かつて、メルセデス・ベンツといえば大きな高級車、というイメージが強かったが、現在ではAクラスやBクラスをはじめ、小型車のバリエーションも増えた。そんなメルセデス・ベンツの小型車の歴史を何回かに分けて振り返ってみたい。
RRとFF、両方の実用化を目指したメルセデス・ベンツ
1930年代にダイムラー・ベンツ社が送り出した野心的なRR(リアエンジン リアドライブ)の小型車は、短期間で廃止となってしまった。そのいっぽうで、メルセデスはFF(フロントエンジン フロントドライブ)の小型車も世に送り出そうとしていた。
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1930年代は、小型車の設計に革命が起き始めた時代で、RRとFFが、合理的な設計として注目された。ドイツ自動車産業の総本山ともいうべきダイムラー・ベンツ社は、そのとき両方の設計方式を実用化しようとしていたのだった。
RR車の開発を推進したのは、元ベンツ社の技術部長であったハンス・ニーベル技師だった。ポルシェ博士は元ダイムラー社の技術部長で、1926年に合併したダイムラー・ベンツ社の技術部長に就任したが、ポルシェ博士が退社したためにニーベルが1929年に後任の座につき、長く手がけていたRR車を実用化させたのだった。ところが1934年にニーベルが急逝。ベンツ社出身の技術陣を中心に170Hが開発されたが、そのいっぽうで、新たな優秀な人材がダイムラー・ベンツ社に招かれた。
それがFF車開発を推進するハンス・グスタフ・レール技師である。彼はそれまでアードラー社で、トルンプやトルンプ・ユニオールというFF車を設計した実績があった。これらアードラーのFF車は、先進的な設計が高く評価されていた。
当然ながらレールはRRに対して好意的ではなかった。実績を持つレールは、天下のダイムラー・ベンツ社の技術陣に対してもひるまず、さっそくFFの小型車の開発を手がけることになった。
FF車は3車種が計画されていた。いちばん小さい小型車が130VB、中型車が190VB、さらに上級車種として260VBが計画された。これは、現在に至るまで大量生産の常套手段というべきモジュラー方式で計画されたもので、エンジンは水冷の水平対向エンジンだったが、130VBが4気筒1.3L、190VBがそれに2気筒を足した6気筒の1.9L、260VBは8気筒の2.6Lという具合だった。
こういった方式は、近代的なFFの先駆者として脚光を浴びた、同時代のシトロエン・トラクシオンアヴァンでも計画されていたもので、FFということも含めて先進的で合理的な開発といえた。メルセデスのFFは、全長の短い水平対向エンジンを採用しており、この点ではシトロエンより合理的で、さすがはドイツのトップメーカーだけのことはあった。
とくに130VBは開発が進んで、試作車が18台ほどがつくられた。ところが、なんとレール技師も1937年に急逝してしまう。これによって意欲的なFF車計画はお蔵入りとなってしまうのだった。
FF車計画が中止になった背景には、RR車の廃止と同じで、同時期に投入された170Vが異例な成功を収めたということもあった。これによってダイムラー・ベンツの経営陣は、1939年に、まだ生産が続いていたRRの170Hも廃止し、今後は再び中級以上の車種に徹する決定をくだした。駆動方式は保守的なFRが堅持されることになった。さらに、この決断の背景には、前にも書いたとおり国家計画でつくられる予定の小型車「フォルクスワーゲン」の存在もあった。(文:武田 隆/写真:メルセデス・ベンツ)
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