現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 「いろいろな経験をしてきたんだな」とインパル星野監督も感心のデ・フリース。まさかの“ムダ遣い”も/第5戦もてぎ

ここから本文です

「いろいろな経験をしてきたんだな」とインパル星野監督も感心のデ・フリース。まさかの“ムダ遣い”も/第5戦もてぎ

掲載 1
「いろいろな経験をしてきたんだな」とインパル星野監督も感心のデ・フリース。まさかの“ムダ遣い”も/第5戦もてぎ

 初めて全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)のレースに挑戦したニック・デ・フリース(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。8月25日にモビリティリゾートもてぎで行われた第5戦決勝では、18番グリッドから5ポジションアップの13位フィニッシュとなった。

 レース中にはうまくいかないことも多く、次戦に向けて改善が必要なところもあったとデ・フリースは振り返るが、星野一樹監督は彼の勤勉な部分がチームにとっても刺激になったと語った。

可夢偉&デ・フリースの猛攻に敗北。ルーキー木村の“研究成果”と課題「いいプレッシャーをかけてレースしたい」/第5戦もてぎ

■オーバーテイク・システムを切り忘れる誤算

「全体的にレースペースは悪くなかったので、今後に向けて勇気づけられたレースだったと思う。スタートでいくつかポジションを上げ、その後のペースを考えれば、すべてがうまくいけば8~10位には入ることができていただろう」

 このようにスーパーフォーミュラのデビュー戦を語るデ・フリース。しかし、レース中にはふたつの誤算が生じていたという。

「セルモのクルマ(阪口晴南/VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が止まった時に、僕たちはセーフティカーが出ることに賭けてピットインした。でも、実際には出なかった」とデ・フリース。

「当初はステイアウトして、さらに後半でピットストップをする予定だった。あれは本来なら理想的なタイミングではなかったから、結局アンダーカットもオーバーカットもできず、(戦略面では)うまくいかなかった」

 それでも、ピットアウト後はフレッシュタイヤを活かして順位を上げていったデ・フリース。27周目には木村偉織(San-Ei Gen with B-Max)に迫り、90度コーナーでオーバーテイク。順調に14番手に浮上したが、実はこのあとにさらなる誤算が起きていたという。

「僕はレースの序盤でオーバーテイク・システム(OTS)をまったく使わなかったんだ。そこから(バトル時に)ボタンを押して、切ったつもりだったのだけれど、実際には作動したままで、そのまま全部使い切ってしまった」と、“SFルーキー”らしいミスがあったことを明かした。

「その後にボタンを押してもまったく使えなかったんだ。ちょっと、このシステムに出し抜かれたような感じがしたよ(苦笑)」

 その模様を公式アプリ『SFgo』で確認すると、木村を攻略するために約半周ほどOTSを使い、90度コーナーで前に出た時点では約95秒残っていた。そのため、次の28周目はコースのほぼ全域でOTSがオンになった状態で走行したことも影響したか、1分35秒659の自己ベストタイムが刻まれている。

 OTSの操作に関しては、自身でも確認不足のところがあった様子。次戦の富士大会では改善されることだろう。

 次戦の富士は2レース開催ということで「富士ではダブルヘッダーというのは僕にとって良いことだと思っている。1レースでは未知のこともあるかもしれないけど、2レース目に合わせ込めれば間違いなく前進できる。とにかく、もてぎでは素晴らしい経験ができたよ」とデ・フリースも前向きに語っていた。

■「本当はパッと乗って勝てるクルマを用意してあげたかった]

 一方、ITOCHU ENEX TEAM IMPULの星野一樹監督は、デ・フリースの凄さを感じつつも、それに応えるだけのマシンを用意してあげられなかった、と悔しい表情を見せる。

「本当はパッと乗って勝てるクルマを用意してあげたかったですけど、なかなか難しいところで……。チームとしても反省点が多いのですけど、最初のセッションから『一歩一歩しっかり改善していこう』とニックも言ってくれて、レースも良いペースを発揮してくれました」

「ただ作戦がうまくいかなくて、(ピットストップ後に)良いところで出してあげられませんでした。ペース的には岩佐(歩夢/TEAM MUGEN)選手の真後ろを走っていたくらいだったので、あの辺のポジションでゴールできたと思っています」

 2023年の前半はF1にアルファタウリからレギュラー参戦し、現在はフォーミュラEやWEC世界耐久選手権でも活躍中のデ・フリース。さまざまなカテゴリーでの経験が活きているのか、チームとの関わり方や自身のこだわりなどを間近で見て、感心することも多かったようだ。

「『俺はF1に乗っていたんだから、良いクルマを用意しろ!』という偉そうな感じはまったくなくて、むしろ『僕たちはチームだから、一歩一歩ここから這い上がっていこうよ』という感じでチームに接してくれていました」

「もちろん、この結果を望んでいたわけではないと思うので、きっとイライラしているところもあるだろうけど、そういうところを見せずに、ステップ・バイ・ステップという気持ちでやってくれている。そういうところがすごいなと思いましたし、いろいろな経験をしてきたんだなと思います」と星野監督。

「妥協は許さず、ひとつひとつ解決していこうというタイプなようで……チームとしても良い刺激があって、勉強になりました」と、陣営にもいい影響を与えているようだ。

 デ・フリースの活躍のためにも、チームのパフォーマンスをもう少しあげたいという星野監督は「あとちょっとのところまで来ていると思うのですが……何とかしたいですね。今回はいろんな反省点がありましたが、彼と一緒にあと2レース戦えます。次は前回(第4戦)良かった富士ですし、良いレースがしたいなと思っています」と、彼との“ラストレース”に向けて意気込んだ。

