バイクレースの本場といえばヨーロッパ。海外サーキットでのレース観戦は、レース好きの憧れでもあります。しかし、どうやって行けばいいのかや、予算はどれぐらい必要かなど不安要素が大きく、中々踏み出せないという人も多いのではないでしょうか。
そこで、実際に世界耐久選手権(EWC)の最終戦 ボルドール24時間レースがおこなわれたポール・リカール・サーキットに行ってみました。
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ボルドール24時間は、日本で人気の高い鈴鹿8耐が組み込まれているEWC(世界耐久選手権)の1戦で、2022年は最終戦としておこなわれたレースです。大会名はボルドールですが、開催されるサーキットはフランスにあるポール・リカール・サーキット。フランス南部のマルセイユ近郊にあり、F1フランスGPもおこなわれる国際サーキットです。
このサーキット最大の特徴は、5791kmと長い「ミストラル・ストレート」と走路に平行して描かれる青と赤の縞模様。ミストラル・ストレートは国際格式のレースがおこなわれるサーキットのなかでも最長で、レース中の最高速度は340km/hにも達する大迫力の走りは必見。
また、コース周りに描かれている縞模様にも意味があり、コースアウトした車両がグラベルを使用することなく安全に減速できる加工が施されているそうです。
そんなポール・リカール・サーキットの最寄りの空港は、車で1時間半程度のマルセイユ・プロバンス空港。次に近いのが、クルマで2時間半程度のコート・ダジュール空港です。どちらの空港も、日本からのアクセスや航空券の料金は、そこまで大きく変わらないため、自身のスケジュールなどに合わせて選ぶのがいいと思います。
ちなみに私は行き帰りの便の時間や航空券の料金などを考慮した結果、ちょうどいい航空券が見つからず、行はマルセイユ空港、帰りはコート・ダジュール空港という経路を選択。空港からの交通手段は、サーキット付近に最寄り駅は無いため、レンタカーを利用します。
今回レンタルしたのは、エコノミークラスのクルマ。ルノー「クリオ」または同程度の5人乗り、スーツケースがふたつ積めて、5ドアのエアコン付きマニュアル車という条件で、現地で実際に用意されていたクルマはプジョー「208」でした。
ちなみに、ヨーロッパではマニュアル車が基本なので、オートマ車を希望する場合は少し料金が高くなることがほとんど。用意できない場合もあるようです。
レンタカーは日本でネット予約をしていたので、空港に到着したら駐車場にレンタカー屋さんが集まっている区画があるので、そこで予約したレンタカーショップのカウンターを探すだけ。
カウンターでは、予約ナンバーと国際免許、そして日本の免許証を提示して予約を確認してもらいます。
予約が確認できると、オンライン予約の際に事前決済をした金額とは別に、免責をカバーする保険に入るかどうかを選択。保険の料金は車種や借りている期間にもよると思いますが、今回は208を8日間レンタルして、190ユーロ(約2万7500円)。入らない場合は、クレジットカードの有効性の確認も兼ねて、1400ユーロ(約20万円)のデポジットが取られます。
この1400ユーロは、無傷でクルマを返却すればそのまま返金されますが、このデポジットを支払う枠がクレジットカードに残っていないとクルマを借りることはできない為、注意してください。加えて、クルマを返却する際のガソリンは満タン返し。満タンになっていないと、お店独自の距離計算での清算となります。
今回レンタカーを借りた期間は9月12日の14時から9月19日の12時まで。約8日間で224.94ユーロ(3万3000円ほど)なので、1日4500円程という計算です。
海外でもWi-Fiさえ繋がっていれば、自分のスマホのグーグルナビが日本語で使用できるのでオプションは何もつけませんでしたが、クルマ自体にナビが備え付けられていたのでさらに安心。モニターがAndroid Auto対応というラッキーも重なり、サーキットやホテルまでのクルマ移動に困ることはありませんでした。
ちなみに、フランスのクルマは左ハンドルで道路は右側通行なので、日本とは反対です。そのため右左折時にうっかり反対車線に入ってしまい、ヒヤッとする場面も何度かありましたが、落ち着いて走れば慣れてくるので特に大きな問題はありませんでした。
ポール・リカール・サーキットまでの道のりは、空港を出発すると前半は高速道路、後半はローカル都市を通過していくので、ほかのサーキットに比べると、比較的街中にある印象。近くには遊園地やカート場などもあり、サーキット以外何もないという不便な場所ではありません。
高速を降りてからの道も、そこまで複雑ではないので、ナビ通りに進んでいくと、迷うことなく到着することができました。サーキットから30分ぐらいの距離には宿泊施設も豊富にあり、スーパーマーケットや飲食店もそれなりにあるので、滞在期間中に不便を感じることはありません。
ただ、ヨーロッパ全般にいえることなのですが、日本とは違いコンビニなどの24時間営業のお店はほとんど無いので、周辺店舗の営業時間には注意してください。
今回のポール・リカール・サーキットへの旅で唯一困ったのは、レンタカーの返却地問題でした。前述したとおり行と帰りの空港が別だったので、空港からの移動手段であるレンタカーも帰りの空港であるコート・ダジュール空港に返却したかったのですが、レンタカーを乗り捨てると料金がかなり割高になってしまいます。
そこで今回はマルセイユ空港に返却し、そこから高速バスでニース空港に向かうことに決めました。
ヨーロッパでの格安長距離移動には、「BlaBlaCar」というサイトがおススメ。
今回は、このサイトで高速バスを予約しましたが、クルマを持っている人が長距離移動をする際に同乗者を募集して、格安で移動できる相乗りマッチング検索などもおこなえる、便利なサイトとなっています。
空港からサーキットまでも、このBlaBlaCarを利用すれば、相乗りさせてもらえるクルマが見つかるかもしれません。
ちなみに今回私が予約したバスの料金は、マルセイユ・プロバンス空港からニース空港までで22.49ユーロ。日本円にすると3500円ほどで、ネットでの予約時にそのままクレジットカード決済をすることが可能です。
決済が完了すると登録したメールアドレスに送られてくるQRコードが、乗車する際のチケットとなります。
所要時間は3時間半程度。レンタカーなどのクルマで移動すると2時間ほどの距離なのですが、高速バスはいくつかのバス停を経由するため、少し時間がかかります。
また、マルセイユ・プロバンス空港のBlaBlaCar bus乗り場は、空港駐車場内の高速バスターミナルにありますが、かなり分かりにくいので利用する際は、時間に余裕をもって乗り場に向かうことをお勧めします。
ちなみに私はどうしてもバスが見つけられず、バスターミナルに停車中のほかのバスの運転手に聞いて回りましたが、ほとんどの人は分からないとの回答。
このバスもコート・ダジュール空港に行くからチケットを買えと強引にチケットを買わせようとする運転手もいるなど、予約したバスを見つけるのにかなり苦戦させられました。
その一方で、バスの乗り心地は快適。座席も広く、テーブルや充電用コンセントも各席に用意されているなど、問題は全くありません。トイレは、途中にいくつか経由するターミナルに停車している時間に行くシステムのようです。
他のサーキットに比べてアクセスも良く、サーキット周辺の利便性も悪くはないポール・リカール・サーキットは、海外サーキットでの現地観戦初心者でも少しだけハードルが低く、行きやすいサーキットのひとつです。
ボルドール24時間やF1など2輪、4輪共に世界最高峰のカテゴリが開催される国際サーキットで、大迫力のレースを観戦してみてはいかがでしょうか。
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