メルセデスSUV四兄弟の次男坊
GLEクラスは2015年にMクラスから名称変更されているが、元をたどれば1997年より20年以上カスタマーに提供されているミディアムクラスの高級SUVである。
弟分にはGLCとGLA、兄貴分にはGLSがあり、メルセデス・ベンツのSUVにおける中間のモデルである。
今回試乗したのは2019年6月に発表された、GLEとしては2代目のモデルだ。
グレードは400d 4MATIC Sports。これはラインナップの中でも、上位に位置するグレードということになる。
最上位モデルの450 4MATIC Sportsとこの400d 4MATIC Sportsには、トルク配分を素早く連続的に行う制御が搭載されているからだ。
静粛性の高いディーゼルエンジン
試乗コースは山間部のワインディングだ。本当は高速道路を走りたい気持ちもあったが時間の関係でそれは次回に取っておくこととして、今回は低中速を中心としたコースで感じた基本性能をお伝えしたい。
直列6気筒ディーゼルターボユニットは、エンジンを始動しても驚くほど静粛性に長けていた。
このOM656というエンジンユニットはSクラスにも搭載されている。
Dレンジからゆっくりと走り出す。ガソリンモデルのNAで例えるならば7L級のトルクだ。
しかもディーゼルエンジンは燃焼が安定しているために、踏み込んでからの加速への移行が素早い。
そこに新たな4MATICと合わせた9Gトロニックは、ゆとりをもったシフトポジションで5mに届かんばかりの全長と2mを超える全幅の大きな車体を、優雅にそして軽快に走らせる。
長距離ドライブを試してみたくなる乗り心地
AIRマテックサスペンションは、小さな振幅も大きなうねりもスムーズさを変えずに安定感をもたらす。
下り坂ではわかりにくいが、上り坂が続くツイスティーな道では、前後のサスペンションの協調性によって安定した乗り心地を実現している。
また、ステアリング操作をしたときのロールに対しても、路面とコンタクトをとることができていると感じた。
上り坂の場合は負荷を与えているので前後のトルク配分もコンスタントに可変し、ステアリングもナチュラルで操縦性に影響をきたさない。
この時のエンジンの粘りあるトルク特性は、回転を上げずにヒラヒラとゆとりある走り展開してくれるのだ。
ATも決してビジーにはならず、ホールドのままスロットルのコントロールで調整しながら走らせることができる。
これはドライビングを楽しむという部分においても、とてもいいパフォーマンスといえよう。
直列6気筒は振動面でのダイナミックバランスの基本性能が良質なことから、質の高い加速とクルージングを約束する。
これはきっと、長距離でもさぞ心地よいであろう。
GLEから降りてあらためてタイヤサイズを見ると、専用のAMG20インチホイールとミシュランのラティチュードスポーツ3というタイヤ の組み合わせだった。
これはブレーキ性能やハンドリング性能が引き上げられたラジアルタイヤだ。
しかしそれでいて、良好な乗り心地もしっかりと保持されている。
新型GLEは、スポーテーィでありながら快適性も兼ね備えたモデルであった。
文/松本英雄、写真/篠原晃一【試乗車 諸元・スペック表】●メルセデス・ベンツ GLE 400 d 4MATIC Sports型式3DA-167123最小回転半径5.6m駆動方式4WD全長×全幅×全高4.94m×2.02m×1.78mドア数5ホイールベース3mミッション9AT前トレッド/後トレッド1.68m/1.73mAI-SHIFT-室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m4WS-車両重量2390kgシート列数3最大積載量-kg乗車定員7名車両総重量-kgミッション位置コラム最低地上高0.2mマニュアルモード◯ 標準色ポーラーホワイトオプション色オブシディアンブラック、イリジウムシルバー、モハーベシルバー、カバンサイトブルー、ブリリアントブルー、エメラルドグリーン、セレナイトグレー、ダイヤモンドホワイト、ヒヤシンスレッド掲載コメント-型式3DA-167123駆動方式4WDドア数5ミッション9ATAI-SHIFT-4WS-標準色ポーラーホワイトオプション色オブシディアンブラック、イリジウムシルバー、モハーベシルバー、カバンサイトブルー、ブリリアントブルー、エメラルドグリーン、セレナイトグレー、ダイヤモンドホワイト、ヒヤシンスレッドシート列数3乗車定員7名ミッション位置コラムマニュアルモード◯最小回転半径5.6m全長×全幅×全高4.94m×2.02m×1.78mホイールベース3m前トレッド/後トレッド1.68m/1.73m室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m車両重量2390kg最大積載量-kg車両総重量-kg最低地上高0.2m掲載用コメント-エンジン型式656環境対策エンジン-種類直列6気筒DOHC使用燃料軽油過給器ターボ燃料タンク容量85リットル可変気筒装置-燃費(10.15モード)-km/L総排気量2925cc燃費(WLTCモード)11.1km/L└市街地:8.3km/L└郊外:10.6km/L└高速:13.7km/L燃費基準達成-最高出力330ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm700(71.4)/3200エンジン型式656種類直列6気筒DOHC過給器ターボ可変気筒装置-総排気量2925cc最高出力330ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm700(71.4)/3200環境対策エンジン-使用燃料軽油燃料タンク容量85リットル燃費(10.15モード)-km/L燃費(WLTCモード)11.1km/L└市街地:8.3km/L└郊外: 10.6km/L└高速: 13.7km/L燃費基準達成-自動車テクノロジーライター松本英雄自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
メルセデス・ベンツ GLE(現行型)の物件一覧はこちらメルセデス・ベンツ GLE(現行型)のカタログはこちら
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田舎や郊外暮らし限定の車だね