日本一速い男、星野一義をして「Gr.Aで駆動方式がR31のFRからR32 GT-Rの4WDに変わった時の衝撃はすごかった」と語るほど抜群の走りを誇示した4WDスポーツ。だったら! そのパフォーマンスを体験してみない?
文/FK、写真/スズキ、スバル、トヨタ、マツダ
復活の兆しあり!? スキルがなくても「それなり」に走れる&楽しめる「4WDスポーツ」5選
■現代の国産4WDスポーツにおいて代名詞的存在といえば「トヨタ GRヤリス」に決まりでしょ!
エクステリアではロワグリルに薄型・軽量化と強度を両立するスチールメッシュを、バンパーロワサイドに分割構造を新採用した進化型ヤリス。冷却性能を確保するべく、サイドロワグリルも大きい開口部に形状変更されている
WRC(世界ラリー選手権)においてマニュファクチャラーズとドライバーズも含めた3冠を3年連続で達成したヤリスWRCのベース車両であるGRヤリス。そのGRヤリスが、2024年1月の東京オートサロン2024で進化版を世界初披露して話題になったことはまだ記憶に新しいところだろう。
GRヤリスの進化ポイントは多岐に渡るが、最大のトピックは新開発となる8速AT“GR-DAT”の採用だ。
従来モデルでは減速Gや速度などの車両挙動を感知して変速を行っていたが、GR-DATではブレーキの踏み込み方や抜き方、アクセル操作に至るまでを細かく感知して、車両挙動の変化が起こる前に変速が必要な場面を先読みするなどのスポーツ走行に最適化したAT制御ソフトウエアを採用。プロドライバーによるシフト操作と同じようなギア選択が可能になったというわけだ。
そんなGRヤリスの4WDシステムといえば、多板クラッチによる前後駆動力可変システムを採用したGR-FOUR。
ドライバーが自分の好みや運転するシチュエーションに合わせて駆動力配分を変更できる3つの4WDモードを備えるだけでなく、あらゆる路面状況において4輪へのトルク配分を即座にコントロールしてトラクションを確実に路面へ伝達するGR-FOUR。
最上位グレードのRZ“High performance”に至っては、前後のディファレンシャルにトルセンLSDを標準装備とすることで常に変化する路面状況に対しても最適なトルクを瞬時に配分し、旋回時の鋭い立ち上がり加速や安定したコントロール性も両立している。
ほかにも枚挙に暇がないほどの走りに特化した装備を満載するGRヤリスは、まさしく“スキルがなくてもそれなりに走れて楽しい4WDスポーツ”を地で行く1台ではないだろうか。
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■「スバル WRX S4」はシンメトリカルAWDによる抜群の走行安定性がアドバンテージ
2024年1月に発表されたWRX S4の特別仕様車である“STI Sport ♯”は、STIのパフォーマンスパーツをはじめとする特別装備を採用するとともに各所の専用チューニングによって操縦安定性の向上とより上質な乗り味を実現
WRX S4は動力性能や操縦安定性、静粛性に乗り心地といったあらゆる性能を磨き上げるだけでなく4ドアセダンの実用性も備えた、スバルを象徴する4WDスポーツカー。
2024年1月には500台限定の抽選販売に対して2000人近い応募があった特別仕様車のWRX S4 STI Sport♯を発表して大きな話題を呼んだ。
とはいえ、WRX S4 STI Sport♯ではなくカタログモデルでも充分に魅力的なパフォーマンスを有するWRX S4。今回のテーマである4WDに注目すると、WRX S4ではクルマの基本パーツを左右対称・一直線に配置することで低重心と優れた重量バランスを実現したシンメトリカルAWDを採用。
前後輪のトルク配分をセンターデフでフロント45:リア55に不等配分する不等&可変トルク配分電子制御AWD(VTD-AWD)を採用し、走行状況に応じて前後のトルク配分を制御することでコーナリング時の回頭性と走行安定性の最適化が図られている。
また、水平対向4気筒の2.4L直噴ターボ“DIT”とバルブ制御を電子化したターボシステムもクルマ好きが心を揺さぶられる要素のひとつではないだろうか。
低回転域でのフラットなトルク特性とターボラグを感じさせない鋭いレスポンスはストレスフリーで、常にドライバーの意志に沿った走りを披露してくれるからだ。
また、エンジンとの協調制御を最適化して2ペダルのスポーツドライビングを極めたスバル・パフォーマンス・トランスミッション(SPT)も、アクセルやブレーキのペダル操作からドライバーの意思の読み取りを行う優れもの。
加えて、さまざまな走りのキャラクターが楽しめるように、アクセルペダルの踏み込みに対する加速レスポンスを3つのモードから選択できるSI-DRIVEを装備していることもWRX S4の魅力といえるだろう。
■見慣れてしまえばカッコいい「トヨタ クラウンスポーツ」も賢い4WDシステムを採用
2023年12月発売のクラウンスポーツ。4WDシステムは電気式のe-Fourを採用している
2023年12月に発売されたクラウンスポーツ。大容量リチウムイオン電池を搭載したことで実用的なEV走行航続距離を実現したことはもとより、これまでのクラウンのイメージを一新したプレミアムでスポーティなハッチバック5ドアの意匠など、運転する楽しさと環境性能を両立させた1台として注目度も抜群だ。
そんなクラウンスポーツが採用している4WDシステムは、トヨタのハイブリッドモデルの多くに採用されているE-Four(電気式4WDシステム)。
構造的には、後輪に配置された駆動用のモーターを使用するためエンジンの力を後輪に伝えるためのプロペラシャフトが必要なく、軽量化や低燃費につながるメリットがある。
一方、機能としては加速時や雪路などの滑りやすい路面でスムーズに4WD状態へ切り替えることで発進性、走行安定性を賢くアシスト。
走行状態に合わせて前後輪のトルク配分を100:0~20:80の間で緻密に制御することによって直進時の効率的なトルク配分に加え、コーナリング時もリアの駆動力配分を増やすことで燃費の向上と旋回中の車両安定性向上を両立している。
また、クラウンスポーツでは車速に応じて後輪の向きを前輪と逆向き、または同じ向きに制御するDRS(Dynamic Rear Steering)を採用。
クラウンクロスオーバーよりもタイヤ幅と全幅が大きいクラウンスポーツにおいてはその効果も高く、低速域では最小回転半径の低減や取り回し性の向上を両立。中速域ではスムーズなコーナリングを、高速域では高い車両安定性をもたらしてくれるのだ。
クラウンスポーツではPHEVならではの利便性も追求されているだけに、新しもの好きにとっては気になる1台ではないだろうか。
■「MAZDA3」の新世代4WDシステムと革新的エンジンに萌えろ!
