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【動画付き】レーシングカーそのものの走りを堪能できるアストンマーティンの最高傑作「DBSスーパーレッジェーラ」

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【動画付き】レーシングカーそのものの走りを堪能できるアストンマーティンの最高傑作「DBSスーパーレッジェーラ」

連載/石川真禧照のラグジュアリーカーワールド

 アストンマーティンは創業から常にモータースポーツに積極的にかかわってきた。2021年には60年ぶりにフォーミュラ1にマニュファクチャラーとして参戦することになった。これまでもスポンサーとしてアストンマーティンの名は、フォーミュラ1マシンに冠せられていたが、2021年から自身でチームを作り、2台のマシンで戦うという。

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 そのアストンマーティンの生産車の中で頂点に立つのが「DBSスーパーレッジェーラ」。2018年に伝説のスーパースポーツ「ヴァンキッシュ」の後継車としてデビューした。このクルマへの期待の大きさは車名にも表われている。「DBS」は1967年に新世代アストンマーティンになった時に付けられた伝説の名称だ。そして「スーパーレッジェーラ」は1958年にデビューした「DB4」に採用された画期的な超軽量ボディー製法の名称。「DB4」は現代も含めたアストンマーティンのスポーツカーの中でも最高傑作といわれているモデルであり、そのリスペクトが車名に込められている。

「DBSスーパーレッジェーラ」はアストンマーティンが、ライバルたちに真っ向から勝負を挑むモデルとして開発された。ボディーパネルはカーボンファイバーで構成されている。エアロブレードやダブルディフューザーなどはF1マシンからインスピレーションを受けたという。



 パワーユニットはアストンマーティン製のV12、5.2Lツインターボエンジンをボディー前部の低い位置に搭載。8速ATはリアに置かれ、ボディーの重量バランスをとっている。性能は725PS/6500rpm、900Nm/1800~5000rpmと公表されている。これだけの強力なパワーユニットで、パワー/トルクはすべて後輪に伝えられる。

 アストンの技術陣は、機械式リミテッドスリップデフとトルクベクタリングで駆動を功みに制御するように設計した。標準装備のアダプティブダンピングがセンサーで運転状況やドライバーの意図を感知し、制御を行なってくれるのだ。パワーユニットとダンパーは、GT/スポーツ/スポーツプラスの3段階で設定され、ドライバーが任意で選ぶことができる。

「DBSスーパーレッジェーラ」の全高は1280mmとかなり低いが、ドアを開けての乗り降りはラク。その理由は路面と平行ではなく、やや上方に開くドアの形状にある。前席の着座位置は低め。それでもフロントウインドウは迫っている。Aピラーの角度もかなり急で太め。後席は左右セパレートで着座は高め。クッションも硬く、身長155cmが限界といったところ。あくまで「+2」と割り切ったほうがよいだろう。



 エンジンはセンターパネル上方に並んだ5つのボタンの中央にあるスタートボタンをプッシュして起動する。ちなみに、スタートボタン以外は、左からP、R。右はN、D。マニュアルシフトはハンドルコラムから生えているパドルレバーで行なう。

 ダンパーとパワーユニットをGTモードにセットして、スタートする。5.2Lツインターボエンジンは1800回転からアクセルの動きに素早く反応する。そのまま回転を上げていくと、5000回転からさらにレスポンスがよくなり、小気味よい加速を体感させてくれる。V12エンジンはGTモードなら5000回転でも爆音は抑えられている。0→100km/hの加速は手持ちのストップウォッチでも4秒台。レッドゾーン入口の7000回転まで上昇してシフトアップする。

 ちなみに、カタログでの0→100km/h加速は3.4秒、最高速は340km/hとなっている。GTモードからスポーツモードに切り替えて、加速してみると、まず3000回転を超えると「クオーン」というやや甲高いサウンドがクルマの周囲を包みこんだ。アクセルをゆるめると、パンパンッというバックファイアのような音が周囲に轟く。

 ハンドリングと乗り心地は、GTモードでも直進時は重め、コーナーではハンドルを切りこむと強めの抵抗があり、乗り心地も硬めというスパルタンな性格。スポーツモードでは直進時の重さは変わらないが、コーナーではクイック感が増し、エキサイティングなドライビングを楽しめる。

 大径のディスクを装着したブレーキ性能は低・中速では踏力は重めで、それなりの力が必要。それは高速域でも同じだが、制動力の強烈な減速GはレーシングGTカーそのもの。ハンドルを握るドライバーにもそれなりの身体能力が要求される。これがスポーツモード、スポーツプラスモードになると、さらにコンペティティブになる。

 コーナーでのハンドリングはよりクイックになり、手首のわずかな動きでも「DBSスーパーレッジェーラ」のノーズは向きを変える。乗り心地は日本の公道上では細かい路面の凹凸でもハネ気味。レーシングコース用のセッティングといえる。

 結論として「DBSスーパーレッジェーラ」は美しく流麗なボディーデザインとは裏腹に、かなりレーシングカーに近い内容のスーパースポーツカーだといえる。トランクリッドの開口角が狭く、荷物の積み降ろしが不便、というような不満は、このレベルになると不満とはいえないのかもしれない。



◾関連情報
https://www.astonmartin.com/ja/models/dbs-superleggera

文/石川真禧照 撮影/萩原文博 動画/吉田海夕

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