BMWは、2025年シーズンに向けてデータと走行距離を蓄積することを目標に、11月15~16日にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われたIMSAの公式テストでLMDh車両『MハイブリッドV8』のアップデート版を走らせた。
BMW Mモータースポーツディレクターのアンドレアス・ルースによると、BMWはドライバビリティとブレーキのアップデートを投入したが、この変更が“Evoジョーカー”としてカウントされるかどうかはまだ決まっていないと認めた。
2025年シーズン中の“ジョーカー”投入は禁止の方向か。ザウバーの風洞改修も事態を複雑に
「車両は常にアップデートされているが、すべてのアップデートにジョーカーが必要なわけではない」と彼はSportscar365に語った。
「もちろん、ソフトウェア制御戦略やセットアップなど、車両の改善とアップデートには常に努めている」
「我々は常にクルマを改良し、より良くしようとしている。私が見た限りでは、公式テストでのラップタイムは良さそうだが、結局は自分自身に集中し、自分のテストプログラムがあるので、他のライバル勢が何をしているかは分からない」
「我々は、我々のテストポイントにかなり重点を置き、特にロングランとロングラン・パフォーマンスに取り組むために、やりたいことについてかなり集中したテストプログラムを持っている」
このアップデートにより、当初のホモロゲーションサイクルのうちに車両に使用することが許可された5つのジョーカーのうち、最初のジョーカーとして認可されるかどうかと尋ねられたとき、ルースは「見てみよう」と答えた。
彼はさらに、「ジョーカーかどうかはまだ議論中なので、何とも言えない。クルマにはアップデートがあるが、それがジョーカーであるかどうかは分からない」と付け加えている。
LMDhとLMH(ル・マン・ハイパーカー)のマニュファクチャラーがジョーカー・アップデートを使用することに関して、統括団体の透明性を高めるよう求めてきたルースは、ダラーラをベースシャシーとするMハイブリッド V8のアップデートは、過去2~3カ月間テストされてきていると述べた。
彼は、ミシュランのタイヤテストに続いてバーレーンで行われたWEC世界耐久選手権後のテストに参加したチームWRTのBMWに、ジョーカーが搭載されていたことを認めている。
ルースはまた、FIAとACOフランス西部自動車クラブが提案している、シーズン中のジョーカー・アップデートを禁止するという新ルールは、1月のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権シーズン開幕戦であるデイトナ24時間レースに間に合うようにアップデートを導入するというBMWの決定には、影響を与えなかったと述べた。
「いや。結局、デイトナは我々にとってそもそも非常に重要なレースであり、クルマを最高の状態にし、最高のタイミングで使用したいので、最初のレースからアップデートを適用したかったのだ」と彼は説明した。
「それは(統括団体の)決定とは無関係だった」
BMWのアップデートが正式にジョーカーとして認められるのであれば、2年連続で963にサスペンション関連のアップデートを行っているポルシェ、そして最近になって2025シーズンに向けたジョーカー使用を認めたキャデラックに続く、ジョーカー投入LMDhマニュファクチャラーとなる。
同じLMDhメーカーであるアキュラ、アルピーヌ、ランボルギーニは、現在のところジョーカーの使用を公式に発表していない。
デイトナでの公式テストでは、フィリップ・エング、ロビン・フラインス、マルコ・ウィットマン、マックス・ヘッセという4人のドライバーが、チームRLLが運営する2台のBMWで周回を重ねたが、ルースは2025年シーズンの同チームのドライバーラインアップについては明言しなかった。
「計画では、今年中に確実に発表する予定だ」と彼は語った。
「これが目標だが、我々の側はすべて準備が整っている」
彼はまた、来年のWECとIMSA GTPのスケジュールが重なるのは1回だけであるため、BMWがキャデラックとポルシェに倣い、少なくともひとりのドライバーが両選手権でフルシーズンを戦う可能性があることを示唆している。
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