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どれが好き? クルマ業界のブーム 35選 前編 実用的なアイデアと見た目だけのもの

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どれが好き? クルマ業界のブーム 35選 前編 実用的なアイデアと見た目だけのもの

クルマの世界の流行り廃り

外装デザインからグリルガードまで、クルマの世界にはさまざまな流行があった。ファッションとして広く浸透することもあれば、あっという間に見られなくなったものもある。

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実用性重視、ジョーク、おしゃれ目的……数えればキリがないが、今回取り上げるトピックのうちのいくつかは今も存続している。

マットペイント

マットペイントは、レーダー波を反射せずに吸収することでステルス性を高めるものとして、何十年も前から軍事利用されてきた。最近では市販車にも採用されているが、人目を引くのが目的という点では軍用と対照的だ。

BMWとフォードは、第2世代のフォーカスRSとE90型M3にそれぞれ特別仕様車を設定し、マットペイントの流行にいち早く乗り出した。BMWは、「フローズン・エディション」車にこの塗装を採用したが、洗車するだけで仕上がりが損なわれてしまうため、手入れが難しいことが判明した。また、鳥の糞をすぐに取り除かなければならないという問題もある。こうした煩わしさから、主流になることはないだろう。

スピナーホイール

スピナーホイールは、米西海岸のカスタムカー文化の中で生まれたもので、停車していても動いているように見せることができる。内側のホイールが止まっていても、外側のローターが回転し続けるのだ。

多くの流行がそうであるように、一時的に脚光を浴びただけで自然消滅してしまったのは、これに代わる別の流行が登場したからである。停車中のクルマが動いているように見えてしまうことや、高速走行時にスピナーが外れる可能性があることなどから、安全性を指摘する声もあった。

モータースポーツ風のウイング

モータースポーツの黎明期から、多くのメーカーがレーシングカー・スタイルを量産車に取り入れてきた。その中でも、モータースポーツ風のリアウイングは永遠のトレンドとなっている。レーシングカーのウイングが大型化・複雑化したのに伴い、アフターマーケットで販売されるものも多様化してきている。

ダウンフォースとエアフローを最適化するために入念に設計されたレース用ウィングと、一般的なホットハッチの後部に取り付けられているものとでは、大きな違いがある。ランボルギーニ・カウンタックに導入されたリアウイングもそうだったが、後者はほとんど重量と空気抵抗を増やすだけである。

CBラジオ

市民ラジオが全盛だった1970~80年代、海外の子供の会話は「ブレーカー、ブレーカー・ワン・ナイン」で始まることが多かった。この流行は、「コンボイ」や「トランザム7000」など、トラック輸送を題材にした映画から生まれたものである。米国の大型トラックドライバーのスラングという神秘的な世界が人気を呼び、突然、乗用車のオーナーが参加するようになったのだ。

1990年代に入って手頃な価格の携帯電話が登場したことで、車載のCBラジオは廃れていったが、多くのトラックドライバーは便利なコミュニケーション手段としてCBラジオを使い続けた。

シザーズドア

1980年代のモーターショーでは、ランボルギーニ風のシザードアを装備した特注の高級車が発表されることが多かった。平凡なハッチバックからロールス・ロイスまで、成功の度合いや技術的な完成度はさまざまだが、シザーズドアへの改造も人気だった。

今でも改造キットを販売している会社はあるが、2000年代半ばの改造車シーンの衰退とともに、その傾向は薄れていった。

4×4のサスペンションリフト

世界がクロスオーバーを求めるようになるずっと前から、4×4はオフロード走行のためのものだった。グラウンドクリアランス(最低地上高)を大きくする必要があったため、サスペンションの「リフトアップ」が開発された。車体を持ち上げ、過酷な状況下でもタイヤとアクスルのクリアランスを確保できるようにしたのだ。

