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気にするのは航続距離だけ? 燃費ならぬ「電費」 カタログに載らないEVのコスパ

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気にするのは航続距離だけ? 燃費ならぬ「電費」 カタログに載らないEVのコスパ

気になるのは航続距離だけ?

ここのところ注目度が増している電気自動車。

【画像】意外と「電費」良し?【ポルシェのEV「タイカン」どんなクルマ?】 全80枚

モーターならではの加速力や静粛性の高さだけでなく、最近では高騰が続くガソリンよりも少ないコストで車両を走らせることができるという点にも注目が集まっている。

そんな電気自動車ではあるが、多くの人が気にするのは満充電あたりの航続距離だろう。

たしかに充電に時間がかかり、地域によっては充電スポットが少ないところもあるため、1度のフル充電で長い距離を走ることができるというのは気になるポイントであることは間違いない。

その一方であまり注目されていないのが電気自動車の「電費」ではないだろうか?

内燃機関を搭載した車両でいうところの「燃費」と同じ意味を持つ電費というのは、燃費が燃料1リッター当たり何km走行できるかを表しているのと同様に、電力1kWh当たり何km走行できるかを表している。

つまり、電気自動車の航続距離というのは、1kWh当たりで走行できる距離とバッテリーの容量をかけたものということになり、同じバッテリー容量の車両であれば、当然ながら電費の良い車両の方が航続距離も伸びるというワケだ。

厳密にいうと搭載されているバッテリー容量の100%を航続距離に回すことができないのだが、これは内燃機関車が燃料タンクの形状によって最後の1滴まで燃料を使えないのと同じと思っていただければいいだろう。

カタログには載ってない?

航続距離を気にするのであれば、チェックしておきたい電費だが、実はカタログには航続距離のみの記載で電費は記載されていないことがほとんど。

その代わり「交流電力量消費率」というものが記載されており、これは1kmを走行するのにどのくらいの電力が必要になるかというもの。こちらは数字が低いほど電費に優れているという意味になる。

ここでは内燃機関車の燃費と同じく、WLTCモード、市街地モード、郊外モード、高速道路モードと走行パターンごとに記載されているため、その車両がどういったシチュエーションを得意をしているかを把握することができる。

しかし、1リッター当たりどのくらい走れるかという燃費に慣れ親しんだわれわれにとっては少々分かりにくいという点もあるため、イメージを明確にするためにも「電費」に換算したいところ。

その場合、カタログに記載されている「一充電走行距離(航続距離)」と「駆動用バッテリーの総電力量」から簡単に導き出すことができる。

例えば日産の新型電気自動車、アリアのB6系であれば、一充電走行距離が470km、駆動要バッテリーの総電力量が66kWhとなっているから、470÷66でカタログ上の電費はおよそ7.1km/kWhということになるというワケなのだ。

「電費」を比べてみた

日産リーフ

40kWhモデル:約8.1km/kWh
62kWhモデル:約7.4km/kWh

日本が世界に誇る量産電気自動車の日産リーフ。

62kWhの大容量バッテリーを搭載した「e+」もラインナップするが、電費だけで見てみると標準モデルの方がよくなっている。

これは大容量バッテリー搭載による重量増と高出力モーターを搭載したことが影響していると見られ、やはり内燃機関車と同じく車重や出力は電費に影響することを証明する形となった。

ポルシェ・タイカン4S

約5.3km/kWh

ポルシェの電動マシンであるタイカン。

スタンダードな4Sでも四輪をモーターで駆動させ、0-100km/h加速は4.0秒、最大出力は530ps(オーバーブースト時)と圧倒的なパフォーマンスを持つだけに電費も覚悟がいると思いきや、意外にも良好な数値となっていた。

テスラの「電費」は?

三菱ミニキャブ・ミーブ

約9.4km/kWh

国産軽商用バンとしては唯一の電気自動車となるミニキャブ・ミーブ。

昨今の企業のカーボンニュートラルへの取り組みの加速もあって、今年秋にも販売が再開されるというが、さすがコンパクトなボディを持つ軽自動車ということで、約9.4km/kWhという高い電費性能を叩き出している。

テスラ・モデル3ロングレンジ

約9.8km/kWh

電気自動車といえばテスラ、というイメージがあるように、多くのファンを獲得したテスラモーターズ。

その新たなエントリーモデルとして存在するモデル3のロングレンジではWLTCモードで689kmという航続距離を誇るが、電費性能も約9.8km/kWhと高く、ハイパフォーマンスかつ電費性能にも優れたモデルということになる。

このように一口に電気自動車といっても、電費性能には大きな違いがあることがお分かりいただけたかと思う。

ただ、電気自動車は内燃機関車以上に走らせ方や周囲の環境によって電費が大きく上下するため、どんな車両に乗ったとしても、エコな運転を心掛けることが大切なのはいうまでもないだろう。

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みんなのコメント

31件
  • コスパ云々言うなら、EVそのものを待った方が良いと思う。
    今買ったとしても5年後には今の半分くらいの車両価格で航続距離も長くなるだろうし。
    今すぐ欲しい人は別にいいんだろうけどね。
  • 自宅での電気代や外出先での充電の為の月会費など実際にガソリン代と比較しないと本当のコスパは分かりにくい。人それぞれ使い方が千差万別なので、なおさら。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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