2021年11月下旬から2024年11月下旬(予定)まで行われている、東名リニューアル工事の東名多摩川橋 床版取替工事の現場を見学することができたので、工事の方式や現場の状況などを報告しよう。
車線数を減らさないリニューアル工事の新しいかたち
東名多摩川橋は、東名(東名高速道路)の東京インターチェンジ(IC)と川崎ICの間、名前が示すように多摩川にかかっている橋だ。橋の長さは約500m、幅は約30m(6車線)。面積は、約1万5500平方メートル(テニスコート約60個分)。開通は1968年だから、すでに50年以上が経過しており、橋梁構造体の損傷など老朽化が進んできた。
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そこで、リニューアル工事として、老朽化した橋梁のコンクリート床版(しょうばん)を新しいものに取り替える工事を行うことになった。だが、東名多摩川橋のかかる区間は1日あたり10万台の車両が往来する重交通区間。いままでのリニューアル工事のように、上り(もしくは下り)区間を全面通行止めにして、反対側区間で車線を減少して通行させながら床版を全面取り替えする工事では、大規模な渋滞が懸念された。
そのため、今回は床版を分割して取り替えることで、6車線を確保しながら(一部期間は夜間5車線になる)、工事を行う。工事期間は長くなるが、車線数を確保することで渋滞など交通への影響を最小限にするというわけだ。
工事は、6つのステップで行われる。現在はステップ1が終わりにさしかかる時期で、上り車線のいちばん外側の床版取り替えが進んでいる。次のステップ2では上り車線の中央部の床版を取り替えるため、工事エリアの幅の関係で夜間(19時~翌5時)は2車線となる。こうして5分割で床版を取り替え、最終のステップ6で中央分離帯など通常の車線運用への復旧工事を行い、リニューアル工事は完成する。
今回のリニューアル工事では、さまざまな新技術が採用されているが、まずサブマリンスライサーという機械で橋梁の下側から橋桁と床版を切断・分離する。そしてハイウェイストライダーと呼ばれる自走式門型架設機が、床版を撤去し、あらかじめ工場で製作した新設の床版を設置する。ハイウェイストライダーは自走可能なので、施工完了後に移動して、同じように撤去と設置を繰り返す。そして設置された床版を超高強度繊維補強コンクリートで接合し、その上をアスファルトで舗装していく。
今回、メディア向けに公開された工事現場では、ハイウェイストライダーによる床版の撤去作業を見ることができた。この機械は、全長約14m、全高約5.85m。1回の工程で3枚の床版を取り替え、自走で次の箇所へ移動できる。多摩川橋の工事では、4台のハイウェイストライダーが稼働している。
撤去する既設床版を運搬するトレーラーが入場すると、ハイウェイストライダーのクレーンで床版を引き上げて撤去し、トレーラーに積載する。切り出された床版は長さ約7m×幅約2.5m×厚さ約20cmで、重量は約7トン。ハイウェイストライダーの定格荷重は14.4トンだから、問題なく引き上げていく。ちなみに新設される床版の厚みは約22cmで、重量は9トンあるという。
クレーンと床版をチェーンで繋ぎ、引き上げてトレーラーに積載するまでの工程は、きわめてシステマティック。1日に3枚の床版を撤去し、桁を磨いたり部材を溶接し、新設の床版を3枚設置し、桁や部材と無収縮モルタルで一体化させ、ハイウェイストライダーを7.5m移動する。床版の接合技術にも、さまざまな新技術や工法が用いられており現場作業の省力化や工程短縮が図られている。
大規模なリニューアル工事を行いながら、車線を減少させないことで渋滞を回避する新たな取り組み。今回の現場でも、すぐ脇を車両が普通に流れており、工事の影響による渋滞などは発生していなかった。日本の高速道路網が整備され始めてから50年以上が経過した現在、今後もこうしたやり方のリニューアル工事が進められるようになることは間違いないだろう。
なお、NEXCO中日本では、この東名多摩川橋床版取り替え工事現場の一般公開を行っている。事前申し込み制なので、詳しくはNEXCO中日本のホームページを参照して欲しい。(文と写真:Webモーターマガジン編集部 篠原政明/図版:NEXCO中日本)
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