プロシリーズの開幕戦を制したディフェンディングチャンピオン、井口卓人(Team Takuty)。その足元には今年もBBSのRI‐Aが装着されている。
このホイールは、スーパーGTのGT500に投入されているホイールと同一の思想と造形で作られた、究極のレーシングスペック。
ジョーカー投入。4輪駆動勢と戦うためにBBSがタイプR用に新サイズをラインアップ/富士24時間
タイヤの性能を引き出す強靭性を重視し、さらに、タイヤとホイールの空転を抑制するアンチスリップペイントや、脱着時にナット穴を傷めないようスチール製ブッシュも採用されている。
過酷なレースシーンでの使用を前提に設計されている点も、エントラントの信頼を集める大きな理由のひとつだ。
「昨年は決勝の安定感に強みがありましたが、今年は予選で一発のスピードを求めるセッティングを意識しています。そのためにはタイヤとホイールの相性が非常に重要ですが、今年の新しいブリヂストンのタイヤとRI‐Aのマッチングがすごく合っていて、狙いどおりの動きになっています」(井口)
その言葉を証明するかのように、井口は開幕戦の予選においてブリヂストン勢のトップタイムをマーク。決勝では狙いすましたオーバーテイクを見せ、トップチェッカー。2年連続チャンピオンに向け、好スタートを切った。
また、元嶋佑弥(DTEC TEAM MASTER ONE)もRI‐Aを使用する強豪ドライバー。決勝ではRI‐Aの良さが顕著になるという。
「ホイールの放熱性がいいので、決勝でのタイヤの熱ダレが少ないように感じます。ライバルに対して決勝中のペースがいいのも、そのあたりが影響していると思っています。夏場のもっと暑い時期はさらにアドバンテージがあるはずです」(元嶋)
また、元嶋を走らせるチームの横田浩之監督はRI‐Aを使う理由として強度と精度の高さをあげる。
「SUGOのS字コーナーのような高い縁石に飛び乗ると、インナーリムが曲がったり割れたりすることがありますが、RI‐Aにはそういったことはありません。ブリヂストンのタイヤに組み付けると、バランスウエイトが不要なほど精度が高いことも、RI‐Aを選ぶ理由です」(横田)
ホイールがいくら優れていてもバランスウエイトで重くなってしまっては元も子もない。クルマづくりを担う横田からすれば、ドライバーが不安なく走れる強度が確認できれば、数グラムでもバネ下を軽くしたいもの。
実際の効果はともかく、ドライバーを送り出すチーム監督の心情は非常に理解できる。余談だが、横田は所属するGRガレージマスターワン東名川崎で実際にRI‐Aを販売し、自身の経験をユーザーに伝えている。
3人のコメントは内容こそ異なるが、BBSに全幅の信頼を寄せていることが伝わってきた。RI‐Aはプロシリーズの頂点を狙ううえで、必要な性能要件を満たしたホイール。何よりも井口の開幕戦優勝と昨年のチャンピオン獲得がそれを物語っている。
■#1 東京スバル BS BRZ 井口卓人
スーパーGTやニュル24時間など、井口のレース活動と縁深いBBS。RI-Aのカラーリングは昨年同様、マットブロンズだ。
■井口卓人
「新しいブリヂストンタイヤとRI-Aのマッチングがよく、タイヤのウォームアップが早くなりました。今シーズンは予選の速さを求めているので良い方向になっています」
■#98 神奈川トヨタ☆DTEC GR86 元嶋佑弥
元嶋のRI-Aはダイヤモンドシルバー。DTEC TEAM MASTER ONEとBBSのレースでの付き合いは長く、86/BRZ Race時から続いている。
■元嶋佑弥
「ホイールの剛性は高すぎてもタイヤの負荷が大きくなって熱ダレを早めてしまいますが、RI-Aは今年のブリヂストンタイヤの特性に対してちょうどいいバランスになっています」
BBSジャパン https://bbs-japan.co.jp
TEL 03-6402-3957
2024年6月29日発売 autosport No.1598より転載
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数少ないアドバンテージ」だもの