アウディからフォーミュラEに参戦しているダニエル・アプトは、フォーミュラEが開催しているバーチャルレースシリーズ『レース・アット・ホーム・チャレンジ』第5戦ベルリンで3位に入ったが、その際にプロのeスポーツ選手ロレンズ・ホージングに“替え玉”をさせていたことが発覚し、レースから失格となった上に10000ユーロ(約117万円)の罰金(慈善団体への寄付)を言い渡された。
さらに事態を重く見たアウディは、アプトを実際のフォーミュラEシリーズから“出場停止”とすることを発表した。motorsport.comの調べによると、名目上は出場停止となっているものの、実際にはフォーミュラEのシートを失うことになるようだ。
■フォーミュラEのバーチャル・レースで替え玉発覚。アプトに失格&罰金117万円
現在27歳のアプトは、フォーミュラE発足初年度の2014-2015シーズンからアウディの一員として参戦しており、以来全てのレースに出場。ルーカス・ディ・グラッシ(アウディ)、ジェローム・ダンブロシオ(マヒンドラ)、サム・バード(ヴァージン)と共にシリーズ“皆勤賞”を続けていた。その間アウディは、アプトと1年単位で契約を更新し続けていた。
アウディが発表した短い声明にはこう記されている。
「ダニエル・アプトは、5月23日に行なわれたレース・アット・ホーム・チャレンジ第5戦の予選と決勝において、彼自身でドライブをせずにプロのシムレーサーにドライブをさせた」
「彼は翌日これについて直接謝罪し、失格の裁定を受け入れた」
「誠実さや透明性、そしてコンプライアンス遵守は我々アウディにとって重要なことだ。これは我々のブランドが関連する全てのイベントに言えることだ。そのため、アウディ・スポーツはダニエル・アプトを直ちに出場停止とすることを決定した」
当事者であるアプトの声明でチームやファン、そしてイベントの参加者に謝罪の言葉を述べた。
「僕はそれを自分のすべきこととして真剣に受け止めていなかった。フォーミュラEの運営組織がこのイベントのためにどれくらい取り組んできたかを知っているので、本当に申し訳ないと思っている」
「僕のしたことは非常に後味の悪いことだと思っているが、決して悪意があったわけではない。もちろん、この失格という裁定を受け入れる」
フォーミュラEのシートを失うことが濃厚なアプトだが、その後任については、マラケシュePrix後に行なわれたルーキーテストにアウディから参加したマッティア・ドルディとケルビン・ファン・デル・リンデが候補となってくるだろう。
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