現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > メルセデスAMG、2013年以来9年ぶりのスパ24時間優勝。ASPとゲットスピードで1-2達成

ここから本文です

メルセデスAMG、2013年以来9年ぶりのスパ24時間優勝。ASPとゲットスピードで1-2達成

掲載
メルセデスAMG、2013年以来9年ぶりのスパ24時間優勝。ASPとゲットスピードで1-2達成

 7月31日、ベルギーが誇る伝統のグランプリサーキット、スパ・フランコルシャンで第74回『トタルエナジーズ・スパ24時間』の決勝レースが行われ、ラファエル・マルチェッロ/ダニエル・ジュンカデラ/ジュール・グーノン組88号車メルセデスAMG GT3(AMGチーム・アコーディスASP)が総合優勝を果たした。

 2022年シーズンのIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ第2戦、およびGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ第7戦として7月28日から開催されたスパ24時間。“世界三大耐久レース”のひとつに数えられるイベントの決勝レースは、30日土曜の定刻16時45分にスタートが切られ、グリッドに並んだ合計66台のマシンが24時間後のフィニッシュを目指して走り出した。

BMWローヴェがワン・ツー構築。赤旗も挟んだレースを折り返す【スパ24時間 途中経過】

 ホールショットを奪ったのは、6号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ(オレンジ1・KPAXレーシング)のポール剥奪によりフロントロウ2番手からスタートした54号車ポルシェ911 GT3 R(ダイナミック・モータースポーツ)だったが、2スティント目には首位の座をライバルに奪われてしまう。

 レースが進むにつれ、ペースで勝る2号車メルセデスAMG GT3(AMGチーム・ゲットスピード)やポールシッターの88号車メルセデスAMG GT3(AMGチーム・アコーディスASP)、ストラテジーで上位に進出してきた71号車フェラーリ488 GT3エボ(アイアン・リンクス)、98号車BMW M4 GT3(ローヴェ・レーシング)などがレースを牽引するようになり、折り返しとなる12時間目は98号車と姉妹車の50号車M4 GT3(BMWジュニアチーム・ウィズ・ローヴェ)がワン・ツーで通過した。

 88号車メルセデスが2台のBMWの間に割って入った13時間目。前年の大会で2位となった現GTWCヨーロッパ王者32号車アウディR8 LMSエボII(アウディスポーツ・チームWRT)が、僚友46号車アウディR8 LMSエボII(チームWRT)との不幸な事故によって戦列を離れる。

 スタートから14時間12分後、47号車ポルシェ911 GT3 R(KCMG)がターン1“ラ・ソース”で71号車フェラーリを交わして総合首位に。グリッド最後方66番手からのスタートとなったKCMGがトップに立った瞬間だった。その後、抜かれた71号車にはフルコースイエロー(FCY)時の違反によりドライブスルー・ペナルティが科せられている。

 アイアン・リンクスのもう一台、51号車フェラーリ488 GT3エボと98号車BMW、そして47号車ポルシェがピットタイミングの差によって順番に首位に立っていくなか、17時間目に立て続けにFCYが導入されたことでこのバランスが変化していく。

 また、98号車BMWがリードして迎えた18時間目には、ブランシモンの入口で93号車メルセデスAMG GT3(スカイ・テンペスタ・レーシング)にリヤをつつかれた188号車マクラーレン720S GT3(ガレージ59)が大クラッシュを喫し、この事故対応のために導入された長時間のFCYとセーフティカー(SC)ランにより、ふたたびストラテジーがシャッフルされることとなった。

■繰り上げPPからのポール・トゥ・ウインを達成

 そんな状況下でも優勝を争う位置につける88号車メルセデスは、19時間30分を前に最終コーナーでスカイ・テンペスタと接触しスピンを喫し、数秒を失った。それでも好ペースを維持するAMG陣営のエースカーは、71号車フェラーリと95号車アストンマーティン・バンテージGT3(ビーチディーンAMR)を追いかけていき、両車のピットイン後には20時間目を総合トップで迎えた。

 この直後にルーティンのピットに入った88号車はふたたび3番手となるが、約30分後にオー・ルージュで勝敗が決した95号車との手に汗握るバトルを制して2番手に順位を上げた。なお、95号車はこのバトルでスピンを喫しポジションを下げることとなっている。