“Car as Art”というマツダデザインの哲学を追求した魂動デザインを体現したMAZDA3ファストバック。写真はレトロモダンの世界観をテーマにスポーティさを融合した特別仕様車のRetro Sports Edition
マツダが新世代商品の第一弾として2019年5月に発売したMAZDA3。その駆動形式は2WD(FF)と4WDの2種類が設定されているが、MAZDA3が採用するi-ACTIV AWDはさまざまなドライビングシーンで走る喜びを提供する高効率な4WDシステムとして好評を博している。
国産車初のフルタイム4WD乗用車として1985年に発表した6代目ファミリア4WDは、世界ラリー選手権(WRC)に参戦して勝利を挙げる活躍を見せたことは知る人ぞ知るところ。そんなマツダが誇る4WDテクロジーは継承され、現在はi-ACTIV AWDへと進化を果たしている。
MAZDA3をはじめ、8車種に導入されているi-ACTIV AWDの大きな特長は思いどおりのコーナリングを実現したことにある。
i-ACTIV AWDではドライバーのステアリング操作に応じて後輪トルクをリニアに増やしていくことでターンイン時のスムーズさを実現し、AWDとして類まれなる曲がりやすさとAWDならではの旋回安定性を両立。
加えて、MAZDA3ではドライバーの操舵に応じて前後荷重状態を最適化して旋回をアシストするGVC(G-Vectoring Control)とAWDとの協調システムも構築。
ターンインの瞬間はGVCのトルク制御による旋回応答性を優先し、AWDはその際の前後トルク配分をキープしつつ、その後は定常旋回に至るまでに後輪へのトルク配分を増やして曲がりやすさと安定性を高次元で両立した、人馬一体を体現する旋回も実現しているのだ。
このシステムと革新的な世界初の燃焼制御技術であるSPCCI(火花点火制御圧縮着火)を採用した新世代ガソリンエンジンのe-SKYACTIV Xの組み合わせは走る楽しさをもたらすだけでなく、所有欲も充分に満たしてくれるのは間違いない。
■番外編~今なら爆売れ間違いナシ!? 「スズキ アルトワークス」の復活を望む
先代アルトで復活を遂げたスポーツモデル、アルトワークス。現行型には今だに設定されていないが……
15年の沈黙を経て2015年12月に華麗なる復活を遂げたものの、2021年11月に生産終了となったアルトワークス。今はなき、カリカリの軽スポーツのアルトワークスにも4WDはラインナップされていた。
しかし、その仕組みは前輪のスリップを検知した際に後輪へ駆動力を配分する4WDシステム(当時の諸元表にはフルタイム4WDと表記されていた)で、スポーツ四駆ではなく生活四駆の意味合いのほうが強い。
とはいうもののアルトワークスも立派な“4WDスポーツ”であることに間違いはなく、いまもなお復活を望むファンは多い。
そんなアルトワークスの(現段階における)最終モデルは気持ちの良い本格的な走りで好評を博したアルトターボRSをベースに、クルマを操る楽しさと走行性能の向上を図った軽ホットハッチとして登場。
アルトターボRSから最大トルクとアクセルレスポンスを高めてダイレクトに反応する加速フィーリングを実現したターボエンジンに、専用開発した5速MTや専用チューニングの5速オートギアシフト(5AGS)を組み合わせることで力強くて胸のすく加速性能を実現。
専用チューニングの足回りもステアリング操作に対してリニアに応答する操作性、ロールスピードを低減して旋回時の挙動変化を抑制する安定性、手応えのあるダイレクトな操舵感が高い次元で融合されていた。
ほかにもスポーティさを強調するエクステリア、シルバーと赤を効果的に配した黒基調の内装、ホールド性が高い専用レカロシートなどデザインも装備も充実。
それでいて、発売当時の車両本体価格(4WD車)は161万7840円というプライスだったのだから、復活を望むファンが多いのも納得。
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みんなのコメント
通勤用として40万で買った軽の2台持ちですが
最近は圧倒的に軽ばかり乗ってる。
とにかく狭い道を走る時や二本線じゃない駐車場に停める時、
趣味のソルトルアーの釣り場に行く時、がさやぶに突っ込んで
盗難の心配も皆無で車停めれる。
高性能車は高速使用しての遠出位しか出番がない。