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

悪路を走破してナンボでしょうがい!! [オフロード]性能を極めた[クルマ]を[200万円]台で探してみた!!
悪路を走破してナンボでしょうがい!! [オフロード]性能を極めた[クルマ]を[200万円]台で探してみた!!
ベストカーWeb
え?? [70万円]からで楽しめる[クルマ]があるの!? 中古車があまりにも[おすすめ]な件
え?? [70万円]からで楽しめる[クルマ]があるの!? 中古車があまりにも[おすすめ]な件
ベストカーWeb
フェラーリ499Pのアップデート第2弾は2025シーズン開幕後か。首脳陣が開発スケジュールを説明
フェラーリ499Pのアップデート第2弾は2025シーズン開幕後か。首脳陣が開発スケジュールを説明
AUTOSPORT web
瞬時で判断不能! [指定方向外進行禁止]の道路標識がもうややこし過ぎる!
瞬時で判断不能! [指定方向外進行禁止]の道路標識がもうややこし過ぎる!
ベストカーWeb
新品タイヤでよく見かけるヒゲは切っても平気!? 正式名「スピュー」ができる理由とは?
新品タイヤでよく見かけるヒゲは切っても平気!? 正式名「スピュー」ができる理由とは?
Auto Messe Web
V12モデルの「超新星」 アストン マーティン・ヴァンキッシュへ試乗 フェラーリ最大の脅威か?
V12モデルの「超新星」 アストン マーティン・ヴァンキッシュへ試乗 フェラーリ最大の脅威か?
AUTOCAR JAPAN
「藤原とうふ店(自家用)」仕様のスポーツシートが登場!『頭文字D』とBRIDEがコラボした各86脚の限定モデルの仕様とは?
「藤原とうふ店(自家用)」仕様のスポーツシートが登場!『頭文字D』とBRIDEがコラボした各86脚の限定モデルの仕様とは?
Auto Messe Web
フェルスタッペンへのペナルティ適用には一貫性があるとマクラーレン代表が主張「スチュワードが素晴らしい仕事をした」
フェルスタッペンへのペナルティ適用には一貫性があるとマクラーレン代表が主張「スチュワードが素晴らしい仕事をした」
AUTOSPORT web
F1 Topic:ホーナー、GPSデータを開示しペナルティに反論。ターン4で最速ラップ時より速かったノリスの走りを分析
F1 Topic:ホーナー、GPSデータを開示しペナルティに反論。ターン4で最速ラップ時より速かったノリスの走りを分析
AUTOSPORT web
高市元大臣の後任も筋金入りのマニア! 愛車の異名は「走るシーラカンス」まさかの激レア車
高市元大臣の後任も筋金入りのマニア! 愛車の異名は「走るシーラカンス」まさかの激レア車
乗りものニュース
アウディのフルサイズSUV「Q7/SQ7」が大幅改良で最新デザインを纏い存在感をいっそうアップ!最大5つのチャイルドシートが装着可能
アウディのフルサイズSUV「Q7/SQ7」が大幅改良で最新デザインを纏い存在感をいっそうアップ!最大5つのチャイルドシートが装着可能
VAGUE
超斬新! ドアも窓も無い「凄いクルマ」世界初公開! 本当に「走るの?」 見た目以上に楽しい「RN24」白煙モクモクで爆走!? 韓国で
超斬新! ドアも窓も無い「凄いクルマ」世界初公開! 本当に「走るの?」 見た目以上に楽しい「RN24」白煙モクモクで爆走!? 韓国で
くるまのニュース
メルセデス・ベンツ、旗艦『Gクラス』に初の電気自動車版を導入。革新的な4輪独立式モーターを搭載
メルセデス・ベンツ、旗艦『Gクラス』に初の電気自動車版を導入。革新的な4輪独立式モーターを搭載
AUTOSPORT web
ドライビング規則の見直しが決定も、渦中のフェルスタッペンは動じず「レースに関しては何も変わらない」
ドライビング規則の見直しが決定も、渦中のフェルスタッペンは動じず「レースに関しては何も変わらない」
AUTOSPORT web
WRCドライバーに会える! 2024年もラリージャパンの“前夜祭”駅前ファンミーティング開催決定
WRCドライバーに会える! 2024年もラリージャパンの“前夜祭”駅前ファンミーティング開催決定
AUTOSPORT web
次世代ヘッドアップディスプレイ 視線を落とさず情報収集、安全性向上へ
次世代ヘッドアップディスプレイ 視線を落とさず情報収集、安全性向上へ
AUTOCAR JAPAN
マセラティ初代「ギブリ スパイダー」と新型「グランカブリオ」が夢の共演…「オート・エ・モト・デポカ」で展示! 見比べることでわかる両車の共通点とは
マセラティ初代「ギブリ スパイダー」と新型「グランカブリオ」が夢の共演…「オート・エ・モト・デポカ」で展示! 見比べることでわかる両車の共通点とは
Auto Messe Web
予選最速タイラー・レディックが最終周の大逆転で週末完全制覇。最終ステージ進出へ/NASCAR第34戦
予選最速タイラー・レディックが最終周の大逆転で週末完全制覇。最終ステージ進出へ/NASCAR第34戦
AUTOSPORT web

みんなのコメント

1件
  • min********
    デフリースは何しに来たんだろ?
    1レースだけスポットで出てもしょうがない。
    SFはドライバーはギャラもらえない状態でレースしてるんで、F1みたいなギャラは期待できない。さらに勝ったところでステータスはつかない。

    ほんと、なにしにきたんだろ?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村