レギュラーシーズンも大詰めとなった2024年NASCARカップシリーズ第25戦『Coke Zero Sugar 400(コークゼロ・シュガー400)』を前に、今季より北米ストックカーの3大ナショナルシリーズでの武者修行に挑んでいる豪州“3冠”王者のSVGことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンが、来季カップへの正式昇格を発表。ロス・チャスティンの1号車、ダニエル・スアレスの99号車と並び、アメリカ挑戦への活路を開いたトラックハウス・レーシングチームの88号車シボレー・カマロZL1で“約束どおり”最高峰でのフルタイム参戦に臨む。
言わずと知れたRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップの王者として、昨季2023年に鳴り物入りでゲスト参戦を果たしたSVGは、レギュラー陣を含め誰にとっても初挑戦となったシカゴ市街地のストリート戦で、いきなりのデビューウインを達成。初代シカゴ・ウイナーの栄冠を獲得した活躍を契機に、今季2024年はオーバルでの実績を積み重ねるべくNASCARエクスフィニティ・シリーズにカウリグ・レーシングとのジョイントでフル参戦している。
NASCAR恒例の開幕前エキシビジョン『ザ・クラッシュ』2025年大会は、1971年以来のボウマングレイで開催
「これは僕自身が計画していたことで、準備はできているよ」と、その渡米時にはRSCでの所属先であるレッドブル・アンポル・レーシングとの契約が1年残っていたにも関わらず、円満にストックカー転向を果たしていた35歳の豪州チャンピオン。
「この先、厳しい学習曲線があることはわかっているが、学ぶための最良の方法は実際に外に出てやってみることさ。今季はカウリグ・レーシングとともにエクスフィニティ・シリーズを走って進歩したと感じているし、サポートしてくれた皆には感謝してもし切れないよ。だからこそ、来季のカップシリーズを楽しみにしている。ドライバーとチームは世界最高だ。彼らとのレースに参加できることは光栄だよ」
そのSVG昇格に向け、来季のカップで3台目のクルマを走らせるチャーター(参戦枠)を獲得したトラックハウス・レーシングは、改めてニュージーランド出身の“kiwi”に対し、豪州時代の古巣で僚友が付けていた馴染み深いカーナンバーを取得した。
「これはトラックハウス・レーシングやシェーン自身、そしてシボレーのみならず世界中のレースファンにとっても、多くの意味を持つ重要な日になった」と語るのは、チーム代表を務めるジャスティン・マークス。
「これは我々の組織にとって重要なステップであり、過去数年間の懸命な努力と成功により、2025年にカップチームを3台体制に拡充できたトラックハウス・レーシングに属する男女全員の功績でもあるんだ」
「これはニュージーランドから移り住み、ここトラックハウスでチャンスを掴み、今や世界でもっとも競争の激しいストックカー・シリーズに参加するシェーンにとっても大きなステップアップになる。来季はモータースポーツファンの誰もが、世界のレーシング・スーパースターのひとりが、NASCARカップシリーズで競い合うのを見ることができるだろう」
■改めて決意を語るSVG。オーバルを「すぐにでも制覇したい」
今季もエクスフィニティでの活動と並行し、カップ6戦への出場を予定していたSVGは、すでにCOTA、タラデガ、シャーロット、そして2年目のシカゴ市街地に出場。さらに先週末のデイトナ(アクシデントでリタイア)を含め、スケジュールに5つのイベントを追加することで、NASCARでの初のフルシーズンを締め括る忙しいレースウイークが続くことも決まった。
「カウリグ・レーシングでカップ戦とエクスフィニティの双方に出場するのは、皆にとっても忙しい状況になるだろうが、僕はレースを観戦するためにアメリカに来たわけではないからね」と続けたSVG。「そう、レースを戦うためにここへ来たんだ」
そんなSVGは、すでにエクスフィニティのレギュラーシーズンで3勝を飾っており、同チームのゲスト車両でもある16号車カマロZL1でも、カップの優勝戦線に絡む走りを披露している。
「アメリカに来たとき、ダーリントンがもっとも厳しいコースだと聞いた。そのことに異論はないが、すぐにこの場所が大好きになったよ」と、その9月初旬のダーリントンを皮切りに、アトランタ、ワトキンス・グレン、タラデガ、ラスベガス、そしてマーティンズヴィルと、重要なポストシーズンのチャンピオンシップへ“出演”することが決まったSVG。
「ドライブするのはとても楽しいし、アトランタでも是非カップカーに乗ってみたいね。このアトランタに関しては、エクスフィニティでもたった2回目の出場で3位表彰台に立ててちょっとクレイジーだった(笑)。今では経験もずっと増えたはずで、毎週コースに行くのが本当に楽しいんだ」
このアナウンスにより、同チームとの契約配下でスパイア・モータースポーツの71号車をドライブしていたゼイン・スミスの放出も発表され、そのスミスのクルーチーフを務めていたスティーブン・ドランが、新たにSVGの88号車を担当する。
「今季は僕にとって多くの学びを得られたが、すべての瞬間を楽しんできた」と、改めて決意を語ったSVG。
「NASCARのエクスフィニティでもチャンピオンシップを競い、カップシリーズでトップクラスの選手たちと競うチャンスを得るのはとても楽しい。僕にとってロードコースは通常の勝負になるが、オーバルはつねにチャレンジであり、すぐにでも制覇したいと思っている。まずは今季のポストシーズンが楽しみだよ」
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