「車を買う」といえば、新車あるいは中古車を買うのが一般的だが、その中間と言える存在が登録済未使用車、俗にいう“新古車”だ。文字通りディーラーが登録だけ済ませた車両で、走行距離は僅か数十km程度。それでいて価格は新車と比べて100万円以上安いといった新古車が今、急増している。特にBMWなどは過去に例を見ないほど買い得な新古車が多い。なぜ、新古車が出回るのか? 特に買い得感の高い実際のモデルとともに、その事情に迫っていきたい。
文:永田恵一/写真:編集部
買い得な登録済未使用車大量発生の理由
なぜ、登録済未使用車が出回るのかを考えると、多くの車には日本車なら工場の稼働率確保や部品調達の関係、輸入車なら本国本社と日本のインポーターとの契約のような意味で、販売目標台数というものがある。
ディーラーにとって販売目標台数は、(今では少なくなっているようだが)目標達成のご褒美となるインセンティブ(販売報奨金)を得るためなどに是が非でも達成したい目標だ。
車が売れるというのは「登録が済む」という意味なので、目標が達成できていない時に新車を買いに行くと目標達成のため大幅な値引きに当たることもよくある。
それでも在庫車が残ってしまい目標が達成できない場合には、在庫車を登録し“とりあえず売れた”ことにし、目標を達成する。
そういった経緯で中古車市場に出てくるのが登録済未使用車である。つまり「残り物には福がある」ということだ。
当記事では特に買い得感の高い登録済未使用車(後述するデメリットも考えると新車の2割安を最低基準にする)を紹介していくので、車選びの幅が広がれば幸いだ。
筆頭のBMWは200万円安の新古車も!
BMW 320d/新車価格:562万円
BMWは登録済未使用車が多いブランドの筆頭だ。
まず、日本導入が2012年でモデル末期となっている3シリーズは318i(現在の新車価格469万円)が約3割引きの300万円から。新車価格550万円以上の320iや320dになると4割引き近い350万円からというカオスのような状況となっており、買うなら新車価格が高いグレードの方がお買い得感は高い。もちろん、車の完成度は熟成が進んだモデル末期ということもあり申し分ない。
【新車価格608万円の320d Mスポーツは、登録済未使用車で360万円に!】
2シリーズのアクティブツアラー(2列シート5人乗り、新車価格は363万円~)とグランツアラー(3列シート7人乗り、同393万円~)もそれぞれ250万円からと激安。
また、モデルチェンジ寸前で次期モデルはFF車になることが確実視されている1シリーズ(新車価格317万円~)も210万円からと、こちらはお買い得なだけでなく「最後のFRコンパクトBMW」という価値まで持つ。
プジョーも割安新古車が豊富
プジョー 308 アリュール ブルーHDi/新車価格:299万円
輸入車でBMWに匹敵するお買い得感ある登録済未使用車が揃うのがプジョーだ。
小さい方から見ていくと208スタイルが140万円から(ATで新車価格217万円、MTで同199万円~)と、輸入車入門にはピッタリだ。
また、数は多くないもののスポーツモデルのGTi(新車価格はGTi/322万円、GTi byプジョースポール/368万6600円)も260万円から流通しており、この種の車としては極めてお買い得感が高い。
【プジョー208は登録済未使用車なら150万円を切るものも!】
1クラス上の308もハッチバックの1.2L車なら200万円から(新車価格279万9000円~)、数は多くないもののスポーツモデルのGTi byプジョースポールやワゴンのSWの登録済未使用車も充分買い得だ。
その他コンパクトSUVの2008(新車価格263万円~)が308と迷う200万円から、少数ながらワゴンで2Lディーゼルを搭載する508SW(新車価格469万円)もマツダ アテンザ並みの350万円で流通しており、この価格なら面白いチョイスだ。
販売中止予定のVWザ・ビートルもお値打ち
VW ザ・ビートル デザイン/新車価格:278万円
2019年で日本での販売終了が発表されているVW ザ・ビートルは、そう数は多くないものの、1.2Lターボエンジンを搭載する「デザイン」グレードにオプションのカーナビ、HIDライト付き(オプション込みで新車価格310万円相当)の登録済未使用車が230万円程度から流通。
【本体価格250万円切りのザ・ビートル登録済未使用車】
230万円なら1クラス下でザ・ビートルと同じ路線のフィアット500ツインエアやミニONEと同等の価格だ。ザ・ビートルが好きなら渡りに船の選択となるだろう。
軽自動車でバーゲンプライスの車種も!?
三菱 eKワゴン E/新車価格:104万4360円
軽自動車は登録済未使用車の流通が多い反面、元々の価格が高くないことや需要が多いのもあり、買い得感はそれほどでもない。
しかし、その中で強烈なパンチがあるのが三菱 eKワゴンとeKスペースだ。燃費不正が尾を引いているのか、ハイトワゴンのekワゴン(新車価格104万4360円~)が70万円から、スーパーハイトのeKスペース(新車価格125万2800円)も90万円からと可哀そうなくらい安い。
【激安!! 三菱 eKワゴンの未使用車は70万円切り!】
eKワゴンもeKスペースも他社の軽自動車に動力性能や自動ブレーキの性能が見劣りするのは事実ながら、現在のモデルならeKワゴンの乗り心地は軽ハイトワゴンNo.1なほど。実用品と割り切って買うなら問題もなく、むしろ安さが有難い。
足として使う車は慎ましやかにeKで済ませ、浮いたお金で趣味性の高い車やバイク、カートなどで楽しむという選択もできる。
“新古車”購入で気を付けたいポイント
一方で買い得感の高い登録済未使用車のデメリットとしては、次の2つが挙げられる。
・現品限りなので色やメーカーオプションといった仕様は選べない
・登録から始まる保証期間や車検の残り期間も短い。特に車検は「何年の何月に買ったから」という覚え方をしている人だと、ウッカリ車検切れに注意が必要。
このあたりは安い分の“我慢料”と考えれば納得できるだろう。また、価格が安い反面、処分時の査定も安い可能性が高いが、この点も安く買っておけば痛い目に遭う可能性も低く、後にその車が注目され思わぬ高値で処分できる可能性もある。
好きな仕様が選べて、自分が最初のオーナーになれる新車のメリットはもちろん大きいが、予算内で選択肢が一気に広がる登録済未使用車も同じくらい魅力的な存在だ。
範囲を1年落ち走行5000kmまで広げればさらに選択肢は広がるので、とにかく予算内で買える車を細かく探してみることが、自分に合った車を見つける極意だ。
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