リア・デッキに移設されたもの
イタリアを襲った新型肺炎のパンデミックからフェラーリが立ち直ろうとしている。
【画像】SF90スパイダー試作車とSF90ストラダーレ 比べる【実車写真】 全83枚
同社の本拠、イタリアのマラネッロで、SF90ストラダーレのオープン仕様と思われる開発車両が撮影されたのだ。
「SF90スパイダー」の試作車は、車両全体にわたりカモフラージュを施されているが、クーペ・モデルのSF90ストラダーレと車体を共有することは判断できる。
それを裏付けるのが、ミドシップであることを物語る前寄りのキャビンと、「C」の形をしたヘッドライト。さらに、センター出しのエグゾースト・パイプの存在である。
興味深いのは、通信デバイス用アンテナの位置だ。SF90ストラダーレではルーフに装着されているが、今回の個体はリア・デッキに移設されている。
それこそがスパイダーの試作車であることのサインだろう。
フェラーリ史上最強のオープンカー
先ごろ日本に上陸した「812 GTS」、「F8スパイダー」というフェラーリの最新オープン・モデルは、いずれもクーペ仕様と同じパワートレインを搭載している。
このため、SF90ストラダーレとそのスパイダー仕様ではプラグイン・ハイブリッドAWDのドライブトレインに変更がないと考えられる。
つまり、カモフラージュされたボディの下には、V8ツインターボと3基のモーターが存在し、システム最高出力1000psを発揮することになる。
このスペックが実現すれば、812 GTS(800ps)、ラ フェラーリ・アペルタ(963ps)を上回る、跳ね馬史上もっともパワフルなオープン・モデルということになるわけだ。
年内に2モデル発表は困難か
パフォーマンス・スペックは、ルーフ開閉システムなどを搭載するために、わずかにペナルティが課せられることになる。
それでも0-100km/h加速は2.6秒前後で達成するだろう。
最高速度はおよそ338km/h、EV航続可能距離は25km、モーター走行時の最高速度は135km/hと予想される。
同社の幹部は「年内に2つの新モデルを発表する予定」としているが、フェラーリSF90スパイダーの初公開時期は明らかになっていない。
新型コロナウイルスが与えた経済活動への影響を考えると、2020年中にこのクルマがアンヴェールされる可能性は低いだろう。
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