去る8月4日、SUPER GT第5戦が開催された富士スピードウェイにてAudi e-tron Vision Gran Turismo(アウディ イートロン ビジョン グランツーリスモ)のデモンストレーションランが行われた。同車は、プレイステーション4用の大人気レースシミュレーションソフト『グランツーリスモ』とのコラボレーションにより生まれた、アウディがデザインした仮想のバーチャルカーだ。
企画の発端は、2013年に行われたグランツーリスモシリーズ15周年を記念した自動車メーカーとのコラボプロジェクト、“ビジョン グラン ツーリスモ(以下VGT”)だ。「みなさんが考えるグランツーリスモをデザインしていただけませんか?」という同作品プロデューサーの山内一典氏の投げかけに対して、国内外の自動車メーカーが呼応し、GTをテーマにさまざまな夢のデザインコンセプトを想像=創造した。バーチャルの中で作り上げたマシンがグランツーリスモシリーズのなかに順次登場し、ユーザーがゲーム内でドライブできるというのが「ビジョングランツーリスモ」シリーズである。そして、そうやって生まれたバーチャル・カーの中から走行可能なマシンとしてはじめて現実世界に現れたのが、Audi e-tron VGTなのだ。
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スタイリングは1980年代のIMSA GT選手権で活躍したアウディ 90 IMSA GTOへのオマージュで、最新作「グランツーリスモSPORT」では、ハイブリッド仕様とピュアEV仕様という2つのタイプが存在する。そして、アウディはEV仕様をバーチャルな世界で終わらせず、現実世界のものとして開発を行いワンオフで製造した。パワートレインは200kWの電気モーターをフロントアクスルに1基、リアに2基の合計3基搭載。システム総合出力は815ps (600kW)に到達する。駆動方式はもちろんクワトロ(フルタイム4WD)で、1450kgというEVとしては軽い車重で、50:50の理想的な前後重量配分も実現し、0→100km/h加速は2.5秒以下という俊足だ。
現在、フォーミュラEに参戦しているアウディは、このAudi e-tron VGTを今年4月に行われたローマGPを皮切りに様々なイベントに投入する。レーシングタクシーとしてゲストに同乗試乗を体験してもらうなど、eモビリティの旗振り役として活用している。その一環で行われたのが今回のデモランである。国内のレースとしてはもっとも集客力のあるSUPER GTにタイミングを合わせて日本にも初上陸。ドライバーは、Audi Sportのファクトリードライバーであるブノワ・トレルイエ選手。フォーミュラ・ニッポンやSUPER GTへの参戦経験があって日本にも馴染みがあり、アウディではAudi R18で2011 年、2012年、 2014年と、ルマン24時間レースで3度の総合優勝を果たした経歴の持ち主だ。またゲストとして登場したのは、元AKB48でタレントの篠田麻里子さん。日本人として初めてAudi e-tron VGTの同乗走行を体験した。
「ゲームではサーキットやレースを体験したことがありますが、実際に訪れたのは初めてでとても緊張しました。バーチャルがリアルになった貴重なクルマで、グリッド上で赤いシグナルが5つ点灯して消えるとスタート、というレースのシーンをリアルに体験することができて本当にうれしかったです。EVレースカーの加速は凄かったのですが、音は想像していた以上に静か。将来はレースでもこうしたクルマがどんどん起用されるようになるのだなと感じました」とは篠田さん。プライベートでEVを運転した経験をもち、またレースゲームを楽しむこともあるという。
一方、ステアリングを握ったブノワ・トレルイエ選手は、「フォーミュラEのテストでEVのレースカーに乗ったことはありますが、このクルマはもっとパワフルだし、4輪駆動のクワトロで、ハンドリングも抜群、素晴らしくファンなクルマです。富士の最終セクターならSUPER GTのマシンよりも速く走れるのではないかと思ったほどでした。数ラップもすれば、EVであることを忘れてしまうほど運転に集中できます。もちろんエンジンサウンドがないことは寂しくはあるけれど、EVのレースカーはテクノロジーの面でたくさんのアドバンテージがあると思いますね」と、リアルなAudi e-tron VGTカーの走りを絶賛。
現在のレースの課題の1つに、サーキットを都市部から遠く離れた、交通利便性の良くない場所にしか作れないということがある。好事家にとっては、いい音に聴こえる刺激的なエグゾーストサウンドも、ある人たちにとっては騒音であることもまた事実だ。したがってフォーミュラEは、排ガスや騒音がないという利点を活かし、いま世界中の主要都市で、公道を封鎖してのレースを盛んに行っている。こうしたVision Gran Turismoのような個性的なデザインのGTカーが都市を走ることができるようになれば、レース界にも明るい未来があるということかもしれない。
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