今季のF1開幕2レースで、スタートのグリッド位置が左にズレていたフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)とエステバン・オコン(アルピーヌ)がペナルティを科されたことを受け、FIAは第3戦オーストラリアGPのグリッドボックス幅を拡大した。しかしアロンソは、これが根本的な解決にはならないと考えている。
オーストラリアGPに向けては、グリッドボックスの幅が20cm拡大され、ドライバーの目印となるようなガイダンスラインの試験導入も行なわれる。ただアロンソ曰く、そもそもグリッドに整列する際に視界が限られている上、第一にドライバーは前方にはみ出すことのできない黄色のラインの方に集中しなければならないと主張する。
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「そこは難しいところで、僕たちはこれ以上は前に飛び出せないという黄色のラインに集中している」とアロンソは言う。
「僕たちはグリッドボックスを注視しながらアプローチしているというよりは、コックピットの両端から見える景色を基にアプローチしている。だからけっこう気が散るんだ」
グリッドボックス中心に基準線が設けられることに効果があるかどうかについて尋ねられたアロンソは、こう話す。
「あの中央のライン? 僕はそうは思わない」
「なぜならさっきも言ったように、グリッドボックスには横を見ながらアプローチしていく。真正面を見ているわけじゃないんだ。そこは難しいと思うけど、20cm(幅が増えること)はまだ役に立ちそうだ」
「モナコやイモラだったり、少し横を向いてスタートすることになるサーキットもある。そういうところでどのようにペナルティが適応されるかは見ものだ」
アロンソと同じく、今季既にグリッド位置のズレでペナルティを受けているオコンは、今季はさらに違反者が増えるだろうと予測する。
「シートに座っていると何も見えないんだ」とオコンは言う。
「チームとは、できるだけ低いポジションで走れるように取り組んできたんだ」
「僕たちは(開幕戦で)明らかにルール違反をしていたから、ペナルティは当然だ。でも今年は間違いなくペナルティを受けるマシンが増えるだろうね」
また、ルーキーのローガン・サージェント(ウイリアムズ)は昨年までFIA F2に参戦していたドライバーだが、F3やF2のマシンと比べて、F1マシンは非常に視界が悪いと語る。
「F3やF2は全てが見渡せるし、イエローラインだって見える。(グリッドの)正しい位置にマシンを並べるのは簡単だ」
「僕がF1マシンでグリッドボックスに並んで初めて気付いたのは、何も見えないということ。ラインが何も見えないから、左右のウォールに目印を作って、どのくらい前に出られるかを確認しないといけない。だからかなり難しいし、苦労するのも無理はない」
そしてメルセデスのジョージ・ラッセルも、ドライバーが簡単に違反しやすいルールに対してFIAがこのような制裁を与えるのは厳しすぎるというスタンスをとった。
「信じられないほど厳しいと思う」とラッセルは言う。
「横にズレて5秒のペナルティというのは厳しすぎると思う。ラインにつくとき、僕たちは何も見えない。その難しさを考慮したペナルティにしないといけない」
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