一般道しか走らない4×4ドライバーもこの外観を気に入り、1980年代にはピックアップから高級SUVまで、乗り込むのに脚立が必要なほど高い位置に座ることが当たり前になった。このトレンドの究極形態は、オフロードショーで巨大なジャンプ台の上でレースしたり、クルマを踏み潰したりして観客を楽しませるモンスタートラックだ。

車高短とワイド化

幅広のトレッドの上に、低く座るスタイルは、ハンドリングとグリップを向上させたいという願望から生まれたものだ。見た目はドリフトカーと共通しているが、機能よりも見た目を重視した独自のスタイルを確立している。

日本でドリフトが違法なスポーツとして始まったこともあり、世界でも日本車をベースに改造するケースが多い。今や世界中に広まり、タイヤをホイールリムの幅いっぱいに伸ばすなど多くのサブセクションが生まれている。

ゴールドバッジ

金メッキ、あるいは純金のバッジで自分のクルマを差別化しようとするオーナーは昔から存在した。やがてレクサスがゴールドバッジを装着し始めたことで、ボンネットやトランク、ドアにキラキラと輝く装飾品を付けたクルマが続々と登場した。狙いは、さりげなく高級感を演出すること。しかし、その効果はいささか露骨で粗野なものとなった。

マクラーレンはスピードテールに18金ホワイトゴールドのバッジ(オプション)を付けて、オリジナリティを強調した。ガソリンスタンドで他のスピードテールと遭遇したくない場合は、プラチナにすることも可能だ。

テールフィン

テールフィンをスタイリングに取り入れたのは、GMのチーフデザイナー、ハーレー・アール(1893~1969)の功績が大きいが、後輩のフランクリン・クイック・ハーシー(1907~1997)の功績と考える人も多い。いずれにしても、テールフィンは1948年のキャデラックに小さく登場したのを皮切りに、1950年代にかけてあらゆる米国車で急速に大きく、目立つようになっていった。

テールフィンは世界中で取り入れられ、1959年のキャデラック・エルドラドで見た目的にも流行的にもピークに達した。1960年代に入ると、テールフィンは古臭いイメージが強くなり、もっと実用的なデザインが好まれるようになったこともあって消えていった。

外装ウッドパネル

1950年代までクルマのボディには木材が多用されていたため、外装に木材がむき出しになっているものが多く見られた。米国では「ウッディ」と呼ばれるこれらのクルマに触発されて、多くの米国メーカーがウッドパネルを採用。退屈なステーションワゴンに豪華さを加えたのである。

しかし、1980年代にミニバンが登場すると徐々に需要は減り、クライスラーのPTクルーザーがプラスチック製のウッド調パネルを採用したのを最後に、このトレンドは終わりを告げた。

大口径マフラー

競技車両のマフラーが大きいのは、パワーを最大限に発揮するために排気ガスをエンジンから素早く排出する必要があるという、単純な理由がある。量産車にこのサイズのマフラーを装備すると、通常は反社会的な音量にしかならない。

1960年代にアフターマーケットでのチューニングが定着して以来、大型のマフラーは、より速く走る人たちの特徴となっている。パフォーマンスが向上したような印象を与えるかもしれないが、競技車両のようにエンジンを改造していないと逆効果となり、結果的にパワーが低下してしまう場合が多い。

ライトのスモーク化

スモークのかかったライトは、アグレッシブな印象を与えるものとして、長年にわたりドレスアップの定番となっている。しかし実際には、ほとんどのケースで照度や視界が悪くなってしまう。

プロが作った薄い色合いのスモークならいいのだが、黒タイツでライトを覆ったり、家庭用塗料で黒く塗ったりと、DIYで暗くするのはあまり良い方法とは言えない。ライトがはっきりと見えないと、違反になる可能性もある。

プライバシーガラス

今に始まったことではないが、さまざまな色のプライバシーガラスが新車時から取り付けられている。ほとんどの国では、プライバシーガラスはリアにのみ使用できる。日差しや他人の目を避けることができるが、ドライバーの視界を最大限に確保するためにフロントはクリアなままにしておかなければならない。

