フォーミュラEの第5戦バレンシアePrixの予選が行なわれ、メルセデスのストフェル・バンドーンが今季2度目のポールポジションを獲得した。
曇り空のリカルド・トルモ・サーキットで行なわれた今回のレース。インフィールドをショートカットし、メインストレートにシケインが置かれた特別レイアウトながら、久々に常設コースでのフォーミュラE開催となった。
■ベルニュ、バレンシアでのフォーミュラE開催に否定的「もう2度と来たくない」
グループ予選では、早めにピットを離れて200kWで1周、さらに250kWのフルパワーに上げてもう1周アタックする戦略を採るチームも多かった。
また普段ストリートコースで行なわれるePrixの予選では、路面が汚れているグループ1が不利となり、走行を重ねるにつれてタイムが上がっていく傾向がある。しかし常設サーキットが舞台の今回はその法則に当てはまらず、各グループが入り乱れるオーダーとなった。
僅差の予選を制したのはバンドーン。予選グループ1の出走だったが、チームメイトのニック・デ・フリーズと共に好タイムを記録。最終的にバンドーンが2番手、デ・フリーズが6番手でスーパーポールへ駒を進めた。
バンドーンがスーパーポールのアタックに向かった時点で、暫定トップは昨季王者のアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(DSテチータ)が記録した1分26秒522。グループ予選のトップタイムより0.2秒以上速いターゲットタイムだったが、バンドーンは見事なアタックでダ・コスタを0.028秒上回った。
グループ予選でトップタイムを記録し、グループ4から唯一スーパーポールに駒を進めたアレックス・リン(マヒンドラ)は5番手と伸び悩み、バンドーンが今季2度目のポールポジションを獲得した。
5グリッド降格が決まっているニック・デ・フリーズ(メルセデス)は、スーパーポール最初にアタック。グループ予選でリンが出したトップタイムを上回り、最終的に3番手。決勝を8番手からスタートすることになる。
今季初のスーパーポール進出となったセバスチャン・ブエミ(日産・e.ダムス)はセクター2で全体ベストを更新するなど順調なアタックだったが、最終シケインへのブレーキングでタイヤをロックさせるミス。これが大きく響き、スーパーポール最下位の6番手となった。
日本にも馴染み深いアンドレ・ロッテラー(ポルシェ)、ニック・キャシディ(ヴァージン)はグループ4の出走。キャシディがセクター1で全体ベストタイムを記録するなどふたり共に速さを見せたものの、グループ予選はトップから12番手までが0.2秒以内という大接戦。ロッテラーは7番手、キャシディは11番手とスーパーポールセッションに進めなかった。
ランキング首位のサム・バードは21番手、ランキング2番手のミッチ・エバンスが18番手に終わるなどジャガー勢は大ブレーキ。ランキング3番手のロビン・フラインス(ヴァージン)も16番手と沈んでおり、この3人に次ぐランキング4番手のバンドーンにとって今回のレースは、首位に浮上しさらに差をつける大チャンスだと言えそうだ。
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