているものの多くが含まれるだけでなく、後席のエンタテインメントディスプレイやブラインド、TVチューナーなどもセットになっていて、個別選択するより割安な設定。X7の装備充実を図るなら、一般的なチョイスとなりそうだ。

テスト時のデータを見ると、燃費はセールスポイントになりそうもない。それは予想できたことだろうが、同時に、絶対的な弱点になると覚悟していたかもしれないが、それほどでもなかった。

たしかに、ハードに走らせれば燃料消費も激しいが、113km/h定速巡航では10km/Lを超える。M50dのほうが燃費に優れるのは確かだが、その差はおそらく10~20%といったところだろう。83Lの満タン給油は懐が痛むものの、その場合の航続距離は890km近い。

スペック

レイアウト

X7 M50iは、アルミ素材を多用したBMWのCLARプラットフォームの拡大版を使用。現行X5も、ベースは同じものだ。4.4LのV8はフロント縦置きで、左右のシリンダーバンクに挟まれるかたちでタービンを2基装着する。

サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンク。アジャスト可能なエアスプリングを四輪に装備する。車両重量の実測値は2583kgで、前後重量配分は48:52だった。

エンジン

駆動方式:フロント縦置き四輪駆動
形式:V型8気筒4395ccツインターボ、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ88.3×89.0mm
圧縮比:10.5:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:530ps/5500~6000rpm
最大トルク:76.5kg-m/1800~4600rpm
許容回転数:6500rpm
馬力荷重比:214ps/t
トルク荷重比:30.8kg-m/t
エンジン比出力:121ps/L

ボディ/シャシー

全長:5151mm
ホイールベース:3105mm
オーバーハング(前):874mm
オーバーハング(後):1172mm

全幅(ミラー含む):2218mm
全幅(両ドア開き):-mm

全高:1805mm
全高:(テールゲート開き):2175mm

足元長さ(1列目):最大1130mm
足元長さ(2列目):650~770mm
足元長さ(3列目):600~720mm
座面~天井(1列目):最大1090mm
座面~天井(2列目):980mm
座面~天井(3列目):900mm

積載容量:326~2120L

構造:アルミニウム/スティール、モノコック
車両重量:2480kg(公称値)/2583kg(実測値)
抗力係数:0.34
ホイール前/後:9.5Jx22/10.5Jx22
タイヤ前/後:275/40 R22 107Y/315/35 R22 111Y
ピレリPゼロ
スペアタイヤ:なし(ランフラットタイヤ)

変速機

形式:8速AT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:5.50/7.9
2速:3.52/12.4
3速:2.20/19.8
4速:1.72/25.3
5速:1.32/33.0
6速:1.00/43.5
7速:0.82/52.8
8速:0.64/67.8
最終減速比:3.39:1

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:6.7km/L
ツーリング:10.8km/L
動力性能計測時:3.0km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):5.1km/L
中速(郊外):7.9km/L
高速(高速道路):9.3km/L
超高速:8.0km/L
混合:7.8km/L

燃料タンク容量:83L
現実的な航続距離:558km
CO2排出量:293g/km

サスペンション

前:ダブルウィッシュボーン/エアスプリング、アクティブスタビライザー
後:マルチリンク/エアスプリング、アクティブスタビライザー

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン、アクティブ可変レシオパワーステアリング
ロック・トゥ・ロック:2.25回転
最小回転直径:13.0m

ブレーキ

前:395mm通気冷却式ディスク
後:345mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABS、ブレーキアシスト
ハンドブレーキ:電動、スイッチ(センターコンソールに設置)

静粛性

アイドリング:44dB
全開時:79dB(4速)
48km/h走行時:56dB
80km/h走行時:59dB
113km/h走行時:62dB

安全装備

DSC/ABS/DTC/CBC/DBC/HDC/LKAS/ACC
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
交通弱者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温35℃
0-30マイル/時(48km/h):2.1秒
0-40(64):2.8秒
0-50(80):3.7秒
0-60(97):4.8秒
0-70(113):6.0秒
0-80(129):7.5秒
0-90(145):9.1秒
0-100(161):11.3秒
0-110(177):13.7秒
0-120(193):16.8秒
0-130(209):20.6秒
0-402m発進加速:13.3秒(到達速度:174.1km/h)
0-1000m発進加速:24.1秒(到達速度:220.5km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
レンジローバー・スポーツ SVR(2015年)
テスト条件:乾燥路面/気温11℃
0-30マイル/時(48km/h):1.8秒
0-40(64):2.5秒
0-50(80):3.3秒
0-60(97):4.4秒
0-70(113):5.6秒
0-80(129):6.9秒
0-90(145):8.5秒
0-100(161):10.3秒
0-110(177):12.5秒
0-120(193):15.1秒
0-130(209):18.3秒
0-402m発進加速:12.8秒(到達速度:179.3km/h)
0-1000m発進加速:23.2秒(到達速度:227.1km/h)

