現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > バイクのスペック表を読み解く! 今と昔では「車両重量」が違う!?

ここから本文です

バイクのスペック表を読み解く! 今と昔では「車両重量」が違う!?

掲載 7
バイクのスペック表を読み解く! 今と昔では「車両重量」が違う!?

「車両重量」は、文字通りバイクの重さのことです。総じて排気量が少ないバイクは重量が軽く、大排気量バイクほど重量が重くなる傾向があります。当然かもしれませんが、大排気量バイクはエンジンの寸法が大きくなるだけでなく、パワーやスピードに対する車体の強度や強力なブレーキなど、バイクを構成する多くの部品が大きく重くなるためでしょう。

 ちなみにスズキのスペック表を見ると「装備重量」となっており、注釈で“装備重量は、燃料・潤滑油・冷却水・バッテリー液を含む総重量となります”と書いています。なぜそんな注釈をするのか、当たり前のように思えて少々不思議ですが、これには理由があります。

衝撃!バイクの2035年問題を知っていますか?

 現在はスペック表に記載されている「車両重量」は、スズキ以外のメーカーもガソリンやエンジンオイルなどが入った“走行できる状態”の重量を表記していますが、かつては「乾燥重量」の表記が一般的でした。乾燥重量とは燃料・潤滑油・冷却水・バッテリー液などを含まない重量のことです。

 軽い方が加速しやすく、減速時も慣性力が小さいのでブレーキが良く効きます。そしてバイクは車体を傾けて曲がる乗り物なので、基本的に軽量な方が素早くバンクしたり、左右に切り返すことができ、端的に言えば軽量な方がスポーツ性能に優れるわけです。そのため、かつては軽さをアピールするために乾燥重量を用いたとも考えられます。

 たとえば1985年にスズキが発売した「GSX-R750」は、アルミ製のフレームや独自の油冷エンジンなど軽量化に力を注ぎ、従来の大型バイクとは別格の乾燥重量179kgを誇りました。

 その「GSX-R750」から進化を重ねた現行スーパースポーツモデルの「GSX-R1000R」は装備重量203kgです。数値だけを比べると24kgも差がありますが、実際は大きく変わらないと思われます。ちなみに2004年に発売されたホンダ「CBR1000RR」は、車両重量210kg/乾燥重量181kgと両方を表記していましたが、じつに29kgも差があります。

 乾燥重量は“走れない状態”なので、あまり参考にならない側面もあり、2000年代の半ば頃から走行できる状態の装備重量で表すようになってきました(メーカーによっては装備重量を「整備重量」と表記する場合もアリ)。

 日本では2008年頃までが「乾燥重量」で、2009年は「乾燥重量」と「装備重量」が混在し、2010年にはおおむね「装備重量」に統一されました。カワサキの「ゼファーχ」(排気量400ccクラス)のファイナルモデルは、2009年は「車両重量(乾燥)186kg」と表記していましたが、2010年には「車両重量(整備)208kg」になりました。

 そのため旧車や中古車を探したりする際に、現行モデルと比べて「昔のバイクはずいぶん軽かった」とカン違いしないよう注意が必要です。

 軽量だとスポーツ性の高さはもちろん、押し引きなど取り回しがラクになることも事実です。とは言え高速道路などを一定速度で巡行する場合は、ある程度重量がある方が安定して快適に走れる場合もあります。したがって、必ずしも車両重量が軽い方が偉いというワケではなく、バイクのカテゴリーや使い方で、メリット・デメリットが変わります。

 スポーツバイクのイメージが強いドゥカティは、「乾燥重量」と「車両重量」を表記しています。

 BMWはスペック欄に様々な重量が並んでいますが、「車両重量(日本国内国土交通省届出値、燃料100%)」の数値が参考になるでしょう。ハーレー・ダビッドソンは「出荷時重量」と「車両重量」を表記しており、車両重量はオイルやフルード類および燃料90%を含んだ走行できる状態の重量になります。

 排気量が250ccを超える小型二輪車の車検証には、車両重量とは別に「車両総重量」の項目があります。車両重量は基本的にスペック表と同じですが、車両総重量はそのバイクに定員が乗った状態での重量を示しています。ひとり分の体重は55kgで計算するため、定員2名のバイクの場合は、車両重量に110kgを加えた数値が車両総重量になります(※バイクの場合。四輪車の貨物車などは異なる)。

