昭和は遠くなりにけり…だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。
打倒カローラの切り札が、このクーペだった
ダットサン サニークーペ:昭和43年(1968年)3月発売
小型車市場がブルーバードとコロナでほぼ二分されていた1966年(昭和41年)4月、新たに大衆車市場への進出を狙って発売されたのが初代B10系のサニー1000。
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当時、わが国が高度経済成長期にあって、この頃の日産はブルーバード、サニーなど、時代を反映した希望に満ちた車名に恵まれていた。サニーは停滞気味の800~1000ccクラスにスタンダードが41万円の低価格で登場。月販平均6000台はクラストップの人気車であった。車名はトヨタのパブリカと同様に一般から公募され、メーカーの予想を上回る約850万通も集まる。その中でサニーと書かれていたものは3000通を超えていたという。
そんなサニーはシンプルな内外装や低価格で滑り出しは好調だったが、同年の11月に「プラス100ccの余裕」をうたってカローラ1100が登場すると、逆に「シンプルすぎる内外装」などと叩かれて、後発のカローラに水をあけられた。
そこで1967年4月には従来の2ドアセダンに加え4ドアを追加、同時に4速フロアシフトのスポーツを設定した。さらに翌68年3月にはファストバックのクーペを発売する。クーペはセダンの発展型ながら、バランスの良いファストバックスタイルによるスポーティなイメージが好評であった。
エンジンはセダンと同じ4気筒OHV、988ccのA10型だが、最高出力は56psから60psにアップされていた。車重が675kgと軽く、パワー/ウエイト・レシオは11.25kg/psに収まっており、最高速は140km/h、ゼロヨン加速は18.4秒をマークした。
このクーペの設定で、サニーは再び人気を盛り返し、カローラとの激しくも互角のせり合いを続けることになった。
ダットサン サニークーペ 主要諸元
●全長×全幅×全高:3770×1445×1310mm
●ホイールベース:2280mm
●重量:675kg
●エンジン型式・種類:A10型・直4 OHV
●排気量:988cc
●最高出力:60ps/6000rpm
●最大トルク:8.2kgm/4000rpm
●トランスミッション:4速MT
●タイヤサイズ:5.50-12-4PR
●価格:50万円
[ アルバム : サニークーペ はオリジナルサイトでご覧ください ]
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