色付きのガラスをつける流行は1990年代にピークに達した。ガラス面に残された波紋や気泡は、オーナーの努力の結晶である。どうしてもアフターマーケットのプライバシーガラスが欲しい場合は、プロに依頼してスムーズかつ安全に施工してもらおう。

グリルガード

グリルガード(ブルバーやカンガルーバーとも)は、4輪駆動車が都市生活に浸透していた頃の常套句だった。しかし、時代が進むにつれSUVが進化し、グリルガードは1990年代の終わりには影を潜め、オフロードでのドライブに必要な人だけが持つようになった。

クルマの安全性に対する意識の高まりと、グリルガードが歩行者と衝突したときの危険性が相まって、歴史のゴミ箱へと消えていったのだ。英国では、グリルガードを装着したクルマの運転は違法ではないものの、運輸省は推奨していない。日本でも保安基準に適合したものであれば車検に通る。最近のおしゃれなSUVに似合うかどうかは別の話。

スポットライト

スポットライトは何十年も前から注目されており、1960年代の英国ではモッズカルチャーのスクーター(ライトやミラーなどでデコレーションしたもの)で人気を博した。クルマでは、ラリーの夜間走行からトレンドが始まった。自動車メーカーはすぐにこの需要に着目し、多くのモデルにスポットライトをオプションとして設定した。

1990年代に入ると、ヘッドライトの技術が発達し、スポットライトの需要は減っていった。しかし、オフロードを走る人たちは、夜間の視界を確保するためにLEDライトバーを装備することがある。北欧の国々では、冬の長く暗い日に対抗するために、大型で強力なスポットライトを装備したクルマを今でもよく見かける。

アンダーネオン

ネオンの光と同様に、この流行自体も一時的なもので、今ではすっかり消えつつある。自分をアピールするための手段としては珍しいことに、安い小型車から高級なスーパーカーへと流行が伝播していった。

クリスマスシーズンの夜の都心には映えるかもしれない。中には、クリスマスツリーよりも多くのライトで内装を飾っている人もいる。

シートベルト・ストラップ

モータースポーツに影響を受けたこのアクセサリーは、ありがたいことに、今では忘れ去られてしまったようだ。レーシングドライバーが衝突時に荷重を分散させるために幅広のセーフティ・ストラップを使用しているのに対し、この市販の付属品は何の役にも立たない。

高級感のあるシートベルトパッドを好む人のために、レザーやフェイクファー、シープスキンなどの素材も用意されている。

ローリングコール

ローリングコール(Rolling coal)は、米国のディーゼルトラックが黒煙を吐き出すことから付けられた名称である。この流行の背景にある考え方については、「Prius repellent」という呼び方の方が理解しやすいかもしれない。トヨタ・プリウスに代表されるような「エコカー」に対して、ディーゼルの黒煙をふきかける行為のことだ。

クルマ社会の米国では、クリーンで環境に優しいクルマに抵抗を示すドライバーがおり、ディーゼル・パティキュレート・フィルターを取り除いたり、スモーク・スタックを取り付けたりしてピックアップトラックを改造することが、この文化的流行の一部となっている。

多くの州では、工場出荷時の標準状態よりも多くの煙を出すように改造された車両やローリングコールを法律で禁止している。それでも、これらのピックアップトラックのオーナーは、ハイブリッド車やEVをに煤煙で嫌がらせすることを止められないのだ。

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みんなのコメント

15件
  • テールフィン大好きです。1950年代~60年代のアメ車いいですね。テールフィンの車に乗りたかったけど
    お金が無くて、VWのtype3に乗ってました。
    国産ではスーパー6が小振りなフィンが付いてたましたね。
  • 写真のキャデラック・エルドラド。これで2ドアなんだぜ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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