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日本で乗るのも案外イイぞ! トヨタ・ハイランダー試乗記

掲載 更新 11
日本で乗るのも案外イイぞ! トヨタ・ハイランダー試乗記

トヨタの新型「ハリアー」とプラットフォームを共有する3列シートSUVの「ハイランダー」に小川フミオが試乗した。日本未導入モデルの特徴とは?

ライバルの多い3列シートSUV

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米国で大ヒットしているトヨタ車は、というと「ハイランダー」だ。ミッドサイズSUVのマーケットでは、フォード「エクスプローラー」をしのぐ人気ぶりだそう。日本で試乗したら好感の持てるクルマだった。

H.Mochizuki最大7~8人乗れる3列シートのハイランダーは、機能を重視したパッケージという点からして、個人的には「ランドクルーザー」や「ハイラックス」といった、トヨタ製”(よく)働くクルマ”のカテゴリーであると思っている。

ここに挙げた車種からわかるように、トヨタは”働くクルマ”づくりがうまい。走破性だったり積載能力だったり、そのクルマに求められる機能をしっかり抑えつつ、シンプル・イズ・ザ・ベストといえるスタイリングにまとめあげているからだ。けだしグッドデザインである。

H.Mochizukiハイランダーも、2019年のニューヨーク自動車ショーで今回の新型のデビューに立ち会っていらい、私が気になっていたトヨタ車だ。米国に行かなくては乗れないだろう(となると新型コロナウィルスが収まらないうちは当分ムリ……)と思っていたら、トヨタ自動車が参考車として日本で登録したモデルに乗せてくれたのだ。

なんの”参考車”か。2019年に登場した新型「RAV4」と、2020年6月に発売開始された新型「ハリアー」と、基本的におなじプラットフォームを使うので、”味付け”によってどれだけクルマのキャラクターが変わるのか「体験してみてください」(広報部)ということだったのだ。

H.Mochizuki乗ってみると、1960年代から1980年代のSUVが気になっている私には、ドンピシャにはまる出来だった。ダンパーもスプリングの少しソフトな設定で、これが、下の回転域でもそれなりに力が感じられる3.5リッターV型6気筒ガソリン・エンジンとよく合っていて、なかなか気持ちがよい。

米国では、サッカーマムがメインターゲットとのことだ。サッカーマムは、エレメンタリースクールに通う子どもたちにフットボールはまだ早いので、サッカーをさせるお母さんのことを言う。

H.Mochizukiもっと詳しくいうと、子どもたちを練習に連れていくのがサッカーマム。持ちまわりでチームの子どもをなるべく大勢乗せていかなくてはならないため、3列シートのミッドサイズSUVはこのところ大きなマーケットを形成していたそうだ。

このパッケージ要件だけ満たせばサッカーマムはクルマを買ってくれるかというと、米国は、熾烈なマーケットで、競合が多い。トヨタでは、エクスプローラーにくわえ、ニッサン「パスファインダー」、ホンダ「パイロット」、マツダ「CX-9」をコンペティターとしてあげている。

スバル「アセント」、ヒュンダイ「サンタフェ」や同「パリセード」、キア「テリュライド」なども、てごわいライバルと目されているミッドサイズSUV。アセントには私も乗ったことがある。力強いエンジンと、広々感が印象に残り、よく売れているというのがよくわかった。ハイランダーもそこで健闘しているのだ。

大きなボディがもたらす魅力

もちろん、男がひとりでふだん乗るのも、けっこういいものだと私は思う。全長4950mm、全高1730mmのボディは、日本の路上ではやや大きいけれど、さきに触れたように、大きなボディがもたらす乗り心地のよさなど、この大きさゆえの快適性が味わえるからだ。

H.Mochizuki欧州のハイ・ブランドの製品とちがい、豪華ではない。でも、余裕あるサイズのSUVであり、ぜいたくな気分をもたらしてくれる。いっそ米国的な雰囲気を武器に、左ハンドルのまま販売してくれたらいいのでは。左ハンドルのトヨタ、クルマ好きの興味を妙にくすぐる。

トヨタ自動車の開発陣が自信をもっているシャシーだけあって、ステアリングはしっかりしているし、切り込んだときの車体の動きはスムーズ。もっさり感はいっさいなかった。

日本の場合、3列シートをそなえたミッドサイズSUVですぐ思いつくのが、メルセデス「GLE」(4930mm)やBMW「X5」(4935mm)、ランドローバー「ディスカバリー」(4970mm)などだ。

日本では当面ハイランダーの販売予定はないそうだ。ミッドサイズSUVがひしめいている米国と違い、日本では、3列シートをとなると、マツダ「CX-8」(4900mm)ぐらい。あとは高級車かミニバンになってしまう。

日本で売れるSUVとなると、よりコンパクトな、いわゆるS(スモール)クラスになってしまう。トヨタでいうと、「ライズ」のクラスである。それでも、市中で並行輸入のタコマとかトゥンドラに乗っているひとを見かけるぐらいだから、ハイランダーにも市場のニッチ(すきま)がありそうだ。

文・小川フミオ 写真・望月浩彦

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