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’80s国産名車・カワサキZ400FX完調メンテ【識者インタビュー:しっかり乗って好調な状態を維持してほしい】

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’80s国産名車・カワサキZ400FX完調メンテ【識者インタビュー:しっかり乗って好調な状態を維持してほしい】



’80s国産名車・カワサキZ400FX完調メンテナンス【エンジン腰上オーバーホールで往年の輝きを復活!】



今も絶大な人気を誇る‘80年代の名車たち。個性の塊であるその走りを末永く楽しんでいくには何に注意し、どんな整備を行えばよいのだろうか? その1台を知り尽くす専門家から奥義を授かる本連載、本記事ではカワサキ初の400cc4気筒マシン・Z400FXについて、ウエマツ東京本店・峯尾真史氏のインタビューをお届けする。

――



―― 【ウエマツ東京本店 峯尾真史氏】ウエマツに入社したのは’08年だが、それ以前から同店のお客さんだったと言う峯尾さんは、’72年生まれの49歳。バイクに目覚めた頃はレーサーレプリカ全盛期だったものの、若き日から500SSやXS-1といった旧車を愛用。現在の所有車はカワサキメグロK2とホンダ・エルシノア。

好調な状態で楽しんでほしいから、きちんとした整備でトラブルの回避を



Z400FXに限った話ではないが、かつてはトラブル多発が当たり前と言われていた旧車。とはいえ昨今のウエマツでは、納車後にトラブルが発生する機会はほとんど皆無と言う。「当社の場合は、エンジン内部に手を入れないステージ1と3を廃止したことが大きな要素ですが、整備の費用を惜しまない人が増えたことも、納車後のトラブルが減った一因だと思います。逆にひと昔前のような、”少しでも安く”という要望は、最近では珍しくなってきました。おそらくお客さんの中でも、”旧車は購入時にきちんと整備しないと、本来の資質が楽しめない”という考え方が浸透してきたのでしょう」



もっとも、他店やネットオークションなどで旧車を購入した人には、その考え方は通用しない。そういう事情もあって、現在のウエマツは持ち込みでの修理を受け付けていない。



「単純に忙しいからという理由もありますが、旧車の整備はイタチごっこで、こっちを修理したらあっちが壊れるというケースが珍しくないんです。例えば、エンジン腰上をオーバーホールしたら始動が困難になったり、ブレーキを整備したらフォークの動きに違和感が生じたりという感じで。だから、当店で全面的にリフレッシュした車両以外は扱いたくない、という気持ちはありますね」



兄貴分のZ500と同時開発されたこともあって、基本的には丈夫なZ400FXだが、同時代のライバルだったCBX400F、あるいは兄貴分のZ1~1000系と比べると、整備や維持の状況はどうなのだろうか。



「その点に関しては、やっぱりZ1~1000系が一番でしょう。耐久性は抜群に高いし、補修部品もダントツで豊富ですから。一方のCBXは、いったん好調を取り戻してからの維持は難しくないですが、新車時にスーパースポーツとして販売されただけあって、FXよりエンジンが酷使されている個体が多い気がします。さらに言うなら、バルブの数がZの倍の16本なので、整備する側としては大変ですね(笑)」



E1~4が存在するZ400FXで、人気の型式はあるのだろうか。



「あえて言うなら、装備が豪華になったE4、マンガで活躍したE3を探している人はいますが、E1と2の人気が低いわけではありません。このバイクの場合は、型式ではなく、ノーマル度にこだわる人が多いようです」



実際にZ400FXを購入したら、どんなことに気を遣うべきだろう。



「好調を維持するために、2ヶ月に1回ぺースでいいので、1時間以上しっかり乗ることでしょうか。それ以外に我々がお客さんにお願いしているのは、定期的なオイル交換と、バッテリー/タイヤの点検くらいです。もちろん、Z400FXは昔から盗難の対象になりやすいバイクですから、その怖さは事前にしっかりお話させていただきますよ。と言うより、このバイクを購入するのであれば、鍵とシャッター付きの保管環境は不可欠だと思います」



メンテナンスコスト[ウエマツの場合]



エンジン腰上OH:30万円~ エンジンフルOH:50万円~ キャブレターOH:5万円~ フロントフォークOH:4万円~
※価格は税抜き

とりあえず工賃を教えてもらったものの、これから販売する車両とすでに販売した車両の整備で多忙なため、現在のウエマツは持ち込みでの修理を受け付けていない。なお同店の販売車両は2ヶ月/3000kmの保証付きで、ステージ4以上は+1年/走行距離無制限の延長保証に入ることが可能。



おすすめモデル:後継車はお買い得だが、選ぶ人はほぼ皆無



近年のZ400FXの中古車相場はかなり高い。となれば、後継車のZ400GP/GPz400/GPz400F/ゼファーなどに目が向きそうなものだが、ウエマツに来店するお客さんで、FXが無理だから後継車を選択するケースはほぼ皆無のようだ。「FXが欲しいと言うお客さんは、そういう形での妥協はしないんです。私自身も、その気持ちはわからないでもないでもないですね。FXと以後のモデルは、やっぱりスタイルがまったく違いますから」



その話を聞いた後では言いにくいのだけれど、取材時の同店の在庫車を見ていると、海外から里帰りしたモデル、200万円台のZ550GP、100万円台のGPz550などは、何となくお買い得に感じられた。



―― 【’82 Z400GP】Z400FXの後継車となるGPは、リヤにユニトラックサスを採用。主要部品を一新したエンジンは、FX+5psとなる48psを発揮。近年の中古車価格は150~200万円前後で推移。

―― 【’89 ZEPHYR】GPz400F⁄IIのエンジンを転用する形で生まれたゼファーは、ネイキッドブームの先駆けとなったモデル。開発時のモチーフになったのはZ1⁄2と言われている。現在の中古車相場は70~130万円。

――



―― 【550ccなら、まだ価格は高騰していない】取材当日のウエマツが在庫していた輸出用の550ccモデル。左は’81~’82年に販売されたZ550GP(D)で、車名とカラーリングにはZ400GPとの共通点を感じるものの、エンジンとシャシーの基本構成はZ550に準じている。右は’83年にデビューしたシリーズ最終形のGPz550で、フルパワー仕様のエンジンは64psをマークする。 [写真タップで拡大]

※本記事の内容はオリジナルサイト公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

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みんなのコメント

8件
  • 台数が減って流通しなくなると1台あたりの利益を上げる。その結果の高騰で全ては店の都合によるもので自作自演感が拭えない。OH工賃も恐ろしく高くて何をやってこんな値段になるのか不思議。買う人は買えば良いけど価値に見合った価格では無い事を理解しないと悲劇。
  • 顧客の修理以外は受け付けないとかレドバロンみたいだな、川っぷちの解体屋だった頃が懐かしいよ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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