■冬に履くタイヤはスタッドレスだけじゃない、増えてきたオールシーズンの存在
毎年、10月、11月になると、冬に向けてタイヤの交換の時期がやってきます。冬用のタイヤと言えばやはりスタッドレスタイヤが主流ですが、そもそもスタッドレスタイヤを履く必要があるのでしょうか。
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スタッドレスタイヤはスノータイヤの一種で、前身はスパイクタイヤと呼ばれるものでした。そのスパイクタイヤに打ち込まれている金属の鋲(スタッド)を取り除いたタイヤが、すなわち「スタッドレスタイヤ」です。このタイヤは主に、凍結した路面や、雪道での走行を想定しているため、降雪の多い地域では冬のマストアイテムとなっています。
降雪の少ない地域でも冬になると年に数回は雪が降ることがありますが、首都圏などのニュースで高速道路に雪が積もり「冬用タイヤ規制」が行われ、多くの車が通行を禁止されてしまっている光景を見る機会があります。
この場合、夏用タイヤであればチェーンを装着する必要がありますが、スタッドレスタイヤなどの許可されたタイヤであれば通行することが可能です。
また、一般道でも、積雪や道路の凍結がありそうな場合、夏用タイヤでの走行は事故の原因になるため、車での外出を諦めてしまうドライバーも多いのではないでしょうか。
しかし、こうした場合を除けば、積雪に見舞われるのは年に数回、そのためだけにスタッドレスタイヤに履き替えるのは時間も手間も掛かります。特にマンションなどに住んでいる方であればタイヤの保管場所にも困りますし、そもそも、夏用タイヤと冬用タイヤを別々に用意するのは難しいです。
最近、「オールシーズンタイヤ」という言葉を目にする機会が増えてきました。別名は「4シーズンタイヤ」で、その名の通り「春夏秋冬」1年を通し、どのシーズンにおいても走行できるタイヤです。
最近では、オールシーズンタイヤを扱っているブランドも増えています。ミシュラン、コンチネンタル、グッドイヤー、ピレリ、ファルケンといったブランドや、近年流行のアジアンタイヤも含めてラインナップは豊富で、選択肢の幅が広がってきています。
■スタッドレスとオールシーズンタイヤ、なにが違う?
そこで、スタッドレスタイヤとオールシーズンタイヤのどちらも力を入れている日本グッドイヤーに、それぞれの違いや使い分けについて伺ってみました。
──オールシーズンタイヤは、どのような特徴がありますか。
名前が示すとおり、四季を通じて一年中履けるタイヤです。ウェットであっても、ドライであっても、雪道であっても走ることが可能です。氷上ではスタッドレスタイヤに比べると性能は劣ります。
また、夏用タイヤと比べるとなると、ドライの路面状況でどのくらいもつのかを気にする方が多いと思います。オールシーズンタイヤは、ほぼ夏用タイヤと同じくらい、あるいは、運転のしかたによってはそれ以上もつこともあります。
──オールシーズンタイヤは、どのような方におすすめですか。
特に、非降雪地域にお住いの方です。例えば、関東、東海、関西、山陽、九州などといった、年に数回の雪が降るような地域の方々で、わざわざそのためにスタッドレスタイヤに履き替えることや、チェーンを巻く事が面倒であるとか、あるいは、運転する事を諦めてしまうような方に向けて、オールシーズンタイヤを推奨しています。
※ ※ ※
グッドイヤーと共に、大手タイヤメーカーである「ミシュラン」も2018年の春からオールシーズンタイヤを国内市場に導入しましたが、ここではグッドイヤーと同様に、ミシュランのオールシーズン及びスタッドレスタイヤに対する考え方をうかがってみました。
──非降雪地域でスタッドレスタイヤを選択した場合に気をつける点はありますか。
お客様それぞれの運転環境や使用方法、各メーカーの特徴もあるので一概には言えませんが、一般的にスタッドレスタイヤは、氷上・雪上において最大のパフォーマンスを発揮するようコンパウンド・サイプ等が設計されているため、剛性面やドライ・ウェット路面での性能では夏タイヤに及ばない場合もあります。
そのため特に氷上・雪上以外での走行が多いと予想される非降雪地域においてはそのようなタイヤの特徴の違いをよく認識していただき、安全マージンを多くとった運転を心がけて頂ければと思います。
──オールシーズンタイヤに対する注意点を教えて下さい。
ミシュラン製のオールシーズンタイヤもアイス性能までカバーするパーフェクトなタイヤではありませんが、従来のオールシーズンと比べて性能は進化しており、現代の気候や使用状況にあったユーザー様にはご満足いただけるよう性能を向上させた製品となっています。
まずはお客様ご自身の使用状況をよく整理したうえで、安全性を第一に考え、必要であればスタッドレスタイヤも選択肢に入れつつ、最適なタイヤ選択をしていただくうえでこのオールシーズンタイヤも選択肢の一つとして考慮頂ければと考えています。
※ ※ ※
四季を通して走行することが可能なオールシーズンタイヤですが、凍結した道路での走行ではやはりスタッドレスタイヤに軍配が上がります。タイヤメーカーが言うように、走行する地域、ライフスタイルを踏まえた上で最適なタイヤを選んでみてはいかがでしょうか。
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