新型アイゴ クロスオーバースタイルで
text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)
【画像】トヨタ・アイゴ 現行と先代モデル【比べる】 全88枚
トヨタは、新世代のアイゴでAセグメントをあきらめる他のメーカーのシェアを奪いたいと考えている。
次のアイゴは、SUVにヒントを得たスタイリングとなる可能性がある。
トヨタ・ヨーロッパのエグゼクティブバイスプレジデントであるマット・ハリソンは、先日行われたトヨタの新型車ヤリスの発表に際し、AUTOCARに語った。
現在のアイゴは「われわれにとって利益を生むもの」であり、それはライバルであるフォルクスワーゲン・グループやPSAグループには当てはまらないものだという。
「アイゴには多くの注目する点があります」とハリソンはいう。
「年間10万台を販売しています。独自の個性を持っており、若いユーザーが関心を持つ車で、ブランドのエントリーモデルです」
「他のメーカーはAセグメントにおいてビジネスを成功させることができず、電動化への対応により、さらに厳しくなると考えている。しかし、わたしたちはそれをチャンスだと見ている」
ハリソンのコメントは、他の自動車会社では聞かれないものである。
Aセグメントの小型車は、利幅が極端に薄いことと、2021年の燃費規制をクリアするためにコストをかけて電動化対応を行う必要があり、厳しい状況を迎えている。
「ハイブリッド戦略により、わたし達は2021年のCO2排出規制を達成できるだろう」とハリソンはいう。
「多くのメーカーが、ハイブリッド車を持たず、規制をクリアできなかった場合は多額の罰金を支払うことになるため、その対応に追われている」
小型EVの登場はまだ先
ハリソンは、EVが小型車セグメントの主流になるには「利益を生むまでにいたっていない」ことを認めた。
「テクノロジーとビジネスが成熟し、消費者の需要がどこにシフトしているかを見るには、もう少し時間がかかるだろう」とハリソンはコメントしている。
このことは、トヨタが次世代のアイゴを開発していることを示している。
次のアイゴは、まず小型軽量で低コストのガソリンエンジンを搭載して発売されると予想されている。
ハリソンは以前、最新の消費者トレンドを利用するために「伝統的でないボディスタイル」を取り入れることをほのめかしていた。
街や都市においては、地上高と着座位置を高くすることが求められており、クロスオーバースタイルが採用される可能性が高い。
現行のアイゴのモデルライフが長いことを考えると、少なくとも2021年か2022年まではニューモデルの発表はないと思われる。
トヨタは、2025年までに全世界で100万台のEVを販売する計画だが、電動化のための費用がかさむことを考えると、低価格の小型EVが登場するのはまだ先の話だ。
「小型車セグメントでは、手頃な価格設定が求められます」とハリソンはいう。
「EVが最適だとは思えません。プジョー208EVの価格は、Bセグメントの価格をはるかに超えており、手頃な価格というお客様の要望に合いません」
トヨタのアイコン
ハリソンは、2021年までにヨーロッパで3つのEVモデルが発売され、2025年までにはそれ以上になっているだろうとコメントした。
市場の変化にもかかわらず、ハリソンはランドクルーザー、スープラ、GT86のようなニッチなモデルの将来に楽観的だ。
次世代のGT86はスバルとの共同開発を行い、ヨーロッパへ導入する予定があることを認めた。
ハリソンはいう。
「当社の総合的なハイブリッド戦略は非常に強力であり、それによってCO2排出量の多い車を作ることができます。ランドクルーザーは、トヨタの製品ラインナップと伝統において重要なモデルです。当社のアイコンであり、それは他のクルマにも当てはめることができます」
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みんなのコメント
対抗馬としてトゥインゴとスマートがある。
ただし、今の国内外の車種のリストラから、新PF構築と電動化へシフトした大変革中の
トヨタにはニューモデル投入へ回す余裕は無い。
Aセグ対応として、Bセグ末弟のヤリス(ヤリス・ヤリスクロス)がけん引しているのが現状。