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2021年F1アブダビの”一件”、マシの解任では解決せず。オペレーション構造の改善が必要

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2021年F1アブダビの”一件”、マシの解任では解決せず。オペレーション構造の改善が必要

 FIAは1月13日に、昨年のF1アブダビGP終盤のセーフティカー運用手順に関する調査の途中経過を発表した。この発表によれば、今後は諮問委員会や全F1ドライバーとも議論が行なわれる予定であるものの、最終的な分析結果は2月にF1委員会に提出され、3月18日に行なわれる世界モータースポーツ評議会(WMSC)で承認され、発表される予定であるとされている。

 つまり、2022年のF1開幕戦バーレーンGPの直前にならなければ、最終的な結果はわからないままになる可能性がある。

■物議醸した2021年F1最終戦、FIAが調査プロセスを公表。最終結論は3月バーレーン初日に公開

 ただ、最終的な調査結果を待たずに、明らかになる部分もあるかもしれない。そのひとつが、F1のレースディレクターを務めるマイケル・マシの去就だ。

 13日に明かされた調査の途中結果では、マシの将来については具体的には言及されていない。しかしシングルシーター・ディレクターのピーター・バイエルが「2022年シーズンに向けてFIA F1の組織を見直し、最適化するための提案」を行なうと記されており、組織構造が変更される可能性が示唆されている。

 ただこの変更は、単にマシの役割を別の人物に置き換えるということではなく、より広範囲の組織変更という形になるかもしれない。年間23戦にも及ぶF1の全てのレースで、ひとりの人物がレースディレクターを務め続けるのは、負担が大きすぎるという意見もある。そういう意味では、レースディレクターをサポートする人物を増やすという形では、解決とは言えないだろう。

 2021年のF1は、シーズン終盤に議論の元となったシーンがいくつかあった。前出のアブダビGPでの一件はもちろんのこと、ブラジルGPやサウジアラビアGPでも、タイトルを争ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とルイス・ハミルトン(メルセデス)の間で”事件”が起こり、その裁定については賛否両論渦巻いた。

 マシは2019年、急死した当時のレースディレクターであるチャーリー・ホワイティングの跡を受け、急遽後任に就任した。そして以後、パドックでは好感を持てる人物であるという評価だった。もしこのまま退任ということとなれば、その決定を残念に思う人も多いだろう。ただその一方で、アブダビGPでの印象が常につきまとうことになるだろう。

 FIAとしての課題のひとつは、マシの後任として最適な人物がいないことだ。しかもアブダビGPの一件は、マシがレギュレーションに反した決断をしたから起きたというわけでもない。つまり、F1レースのオペレーション方法を、再構築する必要性があるということとなろう。

 前任のホワイティングは、その役割を30年近くにわたって務めてきた人物だ。その経験を埋めるのは容易なことではない。年間のレース開催数が増え、時代の変化と共に様々な課題が生じていけば、その役職のストレスも、以前とは比べ物にならないほど大きくなっているはずだ。

 FIAとしては、今後に向けた検討を行なうためには、タイミングが重要になるだろう。レースのオペレーションを確実に実行できるようにすべく、ドライバーやチームと話し合うなど、関係者が再びパドックに集結するまでに、いくつかのステップを確実に進めておくことが重要である。

 今FIAが直面しているのは、アブダビでの一件で失ったかもしれない、ドライバーやチーム、そしてファンからの信頼を取り戻すことだ。マシの去就、そしてF1レースオペレーション構造を再編することは、そのために重要なこととなるだろう。

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