F1イタリアGPの予選ではマクラーレンのランド・ノリスがポールポジションを獲得。マクラーレンとタイトルを争うレッドブルは、3度のF1世界チャンピオンであるマックス・フェルスタッペンをもってしても、7番手が関の山だった。
このQ3でレッドブル勢は、新品のソフトタイヤから十分なパフォーマンスを引き出すことができないという問題に直面。クリスチャン・ホーナー代表はセッション後、この問題を「素早く理解する必要がある」と語った。
■フェルスタッペン、イタリアGP予選での完敗に困惑「Q3で突然アンダーステアになった……奇妙なことだ」
レッドブル勢は順当にQ3まで駒を進め、マクラーレン勢やメルセデス勢、フェラーリ勢とポールポジションを争うかに思われた。
まずQ3最初の計測でフェルスタッペンが新品タイヤ、セルジオ・ペレスがユーズドタイヤを使用。通常であればユーズドタイヤよりも新品タイヤの方がより良いタイムが出るはずだが、ペレスが1分20秒062をマークしたのに対してフェルスタッペンは1分20秒072と0.010秒届かなかった。
フェルスタッペンは新品ソフトタイヤの「グリップが無い」とアンダーステアを訴えた。
この症状はふたりが新しいソフトタイヤのセットに履き替えたQ3終盤も変わらず。フェルスタッペンはなんとか1分20秒022までタイムを改善したが、結果的に7番手止まりとなった。
ペレスは最終アタックをまとめきれず、ユーズドタイヤで記録したモノが最終的な持ちタイムとなった。それでもフェルスタッペンとの差はたった0.040秒。そしてフェルスタッペンはQ2の時点でユーズドタイヤを履いて1分19秒662をマークしていただけに、レッドブルとしては不可思議なQ3となった。
Q3で何が起こったのかと訊かれたホーナー代表は、Sky Sportsに対して次のように答えた。
「非常に難しい。ユーズドタイヤで1分19秒6をマークしていたのに、新品タイヤ2セットを使って1分20秒0を超えることができなかった。彼に合ったバランスじゃなかったのだ。それは彼のコメントを聞いても分かることだ」
「つまり、根本的に何かが起こっているが、現時点では我々はそれを把握できていない。我々は理解する必要がある。なぜ最も使い込んだタイヤであのタイムが出せていたのに、新品タイヤ2セットでそのタイムに接近することができなかったかを理解しなければならないのだ」
また、2024年に向けてモンツァ・サーキットが行なった路面の全面再舗装も関係しているのではと訊かれたホーナー代表は、他チームが新品タイヤではタイムを改善していたことを指摘し、原因は他にあることを示唆した。
「Q2は悪くなかった。マックスが話していたハンドリングの特性はあったけどね」とホーナー代表は言う。
「でもQ3では何か問題があった。他のチームは新品タイヤで改善できていたのに、我々は何マイルも離されていた。我々はそれを理解する必要がある」
そしてホーナー代表はこう続けた。
「マシンには、明らかに機能していない何かがあると思う。それを解明し、理解しようとしている。まずは問題を理解し、それにどう対処するかを考え、実行に移す。エンジニアリング的な問題にはエンジニアリング的な解決策があるということだ」
前戦オランダGPを終えた時点で、コンストラクターズランキングでは首位レッドブルと2番手マクラーレンが30ポイント差に接近。ドライバーズランキングではフェルスタッペンに対してノリスが70ポイントのリードを築いているが、勝利から遠ざかる現状ではあぐらをかいてはいられない。
7番手、8番手から迎える日曜日の決勝レースでは、厳しい状況の中でも最大限のポイントを獲得することを目指すとホーナー代表は説明した。
「我々は全てに目を通している。先週末(オランダGPで)は旧仕様を走らせて、問題が少しでも改善されているかどうかを確認した。そして現実は、年始のスペックでも同じハンドリング特性と問題を抱えていたというモノだった」
ホーナー代表はそう語る。
「その結果、非常に多くのデータが得られたが、状況を好転させるには課題が山積みだ。それに素早く対処する必要がある」
「マクラーレン勢はここ数レースで大きな進歩を遂げた。そして、ここではフェラーリやメルセデスにも後塵を拝している」
「やることは沢山ある。明日はポイントのためのレースになるが、7~8番手からのスタートは明らかに厳しいはずだ」
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