現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【一般道にフィットするカレラ】ポルシェ911 英国のA911号とB992号を走る 前編

ここから本文です

【一般道にフィットするカレラ】ポルシェ911 英国のA911号とB992号を走る 前編

掲載 更新
【一般道にフィットするカレラ】ポルシェ911 英国のA911号とB992号を走る 前編

最新のポルシェ911でA911号線を走る

執筆:Mike Duff(マイク・ダフ)

【画像】992型のポルシェ911 カレラとターボS、GT3ツーリングを比較 全93枚

撮影:Max Edleston(マックス・エドレストン)

翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)


AUTOCARの英国編集部では、以前からこの手の旅を何度か実行してきた。1990年代には、自動車ジャーナリストのコリン・グッドウィン氏が、当時のポルシェにまつわる数字の付いた道をドライブし、フランスを横断している。

当時のレポートを読み返してみると、そのルートは、期待通り素晴らしいものだったようだ。ポルシェのモデル名と一致する番号の振られた道を走る度に、筆者はそのエピソードが頭に浮かんでいた。

英国北部のスコットランド地方には、A90号線を北上すると、ミルナソートという町から枝分かれするA911号線がある。頻繁に走るようなルートではない。ここをポルシェ911で走ったら、素晴らしい体験になるのではないか。アイデアが膨らんでいた。

さらに最近、英国のポルシェが広報用の911に、非常にシンプルなナンバープレート「A 911」を与えたと知った。ほぼオプションの載っていない、真っ白な992型のカレラへ。

最新の911の素晴らしさを証明するため、用意したのだという。A911号線を走るのに、これ以上ピッタリのクルマはあるだろうか。実現したいという思いを後押ししたことは、いうまでもない。

A 911のナンバープレートを付けた最新のポルシェ911で、英国のA911号線を走る。こんなシャレの効いたドライブを実現できる機会は、そうそう訪れるものではない。心のままに旅立つことにした。

ポルシェ911が記念撮影をする場所

単なる数字の語呂合わせではある。論理的なルート設定ではないが、宛もないロードトリップの魅力を、筆者は深く理解している。記憶に残る素晴らしい旅の多くは、予定通りのルートから外れた場所へ訪れることをきっかけに生まれている。

案外、道に迷うのも悪くない。常にインターネットと接続されナビが手元にある時代では、道に迷うことも難しいのだが。

というわけで、A 911のナンバーの911で、英国北部のA911号線を目指した。だが、英国人がスコットランドのお勧めドライブルートとして、A911を挙げない理由をのっけから理解することになる。

道の西の起点は、ミルナソートという小さな町。美しい古城を横目に、リーブン湖に沿って東へ快適に走れる区間が続く。だが、道は平坦でカーブも少ない。景色も比較的ありきたりだ。

風光明媚なスコットランドへ期待するものとしては、平均以下だろう。しかも当日は雨。道も混んでいた。

ほどなくして、同行したフォトグラファーのマックス・エドレストンが、A911号線の標識の前で写真を撮ろうと提案する。バルジェディという村のパブへ立ち寄ることにした。

パブのオーナーが様子を見に外へ出てきた。911が停まっているのに気付き、肩をすくめながら話す。「あなた方が初めてではないですよ。最後でもないでしょうね」。どうやらポルシェ911は、しばしばここで記念撮影をするようだ。

東へ進むほど、舗装の状態は悪くなっていく。交通量は増え、舗装の剥がれた穴の数も増えていく。

スピードを上げずとも幸福に運転できる

しばらく走り、A911号線の途中にある唯一の町、グレンロセスへ入る。ロータリー交差点の中央には、美しい花が咲いていた。道にはヒュンダイの姿が多く見られる。

交通の流れがゆっくりでも構わない。911は、スピードを上げずとも幸福に運転できる。市街地を流していても、多くのパフォーマンスカーのように気を張り詰める必要もない。

だが、ポルシェのデュアルクラッチAT、PDKの低速域での洗練性は優秀とはいいにくい。ノーマルのままのオーディオも、音質は鮮明さに欠ける。こんな環境では、極上の運転体験は得られないということも頭に浮かぶ。

さらに数km東へ進み、キャメロンブリッジという村へ入る手前で911を停めた。エドレストンが降りしきる雨の中、撮影を試みる。筆者は他の交通の邪魔をしないように、911でロータリー交差点を何度も回った。

A911号線は、正直パッとしない。急いで別のルート、プランBを練ることにする。

ロータリー交差点そばの駐車場にクルマを停め、インターネットを頼る。20世紀なら、こんなに簡単に調べることはできなかっただろう。

英国には、ロード・エンスージァスト協会という団体がある。クルマ好きの組織としては、さほど魅力的には受け止められていないと思うが、英国の運輸省より包括的な道路の情報を保有している。その道にまつわる歴史も。

