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メルセデスAMGの新型GT3は2025年に登場か。現行GT3エボの後継モデルを開発中

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メルセデスAMGの新型GT3は2025年に登場か。現行GT3エボの後継モデルを開発中

 メルセデスAMGは、2025年に『メルセデスAMG GT3エボ』に置き換わる新しいGT3モデルの開発を進めている。カスタマーレーシングの責任者であるステファン・ウェンドルは、“EVO仕様”で4年目のシーズンを戦っている現行車の後継モデルの開発に「非常に集中している」と語った。

 スリーポインテッド・スターを掲げるドイツメーカーのGT3プラットフォームは現在、グリッドでもっとも古いもののひとつに数えられており、2016年に先代がデビューした後、2020年に向けてアップデートが施されたエボモデルが登場した。

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■“エボ2”も検討された

 メルセデスAMG GT3と同エボモデルはデビュー以来、スパ24時間やニュルブルクリンク24時間、北米のデイトナ24時間、セブリング12時間レースなど世界の主要耐久レースで勝利を重ねてきた。

 ウェンドルによるとメルセデスAMGは、ライバルメーカーのアウディやランボルギーニ、フェラーリに倣い、エボモデルにさらなる改良を行う2度目のエボキットを投入し、現行車種のライフサイクルを延長することも検討したという。しかし、実際にはその手法は取らず新しいクルマが用意されるようだ。

「我々もそれについても考えたが、2020年にエボ化された現在のクルマにとどまり、一連のレギュレーションに対応する方が良いと考えた」と同氏は語った。

「私たちは後継モデルが市場に出るまでの間、顧客が我々と一緒に歩んでいけるよう可能な限りサポートをするつもりだ」

「私たちは現在、その後継車の開発に非常に集中しており内部的な進歩を遂げているが、それについて今の段階で言えることはない」

 現行のエボパッケージは2024年末までホモロゲーション期間が生きている。このことからメルセデスAMGの新型GT3が導入されるのは、早くても2025年になることが予想される。

 ウェンドルは、このクルマが周りのクルマと比べて古くなっているにもかかわらず、来年末に公認が切れるタイミングまで競争力を維持できることに「非常に自信を持っている」と付け加えた。

「私たちは後継モデルが現れた後、このクルマがどうなるかを考えている」とウェンドル。「パフォーマンスは(BoP:性能調整によって)バランスよく管理されている。あるスパンが過ぎればクルマは古めかしく、あるいはクラシックに見えるだろう。しかし、24時間レースで何度も優勝しているヘリテージを見ることができる」

「だから、次の世代のクルマが誕生したときでさえ、現行モデルが走っていることを期待しているんだ。私たちはこれまでに300台近く(のAMG GT3を)販売してきた。これは紛れもなくサクセスストーリーであり、この成功が(記録から)消え去ることはないだろう」

■WECに参戦してこなかったため不利に? メルセデスのLMGT3クラス参戦は不透明

 SROモータースポーツ・グループが運営する各地のGTワールドチャレンジやIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ、そしてIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTDクラスなどで成功を収めてきたメルセデスAMGだが、WEC世界耐久選手権が2024年に新設するLMGT3クラスで、ドイツメーカーのためのグリッドが用意されているかどうかは現時点で明らかになっていない。

 ウェンドルは、WECの新カテゴリーのエントリー割り当てがどのようになるかは分からないと語り、同世界選手権において「伝統のない」メルセデスは、他社に比べて不利な立場に立たされる可能性があると認めた。

 メルセデスがル・マン24時間レースで総合優勝を果たしたのは1952年までさかのぼる。その後、同ブランドはACOフランス西部自動車クラブが管轄するAsLMSアジアン・ル・マン・シリーズやミシュラン・ル・マン・カップでは活躍していたものの、1999年以降はフルワークスでのエントリーは行っていない。

「私たちは彼らとの関係をスタートさせ、各段階でコネクションを築きつつある。しかし、自信を示せるほど何かがあるわけではない」とウェンドル。

「だから、私たちはこのプラットフォームに乗るために丁寧に対応し、私たちのシステムの強みを活かそうとしている。ACOにとっても我々は魅力的なパートナーになるだろう。WECでの(各社)2台までのエントリー枠だけでなく、彼らの下位プラットフォームに加わる潜在的な顧客チームがたくさんいるためだ」

 ACOのピエール・フィヨン会長は今年6月、BMWやフェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェといったハイパーカークラスに参加しているメーカーにLMGT3エントリーの優先権を与えると述べた。その他のブランドは、WEC選考委員会から出場枠を確保することが参加条件となる。

「これは少なくとも(WECのフルグリッドである36~38台の内)14台のGT3マシンが出走するという仮定につながる」とウェンドルは語った。

「これは重要なことだ。多くのブランドが(決定を)待っている。フォード、アストンマーティン、マクラーレン、アウディ、そして私たち。さらにはホンダもあり得る。その6つすべてが同じように興味を持ち、カスタマーを連れてくると思う。それは間違いないだろう」

「もしも彼らがエントリーの枠を持っていたとしたら18、もしくは20、24……。これが、他メーカーのGT3カーが1台か2台が出場できる可能性のある枠の数であり、これが私の解釈だ」

「我々は(残る)22台のWECエントリーを確実に獲得するだろうと言うことはできない。私が理解した限りでは、WECはLMDhエントリーやLMHエントリーを制限するつもりはない。つまりLMGT3クラスの枠の数は、ハイパーカークラスのグリッドが確定するまで待つ必要があるということだ」

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