便利な子供乗せ自転車だが、危険も多い
「子供乗せ自転車」は2人までの子供を乗せられることから、保育園や幼稚園の送り迎え、近所の買いものなど、時間に追われる子育て世帯の必需品となっている。最近は、「電動アシスト付き」のモデルも増え、小柄な女性でも前後に子供を乗せて容易に使えるようになった。
しかし、便利な子供乗せ自転車は事故も多いという。消費者庁の資料をみてみると、走行中と停車中、どちらの状況でも発生している。
【走行中】
人は明るい所をより注視してしまいがち!|長山先生の「危険予知」よもやま話 第23回
段差でつまずいて転倒
マンホールでスリップして転倒
漕ぎ出し時に転倒
カーブを曲がりきれず転倒
【停車中】
保護者が自転車から離れたときに転倒
保護者が目を離したときに転倒
子供を乗せ降ろしするときに転倒
自転車の重量(特に、電動アシスト付きは重い)に、親の体重と子供の体重を合わせれば、総重量は100kgを超えることもある。バイク並の重量となれば、当然、バランスを取りづらく、走行中にふらついたり、転倒したりする危険性は高い。その際に頭部を損傷する可能性もある。
子供乗せ自転車の事故を防ぐには
子供乗せ自転車の事故を防ぐために、保護者はどのようなことに気を付ければいいのか。消費者庁のアドバイスによると、以下の項目をあげている。
乗せる前にヘルメットを着用させる
シートベルトを確実にしめる
乗せ降ろしは傾斜や段差のないところでする
荷物は前後左右のバランスを考慮して乗せる
自転車に子供を乗せたら「手」も「目」も離さない
段差の乗り越えはできる限り避ける
雨の日は自転車を避ける
段差を避けられないときは、速度を落としながら、進入角度を深くして乗り越えてほしい。
その他、以下の点検も忘れないでほしい。
幼児用座席の目安とする身長や上限とする体重の範囲内である
リコールされていないか(消費者庁のリコール情報サイトで確認すること)
不具合がないか(乗る前に確認すること。定期点検もすること)
道交法の基準に適合しない電動アシスト自転車には乗らない(漕がずに進むなど)
また、道路交通法では、未就学児のおんぶ乗車は認めているが、抱っこ乗車は認めていない。おんぶ乗車についても、都道府県によっては禁じている。消費者庁は、抱っこはもちろんだがおんぶも避けてほしいとしている。
交通ルールとマナーを徹底すること
子供乗せ自転車に限ったことではないが、歩道を速度を出して駆け抜ける、歩行者の間を無理にすり抜ける、降り始めた遮断機を通り抜けるなど、ルールに反した危険な運転はよく指摘されている。
子育て中の保護者は、日々、時間に追われており、自転車のスピードを出したくなるかもしれない。しかし、自転車は「軽車両」でもある。事故を起こしたときには、運転する保護者や同乗する子供だけでなく、他人(歩行者など)に危害を加えかねない。だからこそ、子供乗せ自転車をはじめ、自転車を運転するときは、ルールを厳守してほしい。
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