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三菱ラリーアート復活!巨体がガンガン登る!「トライトン」テスト車両同乗リポート

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三菱ラリーアート復活!巨体がガンガン登る!「トライトン」テスト車両同乗リポート

三菱自動車は既報のように復活した「ラリーアート」のモータースポーツ活動の第1弾として「アジアクロスカントリーラリー2022」に、世界戦略車の1トン・ピックアップトラック「トライトン」で参戦すると発表している。アジアクロスカントリーラリーは当初は8月に開催される予定であったがコロナ禍で延期され、11月21日~26日にタイ~カンボジアで開催されることになり出場するチーム体制を発表。参戦車両の耐久テストなども完了し、いよいよ本番を待つ状態にある。

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そしてこのほど、メディア向けにクロスカントリーラリーに参戦するピックアップトラック「トライトン」のラリー車両開発用のテスト車両でのデモ走行が行なわれた。舞台は山梨県にある富士ヶ嶺オフロードコースだ。このコースはクロスカントリー専用路で、コブ状のモーグル路面、通常の道路には存在しない急な登坂路、降坂路などが設置されている。

さて、ピックアップ・トラックのトライトン(ヨーロッパ名:L200)はタイ工場で生産され、日本、北米を除いた150カ国で販売されているグローバル・モデルで、特にアジア地域、中東、南米、アフリカなどで人気のピックアップ・トラックとなっている。ボディサイズは、ホイールベース3000mm、全長5300mm、全幅1815mm、全高1795mmとまさにグローバル・サイズだ。

シャシーは堅牢なフレーム構造で、サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーン、リヤがリーフ・スプリングの組み合わせだ。

搭載エンジンは2.4L・4気筒のガソリンとディーゼルという2種類のラインアップだが、ラリークロスで使用するのはもちろんターボ・ディーゼル(4N15型)。ターボ・ディーゼルのベース出力は180ps/430Nmと強力だ。

駆動システムはFR駆動をベースにした「スーパーセレクト4WD-II」で、センターデフでフロント40:リヤ60という駆動力前後不等配分となっている。本格的なクロスカントリー性能を追求し、2H、4H、4Hロック、4Lロックなどが電動アクチュエーターで切り替えできる。またオフロード・モードとしてマッド、スノー、サンド、ロックなどのモードを装備し、極悪路でも走破できるようになっている。

今回のテスト用車両は、ダブルキャブ/4ドア・ボディで、サスペンションはラリークロス対応の強化タイプ。ただしこのテスト車両のダンパーはシングル配置で、本番のラリークロス出場車両はダブル装備という違いがあり、出場車両はよりストロークも増大させていると思われる。最低地上高は標準で220mmあり、前後のアプローチアングルも十分確保されており、本格的なオフロード性能を追求していることが分かる。

またターボ・ディーゼルは、ECUをチューーニングし、過給圧のアップとレスポンス向上が図られている。それ以外のボディ各部は市販状態そのままとなっていた。

今回のデモ走行は、すべてダート路面で、急峻な登坂、きつい勾配の下り坂、タイトなヘヤピンカーブなどが組み合わされたコースで、しかも雨天という条件だった。きつい登坂路、降坂路などはアジアクロスカントリーラリーでも存在しないようなダート路面だ。

デモ走行のドライバーは、三菱の実験部におけるトップガンの一人、小出一登氏。走り出すと、ディーゼルエンジンであることを感じさせないレスポンスのよさと、ディーゼルならでは大トルクを生かし、急坂を難なく駆け上り、巨体であるにもかかわらずタイトなカーブを苦にせず旋回して行く。ただし、ステアリングのロックtoロックは4回転もあるので、ステアリング操作は相当に忙しい。

動力性能や走破性能、操縦性などは全長5m超え、車両重量1900kgの車体を感じさせず、また同時に車体全体、特にキャビン内の剛性感の高さは、さすがに過酷なオフロードを走破することを想定したクルマ作りであることを実感させられた。

■ アウトランダーPHEV、デリカD:5の悪路試乗

トライトンのデモ走行コースとは別に、雨が降る中で、タイヤの浮き上がるモーグル路、急な登坂、降坂路を舞台にしたアウトランダーPHEV、デリカD:5 4WDの試乗も行なった。

いうまでもなく、日本の道路やいわゆる悪路ではありえない走行コースで、今回のようなクロスカントリー4WD車両専用のオフロードコースならではだ。

こうしたコースでは、4WDであっても走破性能に違いがあり、何事もなく走り抜けることができるか。またドライバーにとって車両のコントロールが難しいか、容易なのかという点がわかりやすいというのがポイントになる。

モーグル路では、コブ状の路面を通過する時に前輪と後輪の対角のホイールが浮き上がって空転する瞬間がある。この時に前後輪にLSD効果を与えないと立ち往生となる。現在では機械的なLSDではなく空転するホイールに自動的にブレーキをかけることでLSD効果を発生し、走破することができる。

さらに三菱のS-AWC(スーパー・オールホイール・コントロール)の技術は、単にトラクション・コントロールやブレーキLSDだけではなく、ASC(アクティブ・スタビリティ・コントロール)、ABS、独立ブレーキによるAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)など、車両の運動をシームレスに、統合制御しているのが特長だ。

アウトランダーPHEVの場合はツイン・モーター4WDで前後の駆動力可変制御はもちろん、ブレーキを駆使したAYCなどを統合制御するS-AWC、デリカD:5 の場合はセンターデフを装備せず、電子制御・多板式カップリングのみを装備する電子制御4WDという違いはあるが、AWCという統合制御技術をベースにした4WDであることは共通だ。

アウトランダーPHEV、デリカD:5ともにオフロード用ではなくオールシーズン・タイヤを装着していたが、雨で泥濘路となった急登坂、急降坂路でも問題なく走破し、しかもアクセルのコントロールもステアリング操作もきわめて容易だった。

言い換えれば、ドライバーの特別な経験やスキルがなくてもこうした極悪路をストレスなく走り抜けることができるのが4WDをベースにした三菱のAWCの威力ということができる。

アウトランダーPHEVは前後のホイールをモーターで駆動し、前後左右の駆動やブレーキ制御を行なうシステムで、いわばS-AWCのフラッグシップ的な存在で、瞬時にレスポンスする電気的な制御のメリットが最大限発揮できているのは当然といえる。

その一方で、デリカD:5は電子制御・多板式カップリングによって前後の駆動トルクを可変配分するきわめてシンプルな4WDシステムだが、今回のような悪条件のオフロードで、アウトランダーPHEVと遜色なく、簡単に走り抜けることができることも確認でき、シンプルな4WDシステムでもAWCの技術が有効に働いていることを体感することができた。

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三菱自動車 公式サイト

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