フォルクスワーゲン・トラック&バスは11月11日、同社初となるハイブリッドトラックのコンセプトモデル、『メテオールハイブリッド』をブラジルで発表した。
このコンセプトトラックは、ブラジルのインフラに適した道路輸送ソリューションを研究するため、サスペンションメーカーのサスペンシスと共同開発された。
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メテオールハイブリッドは、ディーゼルエンジンと電動補助アクスルを組み合わせた知能型駆動システムを採用している。このシステムは、ルートやバッテリー残量に応じて各パワートレインの使用を自動的に管理し、さらに前方の地形を予測する機能も備えている。
この組み合わせにより、第3アクスルが駆動軸となることで、必要に応じて6x4駆動に変換され、より高いトラクション能力を発揮する。これは、上り坂や積載トレーラーを牽引する際のトルクや発進力の向上につながる。予備調査によると、この構成により走行時間を短縮できる可能性があり、例えば丘陵地では車輪の牽引力が35%増加することで、最大20%のスピードアップが可能となる。
一方で、トレーラーを牽引していない場合は補助アクスルを上げるシステムも搭載しており、タイヤの摩耗を抑制する。また、ディーゼルエンジンやブレーキシステムへの負荷が軽減されることで、運用コストの削減にも貢献する。さらに、減速時にエネルギーを回収する再生システムにより、効率性とバッテリー経済性が向上する。
このコンセプトは、フォルクスワーゲン・トラック&バスの脱炭素化戦略に沿ったものであり、同社はラテンアメリカで初めて100%電気トラックを開発・生産したメーカーでもある。今回のコンセプトモデルは、電動化ソリューションを追加しつつ、インフラ整備の必要性を柔軟に対応できるようにしている。長距離走行時に充電が不可能な場合でもディーゼルエンジンのみで走行可能であり、低電圧システム(220V)での充電も可能だ。また、標準のCCS2システムを採用した高電圧急速充電システムも搭載している。
メテオールハイブリッドは、空力性能を高めるためのデフレクターセットや、バッテリーパックを考慮したエクステンダー、車体下部全体のゴム製保護カバーなど、洗練された空力パッケージを特徴としている。ハブキャップも抵抗を減らす特殊設計となっている。
キャビン内では、カメラとモニターのシステムにより、死角をなくし2km以上の視界を確保。赤外線センサーにより夜間の視認性も向上させている。これにより、空気抵抗係数の低減にも貢献している。
初期テストでは、メテオールハイブリッドコンセプトが地形に応じて最大10%のディーゼル燃料消費量を削減できると推定されている。これはCO2排出量に直接反映され、年間25トン以上の削減が可能となる。さらに、HVO(水素化植物油)を使用した場合、削減率は90%を超え、年間230トンのCO2削減が見込まれている。
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