それによると、かつて存在したB911号線はすでに存在しないという。期待していただけに、残念なニュースだ。

この続きは後編にて。

こんな記事も読まれています

アントネッリのF1デビューを早める動き。イモラでサージェントと交代との説は、メルセデスとウイリアムズが否定
アントネッリのF1デビューを早める動き。イモラでサージェントと交代との説は、メルセデスとウイリアムズが否定
AUTOSPORT web
BMW M4 に最強の「CS」、550馬力ツインターボ搭載
BMW M4 に最強の「CS」、550馬力ツインターボ搭載
レスポンス
史上最少僅差0.001秒決着! カイル・ラーソンが「ワイルドなフィニッシュ」で2勝目/NASCAR第12戦
史上最少僅差0.001秒決着! カイル・ラーソンが「ワイルドなフィニッシュ」で2勝目/NASCAR第12戦
AUTOSPORT web
「人とくるまのテクノロジー展」が過去最大規模となって5月22日よりパシフィコ横浜で開催
「人とくるまのテクノロジー展」が過去最大規模となって5月22日よりパシフィコ横浜で開催
Auto Prove
日産の斬新すぎる「商用バン」が凄い! もはや「でんでん虫マシン!?」な“円形ボディ”に熱視線! 人気の絶えない「エスカルゴ」どんなクルマ?
日産の斬新すぎる「商用バン」が凄い! もはや「でんでん虫マシン!?」な“円形ボディ”に熱視線! 人気の絶えない「エスカルゴ」どんなクルマ?
くるまのニュース
軽量安価なFRPより鉄にステンレス! デコトラ乗りのエアロへのこだわりは独特だった!!
軽量安価なFRPより鉄にステンレス! デコトラ乗りのエアロへのこだわりは独特だった!!
WEB CARTOP
遂に来た!新型「フリード」先行公開!上質感ある“エアー”&遊び心溢れる“クロスター”を設定
遂に来た!新型「フリード」先行公開!上質感ある“エアー”&遊び心溢れる“クロスター”を設定
グーネット
新型フリードは「AIR」「CROSSTAR」どっちも主役!
新型フリードは「AIR」「CROSSTAR」どっちも主役!
グーネット
三菱自動車、円安追い風で増収へ 来期には戦略車のグローバル展開予定も
三菱自動車、円安追い風で増収へ 来期には戦略車のグローバル展開予定も
くるまのニュース
トヨタ流の熟成──新型ヤリスハイブリッド試乗記
トヨタ流の熟成──新型ヤリスハイブリッド試乗記
GQ JAPAN
マクラーレン久々の優勝はメルセデスにとってもポジティブなこと? ラッセルも刺激受ける「物事がうまくいけばどうなるかを示している」
マクラーレン久々の優勝はメルセデスにとってもポジティブなこと? ラッセルも刺激受ける「物事がうまくいけばどうなるかを示している」
motorsport.com 日本版
世界初試乗!? ソニー・ホンダのAFEELAに自動車評論家がGT7の中で乗ってみた
世界初試乗!? ソニー・ホンダのAFEELAに自動車評論家がGT7の中で乗ってみた
レスポンス
なぜ「カクカク」デザインの新型車が増えている? まるで「先祖返り」! 現代において直線的な「角張りボディ」が求められる理由とは
なぜ「カクカク」デザインの新型車が増えている? まるで「先祖返り」! 現代において直線的な「角張りボディ」が求められる理由とは
くるまのニュース
レッドブル、ハイパーカーRB17の世界初公開と、F1参戦20周年をグッドウッドで祝う。歴代チャンピオンマシンも展示へ
レッドブル、ハイパーカーRB17の世界初公開と、F1参戦20周年をグッドウッドで祝う。歴代チャンピオンマシンも展示へ
motorsport.com 日本版
【月額32万2630円から】レクサスLM、KINTOでサブスク開始
【月額32万2630円から】レクサスLM、KINTOでサブスク開始
月刊自家用車WEB
V12エンジン搭載! 新型「FRスポーツカー」世界初公開! 大排気量&高回転志向で830馬力発揮の「12チリンドリ」米で発表
V12エンジン搭載! 新型「FRスポーツカー」世界初公開! 大排気量&高回転志向で830馬力発揮の「12チリンドリ」米で発表
くるまのニュース
[カーオーディオ・プロショップに行こう♪]プロなら、高度なサウンドチューニング機能を操れる!
[カーオーディオ・プロショップに行こう♪]プロなら、高度なサウンドチューニング機能を操れる!
レスポンス
もうオープンホイールじゃない!? フェラーリF1、攻めたデザインの“雨用タイヤカバー”をフィオラノでテスト
もうオープンホイールじゃない!? フェラーリF1、攻めたデザインの“雨用タイヤカバー”をフィオラノでテスト
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1620.04118.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

278.013900.0万円

中古車を検索
911の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1620.04118.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

278.013900.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村