大幅軽量化にローダウンでクラリティが勝ちにきた
秋も深まり、モータースポーツ・シーズンもまもなく終了。全日本電気自動車レース(JEVRA)シリーズも10月最終週末の第6戦もてぎ55kmレースをもってシーズンを終える。
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2016シーズンをもって7年目となるJEVRAシリーズ。これまでは日産リーフの激しい戦いがみられ、シーズンの最終戦までタイトル争いがもつれこむという展開が多かった。しかし、今年はシーズンを通して非常に安定したレース展開ばかりで、すでに前戦の筑波戦で多くのクラスはシリーズタイトルが決まっている。残るのはEV-F(燃料電池車)クラスのタイトルのみという状況だ。
2016シーズンの注目ポイントとしては、昨年初参戦を果たした燃料電池車(FCV)の進化である。2015年の富士戦に初登場したFCV(トヨタ・ミライ)は、完全に市販車のままの参戦だったが、2016年開幕戦に登場したのはファインチューンを施した本気モードのミライであった。さらにシーズンを通してトヨタ・ミライは進化してきた。
また、ホンダの燃料電池車クラリティFUEL CELLもシーズン途中から参戦を開始。こちらも当初は完全ノーマルでの参戦だったが、今回の最終戦には、本気モードで参戦してきた。
また、前回の筑波戦からは、テスラのプレミアムEVセダンModel Sがシリーズ初登場。筑波戦ではブレーキトラブルでリタイヤを喫したが、最終戦で再び挑戦となった。
本格的な晩秋の雰囲気すら漂うツインリンクもてぎ周辺は、前夜から厳しい冷え込みとなった。天候はうす曇りといったところ。
早朝からスタートした予選では、太田光紀選手(#37テスラ モデルSがポールポジションを獲得。ブレーキ対策はしたもののまだ完全には解消していないということで、レースをリードできる位置にポジションを獲れたことで、スタートダッシュも得意なModel Sにとっては断然有利となった。
注目の燃料電池車では、2分37秒192のタイムで菰田潔選手(#17 ホンダ クラリティ FUEL CELL)が初めてクラストップとなるグリッド(3番手)を獲得した。クラリティは、今シーズン第3戦もてぎ、第4戦富士に市販のまま参戦していたが、今回は足まわりも変更して(車高はぐっと下がって20mmダウン)、カラーリングまで施した本気モードの車両での参戦となった(ドライバーは菰田選手でこれまでと変わらず)。
クラリティ FUEL CELLの開発責任者である清水潔さんは「燃料電池車のクラスで勝こと、それも断トツで勝つことを目標にやってきました。もてぎ、富士で負けて、いったんはやめようかという話もあったのですが、このままじゃ終われないということで、チームのみんなが頑張ってくれました。ちょっと大人げないかもしれませんが、やるときはやるということで(笑)」
250kg近いダイエットでクラストップ、総合3番グリッドを獲得した菰田選手には、研究所から40名を超える大応援団が集結しており、普段のEVレースとは少々雰囲気の異なるパドック風景であった。
ちなみに、予選タイムは、クラリティに続くクラス2番手(総合5番手)に国沢光宏選手(#58 トヨタ ミライ)が2分43秒997で入る。クラスランキングトップの金井亮忠選手(#72 チームNATS・日本自動車大学校 ミライ)は2分44秒470で総合6番手にとどまった。
86がまさかのストップでテスラとクラリティの一騎打ち
そして迎えた決勝。このタイミングで上空を覆う雲が濃くなり、朝方よりも寒いのではと思うほどの気温のなか、全車がグリッドについた。スタートはフロントロウの2台が飛び出したが、やはりテスラのほうが加速がよく1コーナーの進入はテスラが先行。それでもトヨタ86コンバートEVの金沢秀好選手(#39 ウェルマー☆ビルズ☆FT86EV)も引けを取らない加速で、この総合トップ争いは今回も面白いものになると予想された。
しかし、86コンバートがオープニングラップの3コーナーでストップしてしまう。シフトが入らなくなり、同時に電源も落ちてしまったということで万事休す。金沢選手の今シーズン開幕からの5連勝(昨年第4戦からの8連勝)もここでストップ。今年も完全勝利は達成できず、である。
トップはモデルSの太田選手が後続を引き離して独走になるかと思われたが、戦闘力を大幅にアップしてきたクラリティの菰田選手との2台のバトルに変わった。ブレーキを温存するモデルSはコーナーの進入は奥まで突っ込むことができないがコーナーの立ち上がりは鋭い加速で立ち上がる。
そのため、コーナーでクラリティが前に、ストレートでテスラが前、という具合で目まぐるしくトップが入れ替わる展開。その序盤のつばぜり合いを終え、菰田選手がレースの主導権を握ると、菰田選手がラップリーダーとなってレースを引っ張る形となった。
いったん菰田選手の後方に下がった太田選手は、つかず離れず菰田選手を射程圏内に収めたまま周回を重ね、ファイナルラップ直前に菰田選手を抜くと、そのままチェッカーを受けた。
レース後太田選手は「前回は失敗しましたが、今回は無事に勝ててよかったです。スタートからブレーキを温存していって、最後の一周くらいならブレーキももつだろうということで最後にスパートをかけてきちんとチェッカーを受けることができました。86が早々にリタイヤとなったのですが、それがなかったら厳しかったかもしれません」とコメント。
2位に菰田クラリティ、そして3位にはミライ同士の対決を制した国沢光宏選手が入り、それに続く4位に金井亮忠(#72 チームNATS・日本自動車大学校ミライ)となった。実力が拮抗しているEV-2クラス(BMW i3)とEV-3クラス(日産リーフ)の争いは、今シーズン全戦完全勝利を目指していたレーサー鹿島選手がまさかの電欠でチェッカーを受けることができず、i3の2台(石井昌道選手が5位、青木良介選手が6位)がリーフ(丸山貴浩選手がクラストップの8位)の前でチェッカーとなった。
ちなみにシリーズチャンピオンは、EV-Cクラスに金沢秀好選手、EV-Fクラスに金井亮忠選手、EV-2クラス(BMW i3)が青木良介選手、EV-3クラス(日産リーフ)レーサー鹿島選手、EV-4クラスに藤田広一選手が獲得している。
(文・写真:青山義明)
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