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韓国車「ヒョンデ」に勝ち目はあるか 12年ぶり日本再上陸! 今だからこそ仕込めた「3つの秘策」とは

掲載 更新 128
韓国車「ヒョンデ」に勝ち目はあるか 12年ぶり日本再上陸! 今だからこそ仕込めた「3つの秘策」とは

■「ディーラーなし」で、どうやってクルマを売るか

 韓国の現代自動車(ヒョンデ)が、約12年ぶりに日本に再上陸します。

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 国産メーカーはもとより、多様な輸入車ブランドがひしめく日本市場で、ヒョンデに勝ち目があるのでしょうか。

 日本市場で勝ち抜くため、ヒョンデは3つの秘策を練って来たといいます。その詳細について、2022年2月8日に開いたオンライン記者会見で初公開しました。

 秘策の1つ目は、販売するディーラーを持たないこと。

 2つ目は、取り扱うモデルはBEV(バッテリー電気自動車)またはFCV(燃料電池車)というZEV(ゼロエミッションヴィークル)のみであること。

 そして3つ目は、所有のみならず、シェアリングなどさまざまな利用体験を提供することです。

 では、3つの秘策の詳細と、それによる勝ち目について順番に考えていきましょう。

※ ※ ※

 まず、ディーラーを持たないということは、すなわちオンライン販売を意味します。すでに一部の輸入車ブランドや日系メーカーでも、北米市場などで新車のオンライン販売が実施されていますが、その多くは、購入までの流れをオンライン化して、最終的な購入手続きと決済は実店舗でおこなうという流れです。

 それをヒョンデは、検索、相談、試乗、契約、決済、配送、さらに購入後のサポートまで、すべてオンラインでおこなうというのです。

 新車をスマートフォンで買って、自宅までデリバリーしてくれるという、まるでUber Eatsのような感じといえるかもしれません。

 とはいえ、数百万円するクルマをそんな手軽に購入して、本当に大丈夫なのかと不安になる人も当然いるでしょう。

 しかし、一般的な新車購入の流れを振り返ってみると、十分な可能性を感じます。

 例えば、マイカー購入を考えている人がネット検索などで独自に情報収集して、品定めしています。購入についても、いわゆるヒドゥンコスト(表に出てこない各種費用)や値引き額などのやり取りを商談の中で明文化してから契約することが当たり前になっているため、契約をオンラインで交渉することに抵抗感を持つ人は減っているのではないでしょうか。

 また、アフターサービスも、ヒョンデがクルマを取りに来てくれて協力整備工場などでしっかりメンテナンスしてくれて、再び自宅まで戻してくれるならば、ユーザーにとって時間も手間も省けます。

 また、一般的に試乗といっても販売店の周辺を少し走るだけですから、ヒョンデが提供するさまざまな試乗の機会でじっくり乗れば、それに越したことはないように思えます。

 要するにある程度の数のメーカー、ディーラー、そしてユーザーが、「スマホで新車を買う」という行為に対して(机上の議論の中では)可能性が十分あると思っていたところに、ヒョンデが手を挙げて実際に始めることになったという状況と思います。

 加えて、オンラインのみならず、オフラインでの顧客サポートも組み合わせて、オンとオフラインをシームレスに結びます。

 ヒョンデ・モビリティジャパンによると、ユーザーは1つのIDを持ち、カスタマーセンターとスムーズにやり取りをします。また、2022年夏には、実車に触れられる「カスタマーエクスペリエンスセンター」を横浜市内に開設し、その後国内の主要都市に展開する予定といいます。

■「今」が日本再参入の最良タイミング?

 2つ目の「BEVとFCVのみ」については、輸入車メーカーの中では、英国ジャガーが2025年、スウェーデンのボルボが2030年までに新車100%のBEV化を目指すとしています。

 ヒョンデがそれらより早い2022年の時点で、日本市場でFCVを含む新車ZEV100%を実現することは、日本の自動車産業界全体にとっても大きなインパクトがあると思います。

 ヒョンデとしては、グローバルで急激なEVシフトが起こっている今が、日本市場再参入の最良タイミングなのかもしれません。

※ ※ ※

 3つ目のシェアリングについては、若い世代への強いアピールとして有効なはずです。

 今回の記者会見では、DeNAとSOMPOホールディングスが出資するDeNA SOMPOモビリティも参加し、ヒョンデと「Anyca」との協業を明らかにしました。

 Anycaは2015年9月にスタートしたDeNA SOMPOモビリティのカーシェアサービスです。

 筆者(桃田健史)はこれまでAnycaについて、DeNA関係者らに定常的に取材してきましたが、Anycaは試行錯誤を繰り返しながらしっかりとした事業基盤を築いてきたという印象を持っています。

 同社によると、2021年の契約者の約6割が20代で、そのうち85%の人が自分のクルマを所有したいという意思を持っているとのデータがあります。

 ヒョンデについては、B2C(企業から個人)型のカーシェアを2022年2月下旬から東京と神奈川を中心に開始し、FCV「NEXO(ネッソ)」20台と、EV「アイオニック5」100台を導入する予定です。さらに、2022年5月末までの期間限定で、カーシェア1時間を無料とするキャンペーンも展開します。

 そのほか、DeNA SOMPOカーライフが提供するサブスクリプションカーリース「SOMPOで乗ーる」でも、ヒョンデを取り扱うことを明らかにしました。

 要するに、短期利用はカーシェア、中期利用はサブスク、そして長期利用はオンライン販売という、ユーザーの立場で見ると多様なプログラムが用意されているのです。

※ ※ ※

 約12年間の時を経て、全く新しく形で日本上陸を果たした韓国ヒョンデ。

 以前は日本語表記が「ヒュンダイ」でしたが、韓国語の発音により近い「ヒョンデ」を日本での正式社名としたこともあり、まったく新しいブランドとして生まれ変わったといえます。

 果たしてヒョンデは、日本市場に新たな風穴を開けることができるでしょうか。

 正式なオーダー開始は2022年5月、デリバリーは7月の予定です。今後のヒョンデの動向を注視していきたいと思います。

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みんなのコメント

128件
  • 買い物の相手は選びます。
  • 1つ目は出店コストダウン。
    2つ目は現時点では現実的な選択にならない。
    3つ目は他のメーカーもやってる。

    はい終わり。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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