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牧野任祐がマツダの人馬一体ドライビングアカデミーからインタープロトに参戦。初ドライブで感じた難しさと暑さ

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牧野任祐がマツダの人馬一体ドライビングアカデミーからインタープロトに参戦。初ドライブで感じた難しさと暑さ

 5月11~12日に富士スピードウェイで開催される2024インタープロトシリーズ Powered by KeePerに、全日本スーパーフォーミュラ選手権やスーパーGTなどで活躍する牧野任祐がレギュラー参戦することになった。

 インタープロトは、元レーシングドライバーの関谷正徳氏がプロデュースしたレースで、専用マシン『Kuruma』を使用し、接戦のバトルが繰り広げられている。またGRスープラGT4エボを使用した“スープラクラス”や、レクサスIS Fをベースに開発されたマシン『CCS-R』で争われる“CCS-Rクラス”もある。

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 もともとの参戦枠は、トヨタ系ドライバーやロニー・クインタレッリ、松田次生などニッサン系ドライバーがの大部分を占めていたが、最近はホンダ系ドライバーの参戦も増えてきている。

 そんななか、同シリーズ初参戦となる牧野は、55号車の人馬一体ドライビングアカデミーの車両(ROOKIE Racingがメンテナンスを担当)に乗る。これはマツダの一般車を開発するドライバーたちが、自身のドライビングスキル向上のためにインタープロトに参戦するというプロジェクト。過去に、このプロジェクトで育った寺川和紘や川田浩史は現在スーパー耐久シリーズに参戦するなど活躍の場を広げている。

 昨年まで55号車のプロドライバーは宮田莉朋が務めていたが、彼は今季ヨーロッパに拠点を移したため、その後任として牧野に話が舞い込んできた。

「最初のきっかけは、ダンディライアンの吉田(則光)さんから、この話を聞きました」と牧野。

「その後ROOKIE Racingさんとマツダさんからプロジェクトの説明を聞いて、ホンダのドライバーである僕が乗ることによって、3メーカーが関わっているというのも面白そうだなと思いました。もちろんホンダさんにも承諾をいただいています」

 それまではインタープロトと関わる機会がなかった牧野だが、参戦に向けた話し合いも兼ねて、昨年末の2023年最終大会に来場し、そこでレースも観戦したという。

「インタープロトがどんなレースなのか話だけは聞いていたので、予選もスリップストリームを使わないと前にいけなくて、めちゃくちゃストレスが溜まると。(福住)仁嶺とか(阪口)晴南とも話をしていたのですけど『(予選後は)多分、任祐キレるんちゃうか?』と言われました(苦笑)」と牧野。

「でも、レースを観ていても、誰かがぶっちぎるというのが基本的になく、スリップストリームが効きますし、バトルも多そうな雰囲気があるので『難しいレースなんだろうな』と思って見ていましたけど……、想像がつかないですね」と本人としては未知数な部分も多そうだ。

 インタープロトのマシンは4月末のスポーツ走行で初めてドライブしたと言い、「想像していたよりも『レーシングカーではないな』と思いました」と、第一印象では難しさを感じているようだ。

「ハコ車にしてはロールが少ないですけど、限界はかなり低くて……パッと乗った印象は難しかったですね。GT4車両は昨年のスーパー耐久(富士24時間)で乗ったので、僕はなんとなくGT4車両をイメージしていたんですけど、全然違ったので難しかったですね」

 近年のGTカーはエアコンが付くようになり始めているが、インタープロト車両はクールスーツでの対応となる。それだけに車内はかなり暑いということも、牧野は驚いていた。

「めちゃくちゃ暑いです! この段階(4月下旬)で暑いので、夏は相当厳しいだろうなと思いました。今は(スーパーGTの)GT500クラスもエアコンがついていますし、昨年GT4に乗ったときは、ちょうど夜間スティントだったこともあるのだと思いますけど(エアコンを付けたら)寒くて……急いで消しました。なので、ひさびさにこんなに暑いクルマに乗りました」

 この日は同じ55号車でジェントルマンレースにエントリーする八木淳も初めてのインタープロト車両での走行に臨んでおり「牧野選手はけっこう理論的に教えてくださいますし、自分との走りを比較して、ライン取りやクルマの動かし方を細かく教えてくれます。日本のトップ選手から教えてもらえることはあまりないので、すごくありがたいです」と、頼りにしているという様子だった。

 初めて参戦するカテゴリーで慣れていない部分が多そうな牧野。プロフェッショナルレースのドライバーラインアップを見ると、昨年のインタープロトチャンピオンである山下健太をはじめ、話題に出てきた阪口と福住。さらにクインタレッリ、ジュリアーノ・アレジ、小高一斗、国本雄資、佐々木大樹が引き続き参戦。そこに今季は藤波清斗、石川京侍、卜部和久が新たに加わる。

 これについては「仁嶺、晴南、一斗、ヤマケン(山下)と……4月にお台場でやったカートイベントに出ていたメンバーと一緒で、今度はインタープロトで勝負するという感覚です」と楽しそうに語る牧野。

 開幕大会に向けては「正直何も分からない状態ですし、ここまで走行時間が短くて開幕を迎えるとは思っていなかったです。まずは安全に楽しくレースができたらなと思います。もちろん上位も狙っていきますけど、まずは安全と楽しさを第一に考えてやっていきたいですし、この機会を自分の経験にも活かしたいです」と抱負を語った。

 今回の開幕大会は見どころの多いラインナップとなっており、スープラクラスには昨年いっぱいでスーパーGTドライバーを引退した立川祐路が参戦。CCS-Rクラスには大湯都史樹もエントリーしており、見どころが多いレースになりそうだ。

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