1月16日、W2RC世界ラリーレイド選手権第1戦『ダカールラリー2024』のステージ9が行われ、バーレーン・レイド・エクストリームのセバスチャン・ローブ(プロドライブ・ハンター)が今回のラリー4度目のステージ優勝を達成した。現在の総合首位は、ステージ9を2番手で走破したチーム・アウディスポーツのカルロス・サインツ(アウディRS Q e-tron E2)で、総合2番手のローブとの差は20分だ。
ハイルからアル・ウラへかけて、417kmのスペシャルステージを含む639kmの道のりで争われたステージ9。砂の深い砂丘から、時には鋭い岩も顔を見せるような荒れた路面が特徴的なステージ9を終えて、サウジアラビアを1周した選手たちはステージ1のスタート地点でもあるアル・ウラへ戻ってきた。
アウディ勢がステージ1-2-4、エクストローム今季2勝目。ローブはナビでタイムロス【ダカールラリー】
残るステージは3つとなり、ローブとサインツによる総合首位争いは佳境を迎えつつある。総合2番手から追い上げるローブは、この日も果敢にアタックを続け、4時間17分33秒で一番時計を刻んだ。しかし、4分14秒差の次点には総合首位のサインツが続き、白熱の首位争いは現在20分33秒差となっている。
今大会4度目のステージウインを飾ったローブは、「ステージ中盤で2回のパンクがあったので、後半は3回目のパンクに遭わないように注意しなければならなかった。(カルロス・)サインツとの差は大きいが、まだ3ステージ残っている。3日間すべてのステージをプッシュし続けるよ」とステージ9を振り返り、ラリー終盤への意気込みを語った。
ステージ2番手に続いたサインツSr.は、「今回の運転は、ナビゲーションも困難だったために非常にストレスがたまった。けれど、3台の車が一緒だったので、そのサポートもあって満足のいくステージになったよ」と語り、落ち着いてタイムロスを減らす老獪なスタンスでローブを迎え撃つ。
ステージ3番手のタイムを記録したのは、センチュリー・レーシング・ファクトリーチームのマシュー・セラドリ(センチュリーCR6-T)だ。ローブやサインツの争うクラスとは異なり、2輪駆動のマシンで争うクラスに属するセラドリは、サインツから29秒差のタイムを記録。
2020年のダカールラリー・ステージ8での勝利経験もあるセラドリは「今日は全力でアタックした。ミスもパンクもなく、完璧なステージだった」とステージ9の3位入賞を喜んだ。なお、彼は最後のロードセクションでトラブルに見舞われた。これを通りかかったローブがサポート。ハンターでセラドリのセンチュリーを牽引してビバークに戻っている。
TOYOTA GAZOO Racingの総合最上位は、ステージ9で7番手となったルーカス・モラエス(トヨタGRダカールハイラックス・エボT1U)で、サインツとローブに続く総合3番手につけている。ステージ後半に6分を失ってしまったモラエスは、中盤まではローブに続く2番手タイムを記録していただけに、残る3つのステージでの好走に期待がかかる。
二輪部門ではモンスターエナジー・ホンダ・チームのエイドリアン・ファン・ベベレン(ホンダCRF450ラリー)が、大会2度目のステージ優勝を飾った。ステージ2番手には同チームのリッキー・ブラベック(ホンダCRF450ラリー)がつけ、3番手には同じくホンダのパブロ・キンタニラ(ホンダCRF450ラリー)がつけ、モンスターエナジー・ホンダ・チームがトップ3を独占した。
総合首位はブラベック。総合2番手をキープするヒーロー・モータースポーツ・チーム・ラリーのロス・ブランチ(ヒーロー450ラリー)とのタイム差は、7分9秒差に広がっている。さらに4分17秒後方の総合3番手には、ステージウインを飾ったファン・べベレンが浮上した。
日本勢は、日野600シリーズでトラック部門に挑む菅原照仁(日野チームスガワラ)がステージ10番手タイムを記録。現在の部門総合順位は8番手だ。
菅原はステージ9の走破後、「序盤はキャメルグラスのある砂丘で登るのが大変なところが何か所かありました。後半の黒い岩盤の上を走る区間は振動がすごかったですし、厳しいコースでした」とコメント。「残りは3ステージとなりましたが、7番手への浮上を目標に頑張ります」と意気込みを語った。
トヨタ・ランドクルーザーGRスポーツで市販車部門に参戦するチームランドクルーザー・トヨタオートボデーは、ロナルド・バソが7時間39分14秒でステージを走破し、チームメイトの三浦昂が17分12秒差のクラス2番手で続いた。部門総合順位では三浦が首位、バソが2番手でワン・ツーを保持している。
1月17日(水)に実施されるステージ10は、アル・ウラを出て楕円状に周回して同地に戻る“ループステージ”となり、スペシャルステージは371km、総合距離は609kmで争われる。
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