スーパーGT第5戦富士の練習走行で起きたZENT CERUMO LC500立川祐路とModulo KENWOOD NSX GT3の道上龍との大クラッシュ。2人ともサーキットのメディカルセンターに運ばれ、幸いにも大きな怪我はなかったもののクルマの損害は大きかった。ZENTは予選を欠場する見込みで、Moduloは今回のレース出場は厳しい状況。道上に状況を聞いた。
土曜日午前の練習走行開始から34分を過ぎたとことで、1コーナーのブレーキング入った立川はスピン状態になり、前を走行していた道上の後方に衝突して両者のマシンは大破。セッションは赤旗中断となった。道上はGセンサーが作動してすぐにマシンを降りることができず、マーシャルの確認後、担架でメディカルセンターに搬送されて検査を受けた。
ZENT立川、左足負傷も決勝は出場の見込み。「ブレーキが壊れた瞬間、自分の体は大変なことになると覚悟した」
幸い、道上に大きな怪我はなかったが、大破したマシンのダメージは予想以上に大きかった。
「体は大丈夫ですけど、だんだん、背中が痛み出してきました。やっぱり、どこか体を打っているんですね。首はいまのところ大丈夫です。立川とお互い、大きな怪我がなかったのが良かったです。不可抗力というか、アクシデントというか、相手もアクシデントを抱えていたので仕方ないですね」
予選セッション前には、御殿場市内の病院から戻った立川が道上の元へ謝罪に訪れ、立川の肩を叩いて励ました道上。クラッシュの状況について聞いた。
「今回、本当に調子がいい状況でしたので、早めにタイヤ評価をしようと2セット目のタイヤを履いてコースインした矢先でした。あの時、後ろから立川が来ているのは知っていましたので、アウトラップの僕はアウト側のラインを空けていましたが、すごいインパクトでした。当たった角度とインパクトの大きさと、僕が今まで感じたことのないほどの後方からの大きなダメージでした」
「とにかくインパクトがすごくて、腰、肩、骨がどこか折れたと思いました。その瞬間、いろいろなことが頭を過ぎりました。それからは職業上なのか、『クルマ大丈夫かな』『レースに出れるかな』と、気持ち的には体のダメージよりもクルマのダメージの方を気にしていましたね」
今回の富士戦は欠場することになったが、道上は同じマシンで参戦する、今月末に開催される鈴鹿10時間耐久レースのエントリーに向けて懸念する。
「案の定、クルマのダメージが大きすぎて、クルマのフレームにもダメージがあるので全損ですね。ちょっと、10耐(鈴鹿10時間耐久レース)の出場も危うい状況ですので、これからいろいろな方と話し合いをしないといけないですね。まさか、全損になるとは考えていませんでした。夢であってほしいと思いますね」
その後、ホンダ関係者に聞いたところでは鈴鹿10耐に向けて、なんとか参戦する方向という情報を聞いた。道上の体の負傷とともに、心の痛みも和らぐことを祈りたい。
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