 88号車はその後、21時間目と22時間目もタイミングボードの最上段をキープした。とはいえ、この間にはストラテジーの違いにより55号車メルセデスAMG GT3(AMGチーム・グループM・レーシング)や71号車フェラーリもトップに立っており、最後まで予断を許さない状況が続く。

 フィニッシュまで2時間を切った直後、88号車メルセデスを追う98号車BMWが右リヤタイヤのパンクでスロー走行を余儀なくされ2番手のポジションを失う。その20分後、2号車メルセデスのルカ・ストルツと88号車マルチェッロの同門対決が勃発。ストルツがラ・ソースでマルチェッロを押し出してしまうが、翌周の同コーナーでは身を引き88号車を前に出した。

 この後方では、KCMG47号車ポルシェと71号車フェラーリの4番手争いが繰り広げられ、アントニオ・フォコの跳ね馬に軍配が上がる。

 最後の1時間も総合トップで迎えたメルセデス88号車は、フィニッシュまで残り35分となったタイミングで最後のピットストップに向かう。ミスのない作業で送り出されたマルチェッロは、55号車メルセデスから42秒後方の2番手でコースに復帰した。

 その55号車がラスト22分で最後のピットに向かうと、88号車がふたたびトップに浮上。2番手にはすでにピット作業を終えていた2号車メルセデスが続いた。この2台は順位をそのままに最終盤のラップを重ねていき、最後はマルチェッロがスタートから24時間後のフィニッシュラインを最初に超え見事、ポール・トゥ・ウインで総合優勝を達成した。31秒後方で2号車が2位でフィニッシュしたことで、メルセデスAMG勢のワン・ツー・フィニッシュが完成している。

 一方、グループMの55号車は、50号車BMWの後方となる5番手でコースに戻った直後から前とのギャップを縮めていった。スタートから23時間50分後、マーロ・エンゲル駆る55号車メルセデスが、ラ・ソースでBMWジュニアチームのダニエル・ハーパースを捉えて4番手に順位を上げる。彼はさらに、前を走る71号車フェラーリを捉えに掛かるが、最終的に1.504秒及ばず。この結果、最後の表彰台にはアイアン・リンクス71号車のクルーが立つことになっている。

■富田竜一郎がゴールドカップの表彰台を獲得

 激戦区のシルバーカップは総合13位に食い込んだ30号車アウディR8 LMSエボII(チームWRT)が優勝を飾り、99号車アウディR8 LMSエボII(アテンプト・レーシング)とともにクラスワン・ツーを決めた。クラス3位は終盤にパンクに見舞われた14号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ(エミル・フレイ・レーシング)だ。

 同クラスに参戦した根本悠生組563号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ(VSR)は、一時総合20番手まで順位を上げたものの、終盤の4番手争いの中で他車と接触があり、ダメージを修復するためにピットでの作業を強いられた。この影響で総合35位/クラス8位でのフィニッシュとなっている。

 ゴールドカップではWEC世界耐久選手権のLMEGTEアマクラスでも活躍する、アイアン・デイムスの女性ドライバートリオが駆る83号車フェラーリ488 GT3エボが優勝。同クラスに挑んだ富田竜一郎組33号車アウディR8 LMSエボII(チームWRT)は序盤のアクシデントでの遅れから挽回し、総合24位/クラス2位表彰台を獲得した。

 プロ・アマカップを制したのは、総合20位となった52号車フェラーリ488 GT3エボ(AFコルセ)。ブロンズカップでは20号車メルセデスAMG GT3(SPSオートモーティブ・パフォーマンス)がクラス優勝を果たしている。