中間加速

20-40mph(32-64km/h):1.5秒(2速)/2.3秒(3速)/3.2秒(4速)

30-50(48-80):2.1秒(3速)/2.7秒(4速)/3.6秒(5速)/5.9秒(6速)

40-60(64-97):2.2秒(3速)/2.7秒(4速)/3.4秒(5速)/4.8秒(6速)/7.1秒(7速)

50-70(80-113):2.3秒(3速)/2.8秒(4速)/3.5秒(5速)/4.8秒(6速)/6.3秒(7速)/11.5秒(8速)

60-80(97-129):2.9秒(4速)/3.7秒(5速)/4.9秒(6速)/6.3秒(7速)/10.2秒(8速)

70-90(113-145):3.2秒(4速)/4.0秒(5速)/5.2秒(6速)/6.7秒(7速)/9.8秒(8速)

80-100(129-161):3.9秒(4速)/4.2秒(5速)/5.6秒(6速)/7.2秒(7速)/10.5秒(8速)

90-110(145-177):4.6秒(5速)/6.1秒(6速)/8.0秒(7速)

100-120(161-193):5.4秒(5速)/6.6秒(6速)/9.0秒(7速)

各ギアの最高速

1速:51.5km/h(6500rpm)
2速:80.5km/h(6500rpm)
3速:128.7km/h(6500rpm)
4速:164.2km/h(6500rpm)
5速:214.0km/h(6500rpm)
6速:249.4km/h(5750rpm)
7速:249.4km/h(4732rpm)
8速:(公称値):250.0km/h(3680rpm)

8速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1662rpm/1899rpm

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温35℃
30-0マイル/時(48km/h):8.5m
50-0マイル/時(64km/h):23.1m
70-0マイル/時(80km/h):45.2m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.95秒

ライバルの制動距離レンジローバー・スポーツ SVR(2015年)
テスト条件:乾燥路面/気温11℃
30-0マイル/時(48km/h):8.8m
50-0マイル/時(64km/h):24.3m
70-0マイル/時(80km/h):47.5m

結論 ★★★★★★★★☆☆

X7は、エンスージアスト受けする類のBMWではないが、こと最上位グレードのM50iに関する限り、オーナーがそれを気に病む心配はなさそうだ。

BMWがこのマーケットに参入しようとした決断は、北米や中東のような広い道に恵まれない欧州のドライバーからすれば疑問を覚えるだろう。しかし、このレンジローバーのライバルの完成度について、少なくともその走りを非難することは難しい。

長距離走行でのマナーは非の打ちどころがなく、キャビンは広くて快適で、ハンドリングは驚くほどコンフィデンスをもたらしてくれる。穏やかながらもパワフルなクロスプレーンV8エンジンを積み、どこをとっても意外なくらい好ましい道連れだといえる。

しかしながら、このクルマにはオフロードでの究極的な信頼性やキャビンの雰囲気で、レンジローバーには及ばない。また、どうしても3列シートが必要というのでなければ、6気筒のX5のほうが魅力的な選択肢となる。弟分のほうが走りは甘美で、ランニングコストは低く抑えられ、見栄えがよく、挙動の洗練度で引けを取ることもほぼない。

それゆえ英国では、X7を求めるユーザーは少数派となるだろう。しかし、500psオーバーのSUVとなれば話は別だ。需要は少なくないだろう。

担当テスターのアドバイス

サイモン・デイヴィス速いSUVとしては、本格Mモデルよりも絶対的に円熟したMパフォーマンスのほうが間違いなく好みだ。BMW Mがエアサスペンションを使うならば、X7 Mはまったく異なるクルマになるはずだ。しかし、それでM50iのような懐の広い運動性能を実現できたなら、それこそ驚きだ。

リチャード・レーンこのMバッジを持つX7が控えめだと評価されることは絶対にないはずだ。しかし、もっと迫力のある見た目とパワーを求めるというなら、アルピナXB7という選択肢がある。 

オプション追加のアドバイス

絶対におすすめなのは、2450ポンド(約34.3万円)のエグゼクティブドライブ・プロパッケージと1195ポンド(約16.7万円)のインテグラルアクティブステアリング。バウワース&ウィルキンスのサウンドシステムはエクセレントだが、3280ポンド(約45.9万円)とかなり高価だ。

改善してほしいポイント

・キドニーグリルが大きすぎる。いくら車体が大きくても、やはり見栄えはよくない。
・プラグインハイブリッド仕様には、EV走行でほかにはないような航続距離を実現してほしい。110kmは超えてもらいたいところだ。
・ウェイトは重すぎる。大きくて高性能なクルマではあるが、軽量化の余地はあるはずだ。

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みんなのコメント

4件
  • レンジのほうが良いかなあ。
    優雅さが欲しいなあ。
    三列シートはいらないなあ。
    X5のMなら欲しい。
  • 嫌いじゃないけど、所有する喜びは薄いんだよなBMW。コックピット周りはもうちょっとどうにかした方がええわ。走りは勿論やけど目で楽しむことも大切やで
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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