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悪天候でレースをしないなら、フルウエットタイヤは存在価値がない? ドライバーの意見にピレリも概ね同意「今後の方向性を考えないと」

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悪天候でレースをしないなら、フルウエットタイヤは存在価値がない? ドライバーの意見にピレリも概ね同意「今後の方向性を考えないと」

 2023年のF1ベルギーGPも、恒例の予測できない“スパ・ウェザー”に悩まされるレースとなった。そんな中、天候の影響で様々な種類のタイヤが用いられたことで、フルウエットタイヤの存在意義について疑問の声が挙がるようになった。

 土曜日のスプリントでは、雨の影響でスタートがディレイ。その後スタートが決まったものの、路面コンディションが芳しくないことからセーフティカー先導の下でフォーメーションラップが5周行なわれ、そこからローリングスタートでレースが始まっていった。

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 ただ、長きに渡るセーフティカー先導によって路面コンディションが改善したため、スプリントがスタートすると同時に多くのマシンがピットに入り、フルウエットタイヤから浅溝のインターミディエイトタイヤに交換。最終的にはたった2周で全車がインターミディエイトタイヤとなったのだ。

 そういった意味で、路面の水量が多い時に用いられるフルウエットタイヤは“セーフティカー用タイヤ”としての役割しか果たしておらず、存在する意味がないと考えるドライバーも多い。

 これについてF1タイヤサプライヤーのピレリでモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは、FIAが視界の悪い状況下での走行に慎重である限りは、ドライバーが言うようにフルウエットタイヤは基本的にセーフティカーランで使われるものになると考えている。

 イゾラは次のように語る。

「それ(ウエットタイヤ)はセーフティカー用タイヤなのか、という話だが、まずは問題をふたつに分けて考えよう。ひとつはウエット路面でのパフォーマンス、もうひとつは視界の問題だ」

「パフォーマンスという点で言えば、我々は開発を進める中で、以前のウエットタイヤよりもはるかに(1周あたり5秒)速くなるものを見つけた」

「まだ完璧とは言えないが、前進したと言える。ウォームアップも問題なかった。シーズン中に新しいウエットタイヤを導入することに全チームが賛成したのは、そういった我々のテストデータがあったからだ」

「我々は視認性について何度も議論している。FIAはチームと共に、タイヤやディフューザーから出る水煙を減らし、視界を改善する装置の開発に取り組んでいる」

「そういったデバイスによって水煙が減らされ、フルウエットコンディションでも走れるようになるというのであれば、ふたつの製品(インターミディエイトとフルウエットのラインナップ)を維持しなければならない」

「しかし、フルウエットタイヤがセーフティカーランでしか使われないというのであれば、ドライバーたちと同じ意見で、現時点では意味のないタイヤということになる」

「したがって、F1に必要な製品を開発するためにも、我々は将来の方向性を定めないといけないのだ」

 イゾラはこれらの問題の解決策として、“スーパーインターミディエイト”もしくは“インターミディエイトプラス”と呼ばれる新コンパウンドを導入することを提案している。

 このトレッドはピレリが数年前に設計しているものであり、視界が非常に悪い状況からほぼドライの状況までを幅広くカバーできる。これで雨用タイヤがこの1種類となれば、最近持ち込みタイヤセット数を試験的に減らすなど、“サステナビリティ”を重視するピレリにとってもメリットがあると言える。

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1件
  • センセーショナルより現状をどうするか述べて頂きたかった。現在のドライバーと同意で何よりな結果。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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