 四輪車の貨物自動車などは車両総重量で自動車重量税が決まるので重要な数値ですが、重量税の無いバイクの場合はあまり関係ないかもしれません。

文:バイクのニュース 伊藤康司
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

スーパーフォーミュラ・ライツ鈴鹿合同テストでオーバーテイクを促進する“P2Pシステム”を将来に向けた検討としてテスト
スーパーフォーミュラ・ライツ鈴鹿合同テストでオーバーテイクを促進する“P2Pシステム”を将来に向けた検討としてテスト
AUTOSPORT web
シンプルでカッコよく 快適な乗り心地を実現! ヤマハが開発した“電動アシスト自転車”「パスクレイグアリー」ってどんなモデル?
シンプルでカッコよく 快適な乗り心地を実現! ヤマハが開発した“電動アシスト自転車”「パスクレイグアリー」ってどんなモデル?
VAGUE
ロロ・ピアーナのオーバーコート──クラシックな定番アイテムから『GQ』が選ぶベスト・オブ・ベスト
ロロ・ピアーナのオーバーコート──クラシックな定番アイテムから『GQ』が選ぶベスト・オブ・ベスト
GQ JAPAN
やっぱスーパーカー世代のヒーローは「ミウラ」だよね! 半世紀以上前に登場した「黄色いランボ」がオークション登場 どこから見ても美しい“後期型”の価値とは
やっぱスーパーカー世代のヒーローは「ミウラ」だよね! 半世紀以上前に登場した「黄色いランボ」がオークション登場 どこから見ても美しい“後期型”の価値とは
VAGUE
大幅刷新の三菱「新型デリカD:5」正式発表! 斬新「4枚刃」グリルを「卒業」!? 精悍「黒マスク」で超カッコいい! 唯一無二の「SUVミニバン」どう変わったのか
大幅刷新の三菱「新型デリカD:5」正式発表! 斬新「4枚刃」グリルを「卒業」!? 精悍「黒マスク」で超カッコいい! 唯一無二の「SUVミニバン」どう変わったのか
くるまのニュース
驚くほど広がる後方視界、ホンダ「Nシリーズ」専用「リアビューミラー&カバー」が発売
驚くほど広がる後方視界、ホンダ「Nシリーズ」専用「リアビューミラー&カバー」が発売
レスポンス
日産 パトロールはどれくらいランクルを意識しているのか!? 日本導入を前にズバリ聞いてみた!!
日産 パトロールはどれくらいランクルを意識しているのか!? 日本導入を前にズバリ聞いてみた!!
ベストカーWeb
ホンダ旧横型ミニ系「北米専用」モデル「SL70」フルレストア フレームをパウダーコーティングでオールペイント!!
ホンダ旧横型ミニ系「北米専用」モデル「SL70」フルレストア フレームをパウダーコーティングでオールペイント!!
バイクのニュース
トヨタの新スーパーカー「GR GT」はなぜ“カーボンモノコック”ではなく“アルミ骨格”を選んだのか? LFAの悔しさが生んだ“新生フラッグシップ”のねらいとは
トヨタの新スーパーカー「GR GT」はなぜ“カーボンモノコック”ではなく“アルミ骨格”を選んだのか? LFAの悔しさが生んだ“新生フラッグシップ”のねらいとは
VAGUE
NISMO渾身のコンセプトモデルにマイナーチェンジの「Z」や北米人気の「ROCK CREEK」のカスタマイズ車両など豪華絢爛! 日産の「東京オートサロン2026」の展示車両から目がはなせない
NISMO渾身のコンセプトモデルにマイナーチェンジの「Z」や北米人気の「ROCK CREEK」のカスタマイズ車両など豪華絢爛! 日産の「東京オートサロン2026」の展示車両から目がはなせない
WEB CARTOP
日産「セレナ」待望のマイナーチェンジ! 魅力アップの「ルキシオン」に注目
日産「セレナ」待望のマイナーチェンジ! 魅力アップの「ルキシオン」に注目
グーネット
日産『セレナ』改良新型、「LUXION」「ハイウェイスターV」が新グリルで表情一新…278万5200円から
日産『セレナ』改良新型、「LUXION」「ハイウェイスターV」が新グリルで表情一新…278万5200円から
レスポンス
老舗のヤナセがついに軽EVを売る! 「ヤナセEVスクエア」がBYDとディーラー契約し2026年夏横浜に店舗をオープン
老舗のヤナセがついに軽EVを売る! 「ヤナセEVスクエア」がBYDとディーラー契約し2026年夏横浜に店舗をオープン
THE EV TIMES
ベスパ誕生80周年を記念した「“新型”スクーター」登場! 市販化最初のモデル「98」に着想を得た特別仕様車に注目! 「Vespa 80th」イタリアで発表
ベスパ誕生80周年を記念した「“新型”スクーター」登場! 市販化最初のモデル「98」に着想を得た特別仕様車に注目! 「Vespa 80th」イタリアで発表
くるまのニュース
「あなた誰?」レベルの激変っぷり! 3度のマイチェンでまるで別人に変身したレクサスISの顔を追ってみた
「あなた誰?」レベルの激変っぷり! 3度のマイチェンでまるで別人に変身したレクサスISの顔を追ってみた
WEB CARTOP
SGホールディングス、ダイバーシティ推進で最高評価…5年連続「ベストワークプレイス」認定
SGホールディングス、ダイバーシティ推進で最高評価…5年連続「ベストワークプレイス」認定
レスポンス
670馬力のスバル車が過激スタント! 人気動画『ジムカーナ』最新作にヨコハマタイヤ「ADVAN」装着
670馬力のスバル車が過激スタント! 人気動画『ジムカーナ』最新作にヨコハマタイヤ「ADVAN」装着
レスポンス
たまには贅沢な休日も! 水戸岡鋭治氏デザインの豪華列車で高付加価値な移動体験!? 「ザ・ロイヤルエクスプレス」が2026年春に運行するプランを発表
たまには贅沢な休日も! 水戸岡鋭治氏デザインの豪華列車で高付加価値な移動体験!? 「ザ・ロイヤルエクスプレス」が2026年春に運行するプランを発表
VAGUE

みんなのコメント

7件
  • 原付以外のバイクは重量税ありますよ!
  • 昔の乾燥重量表記に慣れた年配の方は最近のバイクの、特にオフ車とかはスペックを見て「重い重い」の大合唱。
    まあ、排ガスや騒音の規制が強化されたり、ABSの装備が義務化されたりして、傾向として重くなってるのは事実だが、メーカーもコストアップを抑えながら頑張ってると思うよ。
    食わず嫌いの批判ばかりでなく、1回乗ってみればその進化っぷりにも驚くはず。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村