『GQ JAPAN』の編集者・イナガキ(29歳)が、ひょんなことから中古のフェラーリを購入した! 勢いで買ってしまったフェラーリのある生活とは? 今回は、新型「ローマ」にかんするお話。
ローマに買い換えるメリット
今、ボクがもっとも気になる最新フェラーリは「ローマ」である。V型8気筒ガソリンターボ・エンジンをフロントに搭載し、後輪を駆動する2プラス2のクーペだ。
Vol.53 1カ月半ぶりのドライブへ(後編)
気になる理由は3つ。流麗なデザインと実用性の高さ。そしてなにより、フェラーリとしては安価な価格だ。とはいえ、2682万円である。おいそれと購入出来る額ではない。ちなみに、2000万円台のフェラーリはほかに「ポルトフィーノ」のみ。あとはすべて3000万円以上だ。
現在所有する「360モデナ」は、いつまで所有するかは未定ではある。が、気にいっているので、出来れば長く乗りたい。が、そこでネックになるのは維持費である。
360モデナは、デリケートな機構が多い。ひとつはセミATのF1マチック。クラッチの交換には数十万円要するし、制御コンピューターが壊れたら3桁万円の出費になる可能性も。エアコンも鬼門らしい。壊れた場合、ダッシュボードをすべて取り外してのユニット交換が必要というから、費用が嵩みそう。費用面では定期的な交換が必要なタイミングベルトも悩みのタネ。要するに、維持するうで相当な費用を覚悟しなくてはならないのだ。
もちろん、故障する・しないは個体差も大きいから、必ずしもすべてのフェラーリが多額の出費を発生させるとはいえない。とはいえ、20年落ちの輸入車だからある程度のリスクは覚悟しなくてはならない。これはフェラーリに限った話ではなく、多くの輸入車にいえることだろう。
Vol.48 ちょっと古いフェラーリのランニングコスト
「維持費を気にせずフェラーリに乗るためにはどうすべきか……」と、以前、フェラーリ横浜サービス・センターの高橋忠久工場長に相談したところ、「新車のフェラーリを購入されてはいかがでしょうか? 7年間の保証付きですし、リセール・バリューも良いので、おすすめです」と、アドバイスをくれた。
新車のフェラーリなんて無理! と、以前は思っていたが、おもいきって360モデナを買ったあとでは、「なんとかなるかもしれない」と、思うようになった。しかも、維持費と下取り額を総合的に判断すると、360モデナより“お得”にフェラーリ・ライフを楽しめるかもしれないというのであれば真剣に考える必要もある。そんなとき、ローマが登場したのだ。
すでに販売中のオープンモデル「ポルトフィーノ」は、クローズド状態のスタイリングがどうも好きになれない。屋根を開ければカッコいいものの、オープン・カーは今、お腹いっぱい。ボルボ「C70」と「DS 3 カブリオ」で散々屋根を開けて走ったので、飽きてしまったのだ。はじめのうちは、いつでも屋根を開けていたものの、だんだんそれが面倒になってしまったということもある。ゆえに、ポルトフィーノは当初から候補外。「F8トリブート」など3000万円以上のモデルは、さすがに高価すぎるのでパス。つまり、購入したい! と、思う条件にあてはまるモデルがなかったのだ。
だから、はじめてローマをみたとき、そして価格が発表されたとき、「これしかない!」と、思ったのである。
実用性の高さに感動!
6月4日、ローマが展示されている神宮前のイベントスペースに向かった。はじめてみるローマは、写真で見るより美しい! しかも、実用性が高そう!
なぜか? ひとつは最低地上高だ。実測したわけではないが、150mm以上はありそう。150mmあれば、ほとんどのフラップ式コインパーキングに停められる。道路の段差も難なくパス出来そう。フェラーリ・ジャパンでテクニカルトレーナーを務める岡田祐樹さんによれば、ローマには車高調整システムがオプションでも用意されていないという。それだけ、“最低地上高”には自信があるようだ。今までヒヤヒヤしながら渋谷西武百貨店の駐車場に停めていたが、その不安もこれなら解消されそうだ。
フロント部分で気になったことがあった。いったいどこにナンバープレートが装着されるのだろうか? フロントまわりのデザインはあきらかに、海外によくある横長のナンバープレートを前提にしたもの。日本のナンバーが綺麗におさまるのだろうか……。岡田さんによれば、バンパーとフロントグリルのあいだに装着される予定という。しかし、この美しいプロポーションが、日本のナンバーサイズによってスポイルされたら困る。
Vol.51 月々2万円でフェラーリに乗れる!?