こんな記事も読まれています

ヨコオ、小型フルバンドGNSSアンテナを発売…国産衛星測位システムみちびきに対応
ヨコオ、小型フルバンドGNSSアンテナを発売…国産衛星測位システムみちびきに対応
レスポンス
今年のハースF1は一味違う。小松礼雄代表の新体制で進められるチーム改革、カギは“コミュニケーション”にあり
今年のハースF1は一味違う。小松礼雄代表の新体制で進められるチーム改革、カギは“コミュニケーション”にあり
motorsport.com 日本版
U-NEXTがBMWで観られる! 車内コントロール・ディスプレイにU-NEXTアプリを導入開始
U-NEXTがBMWで観られる! 車内コントロール・ディスプレイにU-NEXTアプリを導入開始
月刊自家用車WEB
「えっ…9000円!?」 ガス欠って“違反”なの!? 条件次第で変わる道交法…何がアウト?「給油ランプ点灯後」にどれくらい走る?
「えっ…9000円!?」 ガス欠って“違反”なの!? 条件次第で変わる道交法…何がアウト?「給油ランプ点灯後」にどれくらい走る?
くるまのニュース
改良版マクラーレン・アルトゥーラへ試乗(2) 夢中にさせる最高水準の操縦性 妥協ない動的能力
改良版マクラーレン・アルトゥーラへ試乗(2) 夢中にさせる最高水準の操縦性 妥協ない動的能力
AUTOCAR JAPAN
さらにワイルド&ドラマチック! 改良版マクラーレン・アルトゥーラへ試乗(1) アプデで総合700psへ
さらにワイルド&ドラマチック! 改良版マクラーレン・アルトゥーラへ試乗(1) アプデで総合700psへ
AUTOCAR JAPAN
まさに[小さなハリアー]!! 売れまくり[ヤリスクロス]は使いやすさ抜群! GRスポーツを勧めたいワケ
まさに[小さなハリアー]!! 売れまくり[ヤリスクロス]は使いやすさ抜群! GRスポーツを勧めたいワケ
ベストカーWeb
旧車の維持費は思ったほどじゃなかった! それより大変なのは……旧車オーナーが実体験を語る
旧車の維持費は思ったほどじゃなかった! それより大変なのは……旧車オーナーが実体験を語る
WEB CARTOP
[元警察官が解説] 制限速度1km/hオーバーでも捕まるのか? “検挙”と“指導/警告”の微妙な境目
[元警察官が解説] 制限速度1km/hオーバーでも捕まるのか? “検挙”と“指導/警告”の微妙な境目
WEBヤングマシン
欧州vs中国「EV戦争」 最高48%の関税賦課も、中国の“報復措置”はまだ起きそうもないワケ
欧州vs中国「EV戦争」 最高48%の関税賦課も、中国の“報復措置”はまだ起きそうもないワケ
Merkmal
トヨタ、部品欠品で稼働停止のランクルシリーズ 21日夕方から順次生産再開
トヨタ、部品欠品で稼働停止のランクルシリーズ 21日夕方から順次生産再開
日刊自動車新聞
トヨタ新型「RAV4」そろそろ登場!? もっと無骨に“大変身”&新パワートレイン搭載も? デビュー6年目の「超人気SUV」次期型どうなるのか
トヨタ新型「RAV4」そろそろ登場!? もっと無骨に“大変身”&新パワートレイン搭載も? デビュー6年目の「超人気SUV」次期型どうなるのか
くるまのニュース
酷暑の夏到来!! ヒトも自転車もこれまでにない状況に耐えられるのか?
酷暑の夏到来!! ヒトも自転車もこれまでにない状況に耐えられるのか?
バイクのニュース
マセラティ史上最速の市販車に敬意、『MC20』に白+青の「イコーナ」…20台限定
マセラティ史上最速の市販車に敬意、『MC20』に白+青の「イコーナ」…20台限定
レスポンス
4WDターボはランエボ&インプSTIだけじゃない! [マツダスピードアテンザ]は熱かった!!!
4WDターボはランエボ&インプSTIだけじゃない! [マツダスピードアテンザ]は熱かった!!!
ベストカーWeb
[バイクの仕組みQ&A] 油圧式/ワイヤー式クラッチ、何がどう違うのか?
[バイクの仕組みQ&A] 油圧式/ワイヤー式クラッチ、何がどう違うのか?
WEBヤングマシン
トライアンフ、限定モデル『ボンネビル T120 エルヴィス・プレスリー リミテッド エディション』発表
トライアンフ、限定モデル『ボンネビル T120 エルヴィス・プレスリー リミテッド エディション』発表
レスポンス
時代を超えた「ご長寿モデル」! 登場から“60年以上”続く「すごいクルマ」も存在! 長く愛されている「国産ロングセラー車」3選
時代を超えた「ご長寿モデル」! 登場から“60年以上”続く「すごいクルマ」も存在! 長く愛されている「国産ロングセラー車」3選
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村