リアにまわり、ラゲッジルームをチェック。外からワンタッチで電磁ロックを解除出来るのは便利だ。わが360モデナの場合は、室内のリモコン・レバーを引っ張らなければラゲッジルームをあけられないのだ。
中の広さは十分実用的。大型のスーツケースも難なくはいりそう。サイドには、リアシート・バックレストを倒すためのスウィッチがある。なんと、トランクスルー機構を備えているのだ! ゴルフバッグやスキー板も楽々積めそうだ。360モデナは、かつてのフェラーリに比べれば相当マシになったとはいえ、実用性が高いとは言い難い。長尺物は、助手席に置くしか方法がなかったから、トランクスルーは便利なはず。
室内はいかに? まずはリアシートへ乗り込む。が、思わす「狭っ!」と、声が漏れる。身長170cmの筆者は、頭を下に向けないと座れない。座面も短く、閉塞感も高く、とても長時間は座れない。やっぱりプラス2だ。でも、あるとないとでは雲泥の差。荷物置きとしては最適である。
フロントまわりは近未来的。メーターはフルデジタルだし、縦型のインフォテインメント用ディスプレイも圧巻のサイズだ。ステアリング・ホイールのスウィッチ類は非接触式。物理的スウィツチが点在する360モデナとは光景が異なる。
唯一似ているなぁと思ったのは小ぶりのシフトレバー。360モデナもそうだが、使いにくそうだ。でも、フェラーリらしいので許せる。ちなみに、ミッションはツインクラッチ式の8AT。ポルトフィーノの7ATとは別物である。
展示車はデモカーゆえ、メーターの表示は刻一刻と変化する。速度計や回転計が表示されたかと思いきや、ナビゲーションマップが表示され、気がつくと今度は跳ね馬のロゴがドーンと……移り変わりを見ているだけで楽しい。
ほかのスウィッチ類も観察すると、ドアミラーの格納スウィッチがあった! 360モデナのドラミラー開閉は手動ゆえ、この便利装備はありがたい。ちかくには電動ブレーキとオートホールドモードのスウィッチもある。
外に出ようとドアアームレストまわりを探るが、開閉用レバーらしきものはない。見ると小さなスウィッチが。ポチッと押すと、電磁ロックが解除されドアが開いた。なるほど。これによってドアライニングまわりがすっきりしている。ちなみに、バッテリーが上がっときのために手動開閉用のレバーもあるとのこと。
Vol.49 カスタマイズ費用の総額
軽いエンジン・フードをあけると、620psの3.9リッターV型8気筒ガソリンツイン・ターボエンジンが! エンジンこそ掛けられなかったものの、容易に高性能ぶりが想像出来る。しかも、横滑り防止装置やトラクション・コントロールは標準。超高性能とはいえ、ボクでも乗りこなすことが出来そう。
安全装備も充実していて、オプションながらACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)も選べるという。「フェラーリが、こんなに快適&安全になっちゃっていいの!?」と、思わずにはいられない。
最後、岡田さんにローマの魅力を訊くと、「Aピラーからトランクルームまで、つなぎ目がないのに気づかれましたか? 一体成型で作られているんです。これが美しさの秘訣です」とのこと。なるほど、言われてみるとたしかにそうだ。とはいえ、一体成型はコストがかさむはず。岡田さんは「フェラーリだから成せるワザです」と、述べる。
美しくて、実用性の高いローマにすっかり虜になってしまった。次週、商談模様を報告する。
『29歳、フェラーリを買う』直近記事
Vol.53 1カ月半ぶりのドライブへ(後編)
Vol.52 1カ月半ぶりのドライブへ(前編)
Vol.51 月々2万円でフェラーリに乗れる!?
Vol.50 気になる車両価格と連載50回目
Vol.49 カスタマイズ費用の総額
Vol.48 ちょっと古いフェラーリのランニングコスト
Vol.47 愛車にしばらく乗りません!
Vol.46 外出自粛の今、愛車を楽しむ方法とは?
Vol.45 新型コロナウイルス問題でフェラーリの新車販売はどうなる!?
Vol.44 フェラーリでスキーに連れてって!
Vol.43 ドアがロックされない!後編
Vol.42 ドアがロックされない!前編
Vol.41 トラブル発生! ドアが開かない!?
Vol.40 超有名漫画家が360モデナを描き下ろす!
Vol.39 新車フェラーリを購入!?
文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)
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みんなのコメント
29歳のノー知識の輩がローマを買う記事なぞ、誰が楽しみにするのか?
覚めるわー
ローマ購入意向
次回も期待しています